(2016.10.01訪問)
秋の近江路をのんびり走ろうと思ったんですが、我が家から第二京阪、京滋バイパス、名神高速、新名神高速と高速を四つ乗り継い
で降りたすぐのところ、新名神高速「甲南IC」を降り約二分の所に今日目指す正福禅寺があります。我が家から約80キロ、一般道を
殆ど走ることなく目的地に着く高速道路はなんと便利で、なんと味気ない道なんでしょう。
せっかくの近江路 (このあたりを近江路と云えるのか知りませんが) 帰りは信楽で山盛りの観音さんに会い、国道307号でユックリ秋
の近江路を走ります。チンタラ走るのは迷車大和路号の最も得意とするところ、です。
▼寺号石柱。
[ 正福禅寺 ]
●山号 寿亀山 (じゅきざん)
●寺号 正福禅寺 (しょうふくぜんじ)
●宗派 臨済宗妙心寺派 (りんざいしゅうみょうしんじは)
●開基 伝聖徳太子 (しょうとくたいし)
●創建 伝七世紀初頭
●本尊 十一面観世音菩薩立像 (重文)
▲滋賀県甲賀市甲南町杉谷2928 電話0748-86-2879
▲拝観料 無料 朱印300円
▲拝観時間 9:00~17:00
▲近江西国第三十一番札所 甲賀西国第十五番札所
湖国十一面観音霊場第六番札所 近江湖南名刹霊場第七番札所
▲JR草津線「甲南駅」より甲賀市コミュニティバス西線「勢田寺」下車徒歩約10分
新名神高速道路「甲南IC」から車で2分
▼石段参道。味のある石段でしょう。
正福禅寺縁起 (正福禅寺寺史から抄出)
当寺は聖徳太子が御開創、本堂安置の本尊十一面観音菩薩、釈迦如来、四天王等太子一刀三礼の霊仏で仏法鎮護、国民豊僥のために
開創されました。平安時代には天台宗寺院でしが約400年前天正の乱で信長兵火で七堂伽藍は悉く灰燼に気しましたが、本尊と諸仏
は難を逃れるも寺景なしが続き、寛文年間当寺中興の実堂大和尚が、時の将軍綱吉の世継ぎ出生祈願を受け本尊十一面観音菩薩に観
音経一万巻読誦懇祷すると目出たく世継ぎが誕生、綱吉は仏恩に報いんとし、二万八千石と境内地二町五反を与え、徳川家祈願所と
して葵の紋を下賜、以来霊験顕著な世継観音として信仰を集めています。
▼石段参道。すぐそこに仁王門が見えます。
▼仁王門。三間一戸、入母屋造、銅板葺。基壇の上にポンと置いてあるような簡素な仁王門。
仁王さんを金網やガラスでガードするような無粋なことはしてありません。
▼扁額の盛り上がり金が光明を放っているようです。
時代貫禄の凄い金剛力士、いずれの像も像高約197cm、檜一木造、平安時代。
▼阿形仁王さん。
▼吽形仁王さん。
相当酷い事になってます、余りにお気の毒で全身像撮れませんでした。
▼仁王門。
▼短かそうですがイイ雰囲気の参道が……、
▼二手に分れ……、
▼右の石段を上ります。
▼簡素な鐘楼が左手に。
▼お庭が広がり……、
▼散り忘れ彼岸花に蝶が遊び……、右上にいますが見えます?
▼手入れの行き届いたお庭に囲まれて……、
▼最近修復されたきれいな本堂が正面に。桁行三間、梁間四間、入母屋造、銅板葺。
▼本堂扁額。
▼内陣須弥壇に燦然とお厨子が光ってます。本尊十一面観世音菩薩が祀られていますが秘仏です。
▼立派なお厨子ですネ。小さなお前立ちの観音さんがお立ちです。
▼お厨子左右に四天王像が守りを固めています。お名前は判りません。
▼左脇陣の地蔵菩薩坐像。像高159cm、寄木造、彫眼、平安時代。
右手に錫杖、左手に宝珠を持つ貫禄のお地蔵さん。
▼おちょぼ口にほんのりと紅の色が残っていますネ。
▼右脇陣には釈迦如来坐像(重文)。像高140cm、寄木造、彫眼、平安時代。
光背は二重円光に法界定印を結んで蓮華座上に結跏趺坐。
定印の上に小さな仏像が乗っています、真近で拝見していながら気が付きませんでした。
何処を見てるんでしょうネ。PCで拡大して見ますと「天上天下唯我独尊」
あのお釈迦さん誕生仏です。お釈迦さんがお釈迦さんを持つ珍しいお像です。
▼両脇陣に四天王。お名前は判りません。
▼右壁面の十大弟子。新しいお像でしょうか大変きれいです。
▼豪華な円形天蓋が天井を荘厳しています。
(本堂内の仏像写真は許可を得て撮影しています)
▼本堂が境内唯一のお堂なんです。
▼本堂前に建つ宝篋印塔。印塔の見本のようなプロポーション。
複弁を刻んだ基壇の上に、素面の基礎を置き塔身の月輪内部
には薬研彫りで金剛界をあらわす四仏の梵字を刻んでいます。
▼本堂横の小さな池。
▼鎮守社の八坂神社。奥に拝殿が見えます。
▼拝殿前に阿吽の狛犬。
▼本殿。
▼境内奥の放生池。石橋が架かっています。
▼石橋を渡ると小さなお社弁天堂と役行者像が並んでいます。
▼役行者。
▼裏山を巻くように遊歩道が巡っています。
▼歴代住職の墓。最近改修されたんでしょうネ、チョットきれいすぎますが、こういう歴代墓を見るとこのお寺の歴史を感じ
ますネ。
▼庫裡。こちらでご朱印を戴きます。
▼ご朱印です。
近江路湖北、湖東から湖南の地には天台寺院や観音さんの有名どころが多く残されていますが、ここ正福禅寺は臨済寺院、禅宗のお
寺です。しかし多分に洩れず本尊は十一面観世音菩薩立像、世継観音として信者を集めているそうなんですが、残念ながら秘仏、し
かし本堂須弥壇を彩る仏像は見応え十分、とくに重文の釈迦如来坐像は安定感、量感抜群でやや伏し目で瞑想中のお釈迦さん。小さ
なよく整った螺髪に真っ赤な肉髻と額の白毫の白、定印上の小さな釈迦が一直線、像形は左右対称で法衣の柔らかな浅いドレープ、
左右が違うだけで絶妙のバランス、仏師名は不祥ですが総てが後補でなく造像時のままだとしたらこの仏師の力量は大したもんです。
釈迦如来に感動して次は信楽まで走ります。タヌキに会いに行くんではないんですヨ。
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