土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

善水寺、感動の仏像オンパレード。

2014年10月17日 | 滋賀の古寺巡り



(2014.10.11訪問)


長寿寺の檜皮本堂に名残惜しみつつ、湖南三山最後の善水寺に向かいます。前の二寺とは少しばかり離れた
所、野洲川を渡り東へ岩根山の麓を回り込みながらクルマは上ってゆきます。駐車場は広くクルマは止まっ
ていません。いきなり入山受け付けがありお寺の雰囲気皆無。後でお聞きすると徒歩での参道は当然の事な
がらあり、仁王門趾も残り上り参道が本堂まで続いているそうでシマッタと思っても後の祭り、上り直すに
は気力体力ともに残念ながらです。よって山間寺院の参道雰囲気写真ありません。
しかし久々の感動が待ってました。


▼本堂。





[ 善水寺 ]
●山号 岩根山 (いわねさん)
●寺号 善水寺 (ぜんすいじ)
●勅願 伝元明天皇 (げんめいてんのう)
●開創 伝和銅年間 (708~715年)
●再興 最澄 (さいちょう)
●宗派 天台宗
●本尊 薬師如来坐像 (秘仏)
▲拝観料 500円 朱印300円 駐車場無料
▲拝観時間 9:00~16:00
▲http://www.zensuiji.jp/ 
▲湖南三山の一
▲滋賀県湖南市岩根3518 Tel. 0748-72-3730
▲JR草津線甲西駅下車、湖南市巡回バス下田行き「岩根」下車徒歩10分
 
 JR草津線三雲駅下車タクシー15分


         ▼寺標。




善水寺縁起 (善水寺HPより抄出)
奈良時代和銅年間元明天皇勅命により鎮護国家の道場として草創され和銅寺と号した。延暦年間、傳教大師
最澄上人、比叡山開創の堂舎建立の用材を甲賀の地に求め、材を野洲川河岸に筏を組み流す時、日照り続き
で河水少なく材が流れない。大師請雨祈祷し、岩根山中より一筋の光が射し、誘われるまま登られた。山中
堂東側に百伝池あり、池中より薬師仏出現、その薬師仏を本尊として請雨祈祷七日間、満願日大雨降り、流
勢大いなるまま、材は川を下り琵琶湖対岸比叡の麓に着岸したと云う。その後、都で桓武天皇御悩の際、大
師は霊仏出現の池水を薬師仏の宝前にて病気平癒祈祷、秘法修すること七日間、満行の日霊水を天皇に献上、
御悩忽ち平癒された。この縁に依り岩根山善水寺の寺号を賜わったという。



▼元三大師堂。本尊 元三慈恵大師良源像。
 三間四方、宝形造、桟瓦葺、正徳三年 (1713年) 再建。





▼元三大師堂扁額。





▼須弥壇お厨子に元三大師のお顔がチラッと。





         ▼石造法華塔。





▼鐘楼。寛文三年 (1663年) 建立。





▼本堂 (国宝)。本尊 薬師如来坐像 (重文) 
 桁行七間、梁間五間、入母屋造、檜皮葺。南北朝貞治五年 (1366年) 再建。





▼本堂扁額。





▼正面中央一間開き戸、周囲は内開き格子蔀戸、向拝なし。





▼超豪勢で豪華な内陣須弥壇。(写真は善水寺HPからお借りしました)
 中央お厨子に秘仏本尊薬師如来 (重文)。上段左右に梵天 (重文)、帝釈天 (重文)。中段左右に四天王 (重文)、
 下段左右に十二神将が祀られさながら仏像オンパレード。これで日光、月光菩薩がいらっしゃり、お厨子
 が開いていれば文句なし、なんですがネ。
 後堂にも兜跋毘沙門天 (重文)、不動明王 (重文) をはじめ諸像が安置されています。総勢三十余躯、失礼な
 がらこの山間地で、湖南三山最高のページェントに出会い、これだけの仏を目にした幸運に感謝。写真が
 ないのはなんとしても残念!





▼本堂東側、最澄さん縁の百伝池。古来、ももつての池と云うそうです。池を中心に池泉回遊式庭園です。





▼少し上から見ます。





         ▼善水という霊水。





         ▼善水由来の碑が建てられています。





         ▼本堂西側小庭園になんとも云い難い石灯籠が。
          笠がユニークですネ、自然石です。





▼石蕗が咲き出しました。





境内上の方へ行ってみましょう。
▼六所権現参道。





▼六所権現。善水寺の鎮守社。
 伊勢、春日、八幡、賀茂、熱田、鹿島、の六所の神々を奉安。





▼役行者を祀る行者堂。前方には護摩壇が設えてあります。





▼境内最高所の法面に羊歯がビッシリ。





境内下の方へ行ってみましょう。
▼地蔵堂。





▼お地蔵さんがギッシリ。





▼観音堂。本尊聖観世音菩薩坐像。元禄九年(1696年)建立。





         ▼本尊聖観世音菩薩坐像。宝冠がえも知れぬ独特のかたち、漆箔が
          キレイに残ってまいます。丈六坐像で平安期作。





▼観音堂東にある、東西6m、南北5.5m、高さ8.2mの巨岩。
 北面上に不動明王が彫られているそうですが発見出来ませんでした。





▼御朱印です。





ご住職の案内で本堂と数ある仏像を巡り、懇切丁寧な説明、ドがつく素人参拝者の知ったかぶり質問などに
も丁寧な応対、三十分ほどお話しさせていただきました。お寺に取ってはありがた迷惑でしょうが、参拝者
がいない時の訪問はこういうメリットがあります。           ありがとうございました。合掌。

近江の奥深さは湖水あり、平野から山麓、山間と変化に富んだ地形を持ち、あらゆる所に古刹や神社が残り
甍を競う、古来からの神信仰と神仏習合の最たる天台を中心にした仏教文化が広く深く浸透し、仏教文化の
特色がその地域の民衆性とその地域特色とが融和しながら独特の宗教観が育まれてきた、少し前から近江の
お寺(訪ねたお寺は少ないですが)を歩いていて、いかに民衆の神仏への帰依が深いか、色々お話を伺いな
がら外面的ではあるけれども感じた今回の湖南三山巡りでありました。



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