土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

慈眼院、国宝多宝塔は優雅に佇んでいます。

2016年04月04日 | 大阪の古寺巡り





(2016.04.02訪問)


関西空港を擁する大阪泉佐野市、その町の東部金剛葛城山系南端の山懐に抱かれた日根野の地、日本三大多宝塔と称されている多宝塔
が建つ慈眼院があります。大阪にある国宝建造物、観心寺金堂、孝恩寺観音堂それにココ慈眼院の多宝塔。我が大大阪に国宝建造物は
たった三つしか無いのか、三つもあるのか、は評価が分かれるでしょうが、ここは一つ先端空港都市と天武創建の古刹を持つ日根野の
地、新旧併せ持つ泉佐野市の国宝多宝塔を今日の迷車大和路号は目指しています。我が家からたった4~50分の距離なんです。




▼寺院らしからぬ門柱山門。奥に見えるのは本堂です。






[ 慈眼院 ]
●山号 大悲山(だいひざん)
●院号 慈眼院(じげんいん)
●寺号 願成就寺(がんじょうじゅじ) 通称 慈眼院(じげんいん)
●宗派 真言宗御室派(しんごんしゅうおむろは)
●勅願 天武天皇(てんむてんのう)
●開山 覚豪阿闍梨(かくごうあじゃり)
●開創 天武二年(763年)
●本尊 薬師如来坐像
▲拝観 境内多宝塔拝観200円 本堂拝観100円 朱印 300円  
▲時間 8:00~17:00
▲仏塔古寺十八尊霊場第十二番 
▲大阪府泉佐野市日根野626 電話072-467-0092
▲http://www.jigenin.or.jp
▲JR阪和線「日根野駅」から南海バス「東上」下車 徒歩スグ
 南海電車「泉佐野駅」から南海バス「東上」下車 徒歩スグ




▼コンクリート造の本堂は取りあえずスルーして庫裏へ。
 境内拝観のお願いに呼び鈴を押します。






慈眼院縁起 (慈眼院HP)
慈眼院は、天武二年(673年)天武天皇の勅願寺として、覚豪阿闍梨によって創建された泉州の最古刹である。創建当初は、井堰山願
成就寺、無辺光院と呼ばれていた。天平年間寺領に一千石が加えられ、聖武天皇の勅願寺となった。弘仁六年から二年間、宗祖弘法大
師のご留杖により多宝塔、金堂の造営を始め、一山がことごとく整備され、鎮護国家の道場にふさわしい輪奐の美を誇るところとなっ
た。その後はたび重なる戦火に盛衰を繰り返すこととなったが、江戸初期の寛文年間、岸和田の領主岡部侯の帰依を得て一山の大営繕
が行われた。その時、総法務宮であった京都仁和寺の性承門跡より「慈眼院」の院号が下賜され、仁和寺の末寺となって今日に至って
いる。




▼庫裏前には小さいですがきれいに植栽されたお庭があります。







▼お庭を流れる泉川。樫井川から引いてきた小運河もどき。







▼参道を行くと小さな門が、







▼目の前に金堂(重文)。本尊薬師如来坐像。方三間、寄棟造、本瓦葺、一間向拝付。文永八年(1271年)再建。         
 扉も閉め切られたままなんで中は窺い知れません。毎年正月三が日と二月三日に開扉されるそうです。







▼金堂正面。小さいながらも端正なお堂ですネ。







▼何と思います? 扁額なんです。本尊薬師如来、千手観音、毘沙門天を梵字で表したものだそうですが、かすれた上に梵
 字は読めません。







▼金堂を横から眺めてみましょう。







▼寄棟のテッペン、鯱が睨み合ってます。







▼ある事情でこんな撮りかたしか出来なかったんですが、飛び石つたいに多宝塔へ行きます。

 





多  宝  塔  ア  ラ  カ  ル  ト

▼多宝塔(国宝) 本尊大日如来坐像。

              

塔高10.8m、三間二層、檜皮葺、文永八年(1271年)再建。大阪で唯一の国宝多宝塔。我が国最小の塔、石山寺、高野山金剛三昧院
多宝塔と共に、日本三名塔と称されているそうです。
















           ▼基壇の上に床を設け外縁は勾欄なく、正面板唐戸で脇は連子窓仕様になっています。

  

















▼初層中央の蟇股。







▼初層の二重垂木と組物の美。







▼上層の円胴と複雑な組物、どういう設計をしたんでしょうネ。宮大工の頭の中を覗いてみたい!







           ▼多宝塔の相輪。



            多宝塔も毎年正月三が日と二月三日に開扉されるそうです。       





▼置き去りにされた宝珠だろうか。







▼石仏が所々に。







▼さて本堂です。コンクリート製、トタン屋根。
 外陣からの拝観になります。内陣は華麗な荘厳、中央お厨子に本尊をお祀りしています。写真は撮れません。







▼寺巡り 己見つめて 置き線香







▼扁額です。寺号はこれ!







▼正面鉄扉に菊御紋。







           ▼門外に修行大師の像が。







▼量感抜群の立派な鐘楼です。







▼本堂の赤い屋根に見送られて、次のお寺へ参りましょうか。







▼御朱印です。お庭の泉川畔に置いて撮りました。






基壇コンクリートと床の高さが多少バランスを崩しているのは明治期の誰かの仕業で、隣の金堂脇にあったのを現在地に移築したそう
で僅かの距離をなぜ移動したのか理解に苦しむが、それを差し引いても、この塔は素晴らしい。小さいながらも優雅で高貴、大阪で唯
一国宝多宝塔、納得できます。願わくば特別開扉時に本尊大日如来にもお会いしたいもんです。




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