土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

阿弥陀寺、ここも大原なんですが……。

2018年11月05日 | 京都の古寺巡り





(2018.11.03訪問)


大原の里も今日訪ねた古知谷まで来ると先ず人の気配はありません。三千院などがある所からクルマで10分ほどの距離に関わらず参
拝者はボク一人でした。まだ紅葉には幾分早いとはいえ、大原の喧噪はここにはありません。深山幽谷の感が味わえる山道を登って
行くとやがて阿弥陀寺の石垣が見えてきます。色とりどりの可愛い大文字草が迎えてくれ、一刻の安息感に気分はホッコリ、ホッで
した。





▼参道入り口に山号を刻した自然石がドンと置かれています。







[ 阿弥陀寺 ]
●山号 光明山(こうみょうさん)
●院号 法国院(ほうこくいん)
●寺号 古知谷阿弥陀寺(こちだにあみだじ)
●開山 木食上人弾誓(たんぜい)
●開創 慶長14年(1609年)
●宗派 浄土宗
●本尊 弾誓仏(弾誓上人自ら彫った像で自身の頭髪を植えた仏像)
▲拝観料 400円 朱印300円
▲時間 9:00~16:30
▲京都市左京区大原古知平町83 Tel.075-744-2048
▲京都市営地下鉄国際会館駅→京都バス大原小出石行きで30分、バス停古知谷下車、徒歩15分
 名神高速京都東ICから50分





▼掘割りの中を行くような参道。







阿弥陀寺縁起 (阿弥陀寺パンフレットから抄出)
尾張出身の弾誓上人が開基した如法念仏道場が始まりで、上人は霊木から像を刻み、自身の頭髪を植え、本尊として堂に安置し寺名
を阿弥陀寺と名付けました。





▼重層の竜宮門、山門です。      







            ▼弾誓上人の刻した本尊を誇っているようですネ。







▼山号を記した勇壮な筆蹟。







▼では境内へ。







▼例により石段前に「臭いものを喰って入るな」







▼実相の滝は二段滝のはずですよネ、けどこの滝しか見えなかった、不思議?







▼一転空が開けた、石垣が見えます、境内に着いたようです。







▼懸け造りのお堂が、こういう見方をするとヒヤヒヤものです。これは瑞雲閣という茶室です。







▼参道を彩る大文字草。
 阿弥陀寺は九輪草が有名なんですが、そのシーズンが終わると大文字草の出番なんです。







▼本坊です。本堂へはここから入ります。







▼大文字草。色も色々可愛い小花です。







▼本堂です。桁行5間、梁行4間、寄せ棟造、浅瓦葺。瑠璃瓦風の艶のあるきれいな瓦が葺かれています。







▼本堂扁額。院号法国院と揮毫されてます。







▼本堂正面。







▼本堂内陣の荘厳。







▼内陣扁額には梵字らしきものが書かれています。







▼内陣須弥壇には立派なお厨子に本尊がお立ちです。       













▼本尊は弾誓上人自ら彫った像で自身の頭髪を植えているそうです。どこか異神の感じがする本尊です。







▼それに引き換え堂々の脇仏阿弥陀如来坐像(重文)。鎌倉時代、明恵上人作と云う説もあるそうです。







▼畳敷きの外陣、一眠りしたいくらいの日差しいい案配。







▼かってはエライ僧の上り下りに使っていたのかな。







▼本堂前のお庭。







▼大文字草。境内の所々に可愛い表情を見せています。







▼石仏五智如来。







▼鐘楼。







▼大文字草。                          













            ▼孤高のお地蔵さん。角柱に半浮き彫りのお像です。







▼文字通り大の字に見えますネ。







▼弾誓上人石廟。奥に石窟が掘られ……、

  





▼この石龕に弾誓上人は眠っています。
 弾誓上人六十三歳のとき、修行中の僧たちに彫らせたこの石窟石龕に今も上人は端坐合掌の相でミイラ佛として安置されているそ
 うです。奥行き2m位の窟です。暗いです。ヒンヤリしています。水滴が滴っています。正直コワイです。







▼弾誓佛と書かれたご朱印を頂いて古知谷阿弥陀寺オイトマです。







▼フロク。






広くはない境内に本堂一つの古刹ですが、お寺のエッセンスがギッシリ詰まった素晴らしいお寺です。いま盛りと咲く大文字草のあ
まりの可愛さに本尊のお顔の印象がおぼろになってしまいました。お寺とお花、可憐な花々に癒されながら巡る境内は見方によれば
また違った発見があるかも知れないですネ。