![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/5b/c9c9b977c739b3c30445f55de30ff275.jpg)
(2011.11.12訪問)
神宮寺から少し戻り、遠敷川を渡ります。若狭西街道、比較的新しい農道を東に
真っ直ぐ、県道23号を南に走ると徐々に山懐へ、明通寺はスグそこです。
[ 明通寺 ]
●山号 棡山(ゆずりさん)
●寺号 明通寺(みょうつうじ)
●宗派 真言宗御室派
●勅願 平城天皇
●開山 坂上田村麻呂
●創建 大同元年(806年)
●本尊 薬師如来坐像
明通寺縁起(明通寺リーフレットから)
延暦のむかし、この山中に一大棡樹(ゆずり木)あり、その下に世人に異なる不思
議な老居士が住んでいた。たまたま坂上田村麿公、ある夜、霊夢を感じ老居士の
命ずるままに天下泰平、諸人安穏のため、大同元年(806年)このところに堂塔を
創建し、居士また棡の木をきって、薬師如来、降三世明王、深沙大将の三体を彫
って安置したと伝う。爾来壱千二百年、つねに天下万民の祈願所として、法燈た
えることなし。現存の堂塔は、中興頼禅法印の再建にかかり、地方にありながら
中央のものにも劣らぬ優秀な密教建築である。
▼棡橋(ゆずりばし)。
いきなりお出迎え、松永川に架かる駐車場と境内をつなぐ朱色鮮やかな結界橋。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/4c/141f11941afc117b534bd5a7ba54f585.jpg)
▼松永川。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/c9/fc68df13d593fbea1f9192d10d527d2e.jpg)
▼石段を上るとスグ境内。簡素な石標です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/c8/39ea92e9f3acc55775e7bbf75af5d59c.jpg)
▼ナヌッ! 参道前に本堂工事中のお知らせ。
本堂屋根葺き替えとのことは、前日お寺から聞いていたので動揺はありません。
サア行きましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/fe/0f0fd51833236495f64a33e0b4b7b730.jpg)
▼山門。
江戸中期の明和9年(1772年)再建。間口三間二層の八脚楼門、瓦葺。
二層目に立派な勾欄が外廊を巡っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/de/a173b09eff0860a70232f1bbd91a2c0f.jpg)
山門両脇にドーンと仁王さん。阿吽両像とも、色彩は相当酷い状態ですが、お顔、
お躯全体が朱色だったのが見えます。パワフルなお顔とダイナミックな像姿は仏
師の相当な力量が窺えます。慶派の流れがあるのでしょうか。お顔の彫りの深さ
は圧巻!
鎌倉中期文永元年(1264年)、寄木造、像高190cm(両像とも)
▼金剛力士阿形像。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/75/44e4c23a906f05093a58a40b85442b90.jpg)
▼金剛力士吽形像。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/c5/67ecffaf50b93c421c9eff89f775007f.jpg)
▼見事なパズル風山門の組み物。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/bf/8a4431b08a55966db3048384d30431de.jpg)
▼鐘楼。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/fe/865c7a01aae31265e049538a42f9f0d0.jpg)
▼手水舎。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/ce/e2101e3c8ac91ec6620380cf11dc929c.jpg)
▼本堂への参道。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/d0/49c76104459c6a31d891c732ad326b93.jpg)
▼丁寧なお寺ガイドの看板。
左に覆われたテントとパイプ状のもの見えます? 工事中の本堂です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/18/696d6ee832e4cebe055a7a748711d4e5.jpg)
▼本堂(国宝)。(本堂写真はs.minagaさんにお借りしました)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/fd/d92c8ba702f390d0e3458c7c6ea420d5.jpg)
単層入母屋造、桧皮葺。正嘉2年(1258年)再建。大正12年解体修理。
屋根桧皮を葺き替え中、現在テントに覆われていますが、入堂はでき仏像拝観は
可能。僧侶が説明とお説教を随時行っています。
本尊 薬師如来坐像(重文)。 一木造、像高134cm、平安初期。
脇侍 深沙大将立像(重文)。 一木造、像高254cm、平安初期。
後三世明王立像(重文)。一木造、像高250cm、平安初期。
憤怒尊を脇侍としている珍しい三尊例ですね。
▼三重塔(国宝)。
境内最高所に建っています。
三間三層、桧皮葺。塔高22.26m。文永7年(1270年)再建。昭和32年解体修理。
本尊 釈迦三尊。通常開帳されていません。今は壁画、柱画修復中でご本尊はこち
らにおられません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/dc/33e033fad603a053ad7e95c2b407a086.jpg)
▼初めて見る修復作業。現在、初層の柱、壁面の十二天像を修復中。外から作業
を見ることができます。若い女性お二人の筆さばきをしばらく見とれていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/0e/45ee705fb404c637e4077d0da763d140.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/05/2b7e9812796c326191ecea408a7a5a4f.jpg)
▼本堂前の池の鯉。とにかくデカイです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/e3/58aa2295905757bb6a66b83be27bbc98.jpg)
▼客殿中門。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/4e/9a890475351b5d36777ef71935f8c629.jpg)
▼客殿と枯山水の中庭。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/b4/4cf96bbf0126b51c6bae9e5c52cbcff4.jpg)
▼客殿仏間の不動明王立像。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/ba/dfdecc5000bfcc8e079fad231116848a.jpg)
▼客殿から勝手門をくぐると目の前に巨木。
天然記念物、樹齢約500年の栢の木(かやのき)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/ea/752c4a3e2143cb6ccad0390eade13cbf.jpg)
▼栢ノ木横からの景観。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/fd/d56d482e88beb1d93b1baf0a3a408b1a.jpg)
ハードな山塊中の山岳寺院と思って訪ねましたが、そうでもなく優しい感じの山
寺です。残念ながら、本堂桧皮葺屋根の修復工事中のため建物は見ることが出来
ませんでしたが、堂内での僧侶の方のお話はなかなかのもの、本尊は小振りなが
ら美しい薬師さん。憤怒像を左右に配する珍しい三尊形式は初めてですが、この
両脇侍が迫力満点、明王と大将で阿吽を表現しているとのこと。ボクにとっては
新しい発見。大ナットクでした。
チョット時間が押してきました。次の予定どうしょうか、帰りは遠いし……。
今宵も有難くhidepon様worldに浸らせて頂きました。
有難う御座います。
>▼棡橋(ゆずりばし)。
>いきなりお出迎え、松永川に架かる駐車場と境内をつなぐ朱色鮮やかな結界橋。
もぅ、この美しい一文で、すっかり妄想参拝の世界へといざなわれてしまいます。
そして金剛力士阿形像のド迫力の存在感には圧倒されました。
さて、時間が押し気味のhidepon様、如何にっ!?
乞うご期待!ですねっ!ワクワク~~♪♪♪
まさにザ古寺ですね。hidepon様のおかげさまで”旅行”ができます。
3Dモデルもモノトーン(陰影)で表現してディテール、プロポーションの違いがわかるような気がします。
3D-CADで色をつけたりテクスチャを表現してもしょせん”にせもの”でより安っぽくなりますから。(そういいながら結構やってますが)
明通寺の建築はそれをつよく感じます。