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(2011.11.12訪問)
神宮寺から少し戻り、遠敷川を渡ります。若狭西街道、比較的新しい農道を東に
真っ直ぐ、県道23号を南に走ると徐々に山懐へ、明通寺はスグそこです。
[ 明通寺 ]
●山号 棡山(ゆずりさん)
●寺号 明通寺(みょうつうじ)
●宗派 真言宗御室派
●勅願 平城天皇
●開山 坂上田村麻呂
●創建 大同元年(806年)
●本尊 薬師如来坐像
明通寺縁起(明通寺リーフレットから)
延暦のむかし、この山中に一大棡樹(ゆずり木)あり、その下に世人に異なる不思
議な老居士が住んでいた。たまたま坂上田村麿公、ある夜、霊夢を感じ老居士の
命ずるままに天下泰平、諸人安穏のため、大同元年(806年)このところに堂塔を
創建し、居士また棡の木をきって、薬師如来、降三世明王、深沙大将の三体を彫
って安置したと伝う。爾来壱千二百年、つねに天下万民の祈願所として、法燈た
えることなし。現存の堂塔は、中興頼禅法印の再建にかかり、地方にありながら
中央のものにも劣らぬ優秀な密教建築である。
▼棡橋(ゆずりばし)。
いきなりお出迎え、松永川に架かる駐車場と境内をつなぐ朱色鮮やかな結界橋。
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▼松永川。
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▼石段を上るとスグ境内。簡素な石標です。
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▼ナヌッ! 参道前に本堂工事中のお知らせ。
本堂屋根葺き替えとのことは、前日お寺から聞いていたので動揺はありません。
サア行きましょう。
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▼山門。
江戸中期の明和9年(1772年)再建。間口三間二層の八脚楼門、瓦葺。
二層目に立派な勾欄が外廊を巡っています。
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山門両脇にドーンと仁王さん。阿吽両像とも、色彩は相当酷い状態ですが、お顔、
お躯全体が朱色だったのが見えます。パワフルなお顔とダイナミックな像姿は仏
師の相当な力量が窺えます。慶派の流れがあるのでしょうか。お顔の彫りの深さ
は圧巻!
鎌倉中期文永元年(1264年)、寄木造、像高190cm(両像とも)
▼金剛力士阿形像。
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▼金剛力士吽形像。
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▼見事なパズル風山門の組み物。
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▼鐘楼。
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▼手水舎。
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▼本堂への参道。
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▼丁寧なお寺ガイドの看板。
左に覆われたテントとパイプ状のもの見えます? 工事中の本堂です。
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▼本堂(国宝)。(本堂写真はs.minagaさんにお借りしました)
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単層入母屋造、桧皮葺。正嘉2年(1258年)再建。大正12年解体修理。
屋根桧皮を葺き替え中、現在テントに覆われていますが、入堂はでき仏像拝観は
可能。僧侶が説明とお説教を随時行っています。
本尊 薬師如来坐像(重文)。 一木造、像高134cm、平安初期。
脇侍 深沙大将立像(重文)。 一木造、像高254cm、平安初期。
後三世明王立像(重文)。一木造、像高250cm、平安初期。
憤怒尊を脇侍としている珍しい三尊例ですね。
▼三重塔(国宝)。
境内最高所に建っています。
三間三層、桧皮葺。塔高22.26m。文永7年(1270年)再建。昭和32年解体修理。
本尊 釈迦三尊。通常開帳されていません。今は壁画、柱画修復中でご本尊はこち
らにおられません。
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▼初めて見る修復作業。現在、初層の柱、壁面の十二天像を修復中。外から作業
を見ることができます。若い女性お二人の筆さばきをしばらく見とれていました。
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▼本堂前の池の鯉。とにかくデカイです。
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▼客殿中門。
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▼客殿と枯山水の中庭。
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▼客殿仏間の不動明王立像。
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▼客殿から勝手門をくぐると目の前に巨木。
天然記念物、樹齢約500年の栢の木(かやのき)。
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▼栢ノ木横からの景観。
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ハードな山塊中の山岳寺院と思って訪ねましたが、そうでもなく優しい感じの山
寺です。残念ながら、本堂桧皮葺屋根の修復工事中のため建物は見ることが出来
ませんでしたが、堂内での僧侶の方のお話はなかなかのもの、本尊は小振りなが
ら美しい薬師さん。憤怒像を左右に配する珍しい三尊形式は初めてですが、この
両脇侍が迫力満点、明王と大将で阿吽を表現しているとのこと。ボクにとっては
新しい発見。大ナットクでした。
チョット時間が押してきました。次の予定どうしょうか、帰りは遠いし……。
まさにザ古寺ですね。hidepon様のおかげさまで”旅行”ができます。
3Dモデルもモノトーン(陰影)で表現してディテール、プロポーションの違いがわかるような気がします。
3D-CADで色をつけたりテクスチャを表現してもしょせん”にせもの”でより安っぽくなりますから。(そういいながら結構やってますが)
明通寺の建築はそれをつよく感じます。
今宵も有難くhidepon様worldに浸らせて頂きました。
有難う御座います。
>▼棡橋(ゆずりばし)。
>いきなりお出迎え、松永川に架かる駐車場と境内をつなぐ朱色鮮やかな結界橋。
もぅ、この美しい一文で、すっかり妄想参拝の世界へといざなわれてしまいます。
そして金剛力士阿形像のド迫力の存在感には圧倒されました。
さて、時間が押し気味のhidepon様、如何にっ!?
乞うご期待!ですねっ!ワクワク~~♪♪♪