(2016.10.22訪問)
先週、迷車大和路号は近江路の「牛のお寺」を訪ねましたので、今週は同じく近江路の「馬のお寺」を訪ねます。
近江平野は長閑です。どこまでも続く黄色と緑の田圃、ところどころで立ち上る藁焼きのケムリ、青空のもとのドライブなら気分壮
快なんですが、残念今日は曇天、昼からパラパラ来るかも知れません。訪ねるのは五個荘の石馬寺、聖徳太子と愛馬の由緒が残るお
寺です。またまた石段参道があるんですよ、イヤですネ。
▼貫禄の國寶刻字。高さ3mのインパクト、変則四つ辻に建つ石碑。
ここからが参道と思われますが、しばらく左右に民家が続きます。
[ 石馬寺 ]
●山号 御都繖山 (ぎょとさんざん)
●寺号 石馬寺 (いしばじ) 愛称 馬の寺
●宗派 臨済宗妙心寺派 (りんざいしゅうみょうしんじは)
●開基 伝 聖徳太子 (しょうとくたいし)
●創建 伝 推古二年 (594年)
●本尊 十一面観世音菩薩立像 (秘仏)
▲滋賀県東近江市五個荘石馬寺町823番地 TEL 0748-48-4823
▲拝観料 500円 朱印300円
▲拝観時間 9:00~16:00 月曜日休み、月曜が祝祭日の場合は拝観可、翌日火曜休み。
▲http://ishibaji.jp/
▲札所 湖東二十七名刹十六番札所 近江西国三十三カ所霊場第九番札所 近江百八観音霊場第六十九番札所
▲JR琵琶湖線 「能登川駅」 下車 バス 5分 「石馬寺」下車10分
名神高速道路「竜王IC」から、国道8号「五個荘南」から約2km、駐車場徒歩5分。
▼参道石段口までやってきました。自然石に刻された寺号碑が建っています。
この地には聖徳太子が建立された大門が建ってたそうです。
石馬寺縁起 (石馬寺HPより抄出)
約1400年前、推古天皇摂政の聖徳太子が、鎮護国家、仏法興隆を祈る道場を求め、繖山 (きぬがさやま) の麓来ると、駒は歩みを止
めて進まなくなり、傍らの松の樹につないで山に登ったところ、瑞雲たなびく風光明媚な風景が広がっていたのです。
聖徳太子は「積年の望みをこの地に得たり」と深く感動して再び山を下ると、松の樹につないだ駒が傍の池に沈んで石と化していま
した。この奇瑞に大いに霊気を感じ、この山を「御都繖山」と名付け寺を建立、馬が石となった寺「石馬寺」と号されたのです。
▼石馬寺命名の由来池です。
▼今でも聖徳太子愛馬が石と化し沈んでます、どっちが頭でどっちがお尻なんですかネ。
▼さて地獄の石段、お寺ではかんのん坂と呼んですそうです。やれやれ吸い込まれに行きますか。
▼杖が置いてあると云うことは……、
▼何処まで続くやら……、
▼上り出してすぐ左に僧坊跡。
▼跡地一角に石仏が捨ててある、てなことはないですよね。
▼石段の石の形状がなんか不規則に……、
▼苔むす風情の石段です。どこかで見たことありますよネ、
そうです、三尾の神護寺もこんな石段でした。
▼石段分かれ道に、標石どうり右に行きます。
▼参道には五輪塔を中心に石仏が並んでいます。
▼テッペンが見えてきました。石段は約300段、ボクの足で約10分、神護寺より楽チン、カープみたいなもんで楽勝です。
▼境内スグに左に鐘楼。
▼庫裡です。先ず入山手続きを。
▼庫裡続きの書院から見た石馬の石庭。禅風石馬の縁起を表しているそうです。
▼境内の一角。
▼平成十二年 (2000年) に建立の宝物殿。
まだ木の香が漂うようなきれいな堂内、左右一杯に仏像が並んでいます。壮観です。
▼いきなり正面に丈六阿弥陀如来がド〜ンとお坐りです。
丈六阿弥陀如来坐像(重文)像高274.0cm、木造、漆箔、平安時代。
漆箔はかなり剥落していますが、定朝風像形の安定感は負けず劣らず。お顔はやや伏し目で、瞑想中とお見受けします。
▼阿弥陀さんのお顔。
▼十一面観音立像 (重文)像高179.7cm、木造、平安時代。
▼二天像 (重文) 四天王が左右二体ずつ分れてお立ちです。
堂内右端の二天。
右、持国天 (重文) 像高204.8cm、木造、彩色、平安時代。
左、多聞天 (重文) 像高151.2cm、木造、彩色、平安時代。
堂内左端の二天は、
増長天 (重文) 像高203.6cm、木造、彩色、平安時代。広目天 (重文) 像高159.2cm、木造、彩色、平安時代。
▼役行者 (重文) 木造、鎌倉時代。
その他、十一面観音立像 (重文) 大威徳明王牛上像 (重文) が安置されています。
▼本堂です。どの角度からもスッキリした堂形は撮れません。
▼本堂正面は締め切り、横の入口からの入堂になります。
▼過剰な荘厳はなく質素な内陣です。
▼中央須弥壇にお厨子が、本尊十一面観世音菩薩立像 (秘仏) が祀られています。
▼お厨子前にお前立ち観音像がお立ちです。
天衣、上帛、裳が黒いのは珍しく新しいお像と見受けました。
▼中興の祖、雲居国師像。
▼さりげなく壁面に聖徳太子筆と伝わる、石馬寺と書かれた扁額。これが本物としたら、てなことは考えずにおきましょう。
▼境内の端に行者堂。
▼内部はまさに「がらん堂」本尊は宝物殿へ避難している役行者像。
▼行者堂。
▼不動明王石像。ユニークですネ、実物見たら笑っちゃいますヨ。
▼本堂横にさり気なく石仏。
▼こちら本堂前に建つ聖観音さんに一礼して、石馬寺 オ シ マ イ
▼ご朱印です。
宝物殿はとにかく凄い!これだけの仏像をお寺の経て来た栄枯に盛衰、兵火や自然災害、時代変化にとらわれず守り通してきたお寺
の精神の持ちように驚くばかリ、こんな山寺と云っちゃ失礼なんですが、近江のお寺は実に奥深い、お寺のみならず時代時代の地域
住民の信仰心の深さや寺社に対する畏敬の念がこういった宝物を大事に大事にしてきたんだろうと改めて思います。
仏像に感激しすぎで聖徳太子はどこかへ行ってしまった感、皇子大変失礼しました 合掌
次につづきます。近江路では珍しい黄檗宗のお寺です。
↓ ポチッと押していただければたいへん嬉しいのですが。
神社・お寺巡り ブログランキングへ