(2019.01.05訪問)
平成三十一年己亥歳、新春初の古寺を歩くは近江路へやって参りました。予てから愛読している白洲正子さんの著書の一つ「近江山
河抄」の中で「雪野寺」として書かれている古刹が近江路にあります。
名前がいいじゃありませんか冬の「雪野寺」。新春の近江路は “雪” もなく、風もなく大和路号は機嫌良く名神高速を走っています。
新春第一弾は「雪野寺」本名「龍王寺」がこれから訪ねる古刹です。
▼コの字袖塀に囲まれた山門。
[ 龍王寺 ]
●山号 雪野山(ゆきのさん)
●寺号 龍王寺 (りゅうおうじ)
●宗派 天台宗 (てんだいしゅう)
●開基 伝 行基 (ぎょうき)
●開創 伝 和銅3年(710年)
●本尊 薬師瑠璃光如来
●滋賀県蒲生郡竜王町川守 TEL. 0748-57-1380
●拝観料 通常400円 御朱印300円
●時間 9:00~17:00
●JR琵琶湖線 「近江八幡駅」から近江鉄道バス「川守」下車、徒歩10分
▼フル表示の立派な石柱。
龍王寺縁起
龍王寺は日野川の東岸、雪野山にある天台宗の古刹。 寺伝では奈良時代初めに元明天皇の勅令で、僧行基により「雪野寺」として開
山されたと伝わる。吉野郡の小野時兼が寄進した梵鐘に霊験があったことから一条天皇により、「龍寿鐘殿」の勅額を賜り、これよ
り寺号も「龍王寺」と改められた。本尊は薬師如来坐像で秘仏。辰年には、町名の竜王にちなみ本尊がご開帳されている。
▼山門から境内を、前方本堂です。
▼山門には「近江湖東二十七名刹霊場第二十五番札所」の木札が掛けられています。
▼それでは入山しましょう。前方の建物は本堂です。
▼本堂。妻が正面、桁裄5間、梁間4間、入母屋造、桟瓦葺、1間向拝付。
▼本堂正面。中央1間は桟唐戸、左右各2間は板障子で、残念ながら、完全施錠で堂内を覗くことは出来ません。
▼本堂内陣。最奥須弥壇上に本尊がチラッと見えます。(コノ写真はネットから貰ってきました)
▼本尊薬師瑠璃光如来坐像(秘仏)? 旧暦の8月15日に喘息の「へちま封じ」が行われ、開扉されるそうです。
本尊写真はネットから貰ってきたのですが、お薬師さんには違いないんですが本尊でしょうか、脇仏のような扱いに、ハッキリ言っ
て不詳です。だったら本尊として載せるなの声が聞こえそうですが……。
ネットで探しまくりましたがコノ写真しか発見出来ず。
▼本堂。
▼本堂屋根の妻。
▼鐘楼です。鐘楼内の四周に歌が掲げられ、藤原定家が「昨日みし花のあたりに夜はあけて野寺の鐘の声そ聞ゆる」と詠んだ歌があ
るそうです。
▼梵鐘(重文)。地元の人は「野寺の鐘」として親しまれ、奈良時代の数少ない名鐘の一つだそう。
▼経蔵か宝蔵か? 塗り直されたんでしょう、境内一きれいな建物です。
▼境内には三基の宝篋印塔や、
▼三重の石塔を見ることが出来ます。
▼お地蔵さんもお坐りでした。
▼境内のお隣に鎮守社かどうか不明ですが神社が鎮座。
▼天神社と云うお社です。祭神は天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
コノ地にも高天原の世界が生き続いているんですネ。
▼ご朱印です。書き置きのご朱印を朱印帳に貼り撮影、ご丁寧に日付も書き忘れのオソマツ!
竜王町の山裾にあるここ龍王寺は境内に本堂一つの小さな古刹。残念ながら本堂はガッチリ施錠、お寺もお正月休みでしょうか、堂
内を覗くことも出来ません。内心過剰な期待感で一杯でしたが少々ガックリの新春第一弾でした。