今日から10%への消費税増税が始まった。また誤った方向に國が動き、国民が苦しむ。それにも関わらずマスコミは財務省の手先となり大本営報道を繰り返すばかりだ。消費税は増税ではなくむしろ減税が必要なのだ。
消費税は景気に左右されない税だと言われる。景気が悪化して収入が減ろうとも衣食住に関する最低限の支出はしなければならないからだ。
つまりはそれが最大の問題なのだ。不景気で収入が減っているにも関わらず、最悪失業して収入なし、支出は大幅には減らせないから収入がないのに徴税される「酷税」だからだ。
消費税は景気に左右されない安定した税だから良い税制だとマスコミ、御用学者、財務省は口を揃えて言うが、とんでもない。消費税ほどの「悪税」はないのだ。
この当たり前の道理が全く報道されない。財務省の世論操作力には改めて戦慄するばかりだが、マスコミも御用学者も財務省の手先となり「おこぼれ」に預かろうと必死になっている。この上なく醜悪だ。
ビルトインスタビライザーさえマスコミも御用学者も大本の財務省も理解していないのだ。
ビルトインスタビライザーの説明は次の引用文に任せる。
~~引用ここから~~
ビルトイン・スタビライザー/景気の自動安定化装置(金融大学)
ビルトイン・スタビライザーとは、あらかじめ組み込まれた財政制度で、景気を自動的に安定させる働きをする装置のことをいいます。
ビルトイン・スタビライザーは、外生的ショック(石油価格の高騰など)を吸収し、マネーストック(世の中のお金の量)を増減させて、景気を安定化させる働きをします。これは、負の乗数効果を小さくするものです。
≪累進課税制度と社会保障制度≫
主な制度に、累進課税制度や社会保障制度があります。
累進課税制度とは、高所得になるほど税負担率が増えて、低所得になるほど税負担率が減るという制度です。一方、社会保障制度とは、病気・ケガ・高齢・失業などで収入が減ってしまった場合に、最低限度の生活を保障するという制度です。
◆好況期
好況期には、所得が増えて、失業者が減ります。
累進課税制度では、所得が増えると税収が増加し、消費や投資を抑制します。一方、社会保障制度では、失業者が減ると失業保険という社会保険給付が減ります。
これらは、マネーストック(通貨供給量)を減らして、過熱気味の景気を抑制する働きをします。
◆不況期
不況期には、所得が減って、失業者が増えます。
累進課税制度では、所得が減ると税収が減少し、消費や投資を刺激します。一方、社会保障制度では、失業者が増えると失業保険という社会保険給付が増えます。
これらは、マネーストック(通貨供給量)を増やして、不振な景気を刺激する働きをします。
~~引用ここまで~~
だが、消費税に累進課税制度はない。むしろ低所得層が負担する割合が高い「逆進性」が問題視されている税だ。
所得税や法人税ならビルトインスタビライザーが働き景気の加熱、冷え込みを自動的に緩和する。石油ショックで税収が減った際に慌てて税率の直間比率の見直しなどをする必要はなかった。不況時に税収が減るのは当然なのだ。不況時は赤字国債に頼って何の問題もなかった。
それを直間比率の見直しや「景気に左右されない安定した税」を求めて消費税を導入したら底が抜けたほど景気が悪化してどうしようもなくなってしまった。それをさらに少子高齢化による社会保障費用の財源のために消費税を増税しようとしているのが現状だ。それにより経済が破綻しなければ良いのだが。
日本の二大新聞、読売新聞と朝日新聞が消費税増税に関する社説を書いているので最後に引用する。まさに新聞、マスコミが日本の癌だとわかる。
同胞足る日本人を搾取して甘い汁を吸いたければ(ある程度賢くないとできないが)読売新聞を購読し、日本と日本人を憎悪しているなら朝日新聞を購読すると良い。
「紙」の時代は終わったから読売も朝日も急速に部数を減らしているのだが、まだまだ世論、政治に対する影響力は大きい。
毎日新聞、日経新聞、産経新聞その他地方紙も同じだ。新聞はマスコミは日本の癌細胞である。手遅れになる前に除去しなければならない。
だからできる限り購読数を減らしたいのだが、私の家が読売新聞を購読してしまっているから偉そうなことは言えないのだ。だがそれでも出来る限り不買して欲しい。日本と日本人のために。
~~引用ここから~~
消費税10% 社会保障支える重要な財源だ 2019/10/01 05:00(読売新聞)
◆軽減税率を円滑に浸透させたい◆
消費税率が5年半ぶりに引き上げられ、8%から10%になった。
社会保障制度を安定させ、財政健全化を進めるためには欠かせない増税である。得られる新たな財源を、国民の将来不安の軽減に生かさなければならない。
◆将来世代にツケ回すな
少子高齢化の進展に合わせて、社会保障費は着実に増えていく。これを支えるには、毎年安定した税収が見込める税が望ましい。
だが、法人税は、企業業績の浮き沈みによって増減する。所得税も賃金や雇用に連動するため、景気が悪化すれば大きく減る。
こうした税に比べて、消費税には税収が景気に左右されにくい特長がある。生活を維持するため、一定の消費が必要だからだ。
消費税は公平性も高い。所得税は、働く現役世代を中心に課税するのに対し、高齢者を含め商品やサービスを購入する人から幅広く徴収するためだ。
安倍内閣は、現役世代への支援を手厚くする「全世代型社会保障」の実現を主要政策に掲げている。
負担を現役世代にしわ寄せしないためにも、消費税の活用が重要である。
今回の引き上げで税収は約4・6兆円増える。このうち約2・8兆円を社会保障の充実などにあて、残りは財政再建に使う。
国の借金は1000兆円を超える。債務残高の国内総生産(GDP)比は主要国で最悪水準だ。将来世代へのツケ回しを避けるためにも、財政の立て直しは急務である。政府は消費税の重要性を丁寧に国民に説明するべきだ。
◆一段の引き上げ論じよ
民主党政権時代の3党合意で成立した社会保障と税の一体改革関連法で、消費税の段階的引き上げが決まった。2014年4月に5%から8%に、15年10月には10%になる予定だった。
安倍内閣は、14年は予定通り増税をしたが、その後は景気に配慮して2度、引き上げを先送りした。厳しい社会保障の財政事情を考えれば、ようやく税率10%にこぎ着けた意義は大きい。
増税は、国民に不人気な政策である。特に、消費税は身近な税だけに反発が起きやすい。税率の引き上げを任期中に2度も行った安倍首相の決断を評価したい。
ただ、先の参院選で、さらなる増税について「今後10年くらいは必要ない」と発言したのは残念だ。団塊世代が後期高齢者になる22年度以降、医療、介護など社会保障費の急増が見込まれている。
今後、社会保障制度の改革論議が本格化する。国民に痛みを求める給付の切り下げなどが焦点となるが、それには限界があろう。10%の先の税率引き上げに関する議論を、封印するべきではない。
景気には、しっかりと目を配りたい。前回の14年の引き上げ時には、駆け込み需要の反動減で個人消費が失速した。二の舞いは避けなければならない。
◆景気動向に目配りを
税率の引き上げ幅は前回より小さいが、油断は禁物だろう。政府は、幼児教育無償化や軽減税率などを実施する。減税や公共投資、中小店でのキャッシュレス決済を対象としたポイント還元制度などの経済対策も講じる。
施策の効果を浸透させ、円滑に乗り切ることが大切になる。
初めて導入される軽減税率は、外食や酒類を除く飲食料品と、定期購読される新聞の税率を8%に据え置くものだ。
消費税には、所得が低い人ほど負担感が大きくなる「逆進性」があるとされる。軽減税率には、生活必需品の税率を低くして痛税感を和らげる効果が期待できる。
軽減税率は世界各国で導入されている。欧州では、標準税率は20%前後だが、生活必需品は1桁の税率にとどめる国が多い。
日本でも、税率がさらに上がっていけば、軽減税率が痛税感を和らげる効果は一段と増そう。
来年6月までのポイント還元制度により、実質的な税負担が3%から10%まで、5種類も併存する点には注意が要る。消費者が戸惑い、店頭などで混乱が起きかねない。キャッシュレスに不慣れな高齢者らの不満も懸念される。
政府は、周知徹底とトラブル防止に万全を期してもらいたい。
新聞は、欧州などで軽減税率の対象となっている。民主主義や活字文化を支える公共財だとの認識が広く定着しているからだ。
日本でも、初めて新聞に軽減税率が適用される。正確な報道と責任ある言論を貫き、国民の知る権利に応えるとともに、豊かな文化の醸成に貢献していく。
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
(社説)5年半ぶり消費増税 支え合う社会の将来像描け2019年10月1日05時00分(朝日新聞)
消費税の税率が5年半ぶりに上がり、10%になった。
当初は2015年10月の予定だったが、安倍首相が2度先送りした。今回は、2%分の増税で景気の足を引っ張らないことを最優先に、国の増収分を上回る2兆円規模の対策を積んだ。
■本来の目的はどこに
キャッシュレスでの買い物への9カ月間のポイント還元策では、店によっては増税分より多い5%分のポイントをつける。子育て世帯などには、25%分のプレミアムがついた商品券も出す。防災・減災という名の公共事業も入った。
税率を上げた直後の景気が落ち込んだ過去の「反省」が大きく、対策のねらいや効果の検討は二の次となった。増収分の使い道も見直し、保育所や幼稚園の無償化などに回した。
負担増を求めながら、目先の景気や日々のくらしでのお得感を強調する。一方、首相がほとんど説明しないことがある。
なぜ増税をするのか、だ。
消費税は、年金、医療、介護と子ども・子育てに使う税金だ。こうした社会保障の給付は保険料や税金で支え、足りない分は国債という借金で埋め合わせている。今回の増税のもともとの目的には、この将来世代に対する負担の押しつけを、できるだけ減らすことがある。いまの現役世代への支援を手厚くする分、首相はここを削り、使い道の半分に抑えた。
消費税が始まった30年前、1割強だった高齢化率は、いま3割近く、団塊ジュニア世代がすべて75歳以上になる30年後は4割近くになる。社会保障の給付費は、30年前の45兆円がいまは123・7兆円。医療や介護を必要とする高齢者が増えれば、この先はさらに伸びる。
一方、制度を支える働き手となる年齢層の割合は、30年前の7割が6割に減り、30年後には5割まで落ち込む。
労働力も納税者も減る時代が迫るなか、低金利を前提とした借金頼みのままでは、だれもが人生のどこかで必ずかかわる社会保障制度は、持続可能とは言えない。将来にわたって給付と負担のバランスをとり、社会の支え合いの機能を高めていかねばならない。
■必要な再分配の視点
まず、どんな社会保障のメニューをだれにどう届けるのか。どこまでを「自助」や地域の力に頼り、国や自治体にしかできない「公助」で何を支えるのか、議論する必要がある。
同時に、どのくらいの経済成長が続けば負担増は避けられるのか、避けられないとすれば、給付を支える負担のしくみはどのような形が望ましいのか、考えることが求められる。
10%になった消費税は、国に入る税収だけで来年度は20兆円を超える見通しで、所得税と並ぶ柱だ。ただ、所得の低い人の負担感が大きい税でもある。今回、食品と定期購読の新聞の税率を8%のままにする軽減税率が初めて入ったのも、そのことへの配慮という面がある。
急増する社会保障給付などの公共サービスを続けていくには、景気の影響を受けにくく、安定した税収のある消費税は欠かせない。しかし同時に、所得や資産が少ない人への配慮、すなわち「再分配」の視点を忘れないようにするべきだ。
日本の社会は少子高齢化とともに、格差の広がりにも直面する。所得税や相続税の引き上げなど、税の再分配機能を高める改革は避けられない。新しい時代にふさわしい社会保障と税制の姿を描く議論を、急ぎたい。
■選択肢を示し議論を
「高齢化社会という新しい時代に耐える税」
30年前、創設が決まった消費税を、安倍晋太郎・自民党幹事長はこう表現した。竹下登首相は「やがて『導入してよかった』と感じていただける日が来ることを信じております」と国民に呼びかけた。
現役を終えた世代にも、消費を通じて、広く担い手となってもらう期待を込めた。
しかし、すべての消費者に目に見える形で負担を求める税だけに、国民の拒否感は強い。政治家は選挙を意識し、財政が厳しい状況にあっても、増税の話は遠ざけがちだ。
安倍首相もいま、「今後10年間くらいは消費税を上げる必要はない」と、負担増の議論を封印している。
だが、今回の10%は7年前、野党だった自民党と公明党が民主党政権へ歩み寄り、踏み出した一歩ではなかったか。当時は社会保障の姿と併せて意見を交わし、理解を得ようと国民への説明をいとわなかった。
社会保障の将来に対する国民の不安は強い。だからこそ、給付と負担の選択肢を組み合わせて議論を重ね、国民の納得感を高めたうえで、改革を進めていく責任が政治にはある。
将来へも目配りし、世代を超えて支え合う社会へ。
消費税率が10%になったからと、議論を封印している余裕はない。高齢化も少子化も、立ち止まってはくれない。
~~引用ここまで~~
消費税は景気に左右されない税だと言われる。景気が悪化して収入が減ろうとも衣食住に関する最低限の支出はしなければならないからだ。
つまりはそれが最大の問題なのだ。不景気で収入が減っているにも関わらず、最悪失業して収入なし、支出は大幅には減らせないから収入がないのに徴税される「酷税」だからだ。
消費税は景気に左右されない安定した税だから良い税制だとマスコミ、御用学者、財務省は口を揃えて言うが、とんでもない。消費税ほどの「悪税」はないのだ。
この当たり前の道理が全く報道されない。財務省の世論操作力には改めて戦慄するばかりだが、マスコミも御用学者も財務省の手先となり「おこぼれ」に預かろうと必死になっている。この上なく醜悪だ。
ビルトインスタビライザーさえマスコミも御用学者も大本の財務省も理解していないのだ。
ビルトインスタビライザーの説明は次の引用文に任せる。
~~引用ここから~~
ビルトイン・スタビライザー/景気の自動安定化装置(金融大学)
ビルトイン・スタビライザーとは、あらかじめ組み込まれた財政制度で、景気を自動的に安定させる働きをする装置のことをいいます。
ビルトイン・スタビライザーは、外生的ショック(石油価格の高騰など)を吸収し、マネーストック(世の中のお金の量)を増減させて、景気を安定化させる働きをします。これは、負の乗数効果を小さくするものです。
≪累進課税制度と社会保障制度≫
主な制度に、累進課税制度や社会保障制度があります。
累進課税制度とは、高所得になるほど税負担率が増えて、低所得になるほど税負担率が減るという制度です。一方、社会保障制度とは、病気・ケガ・高齢・失業などで収入が減ってしまった場合に、最低限度の生活を保障するという制度です。
◆好況期
好況期には、所得が増えて、失業者が減ります。
累進課税制度では、所得が増えると税収が増加し、消費や投資を抑制します。一方、社会保障制度では、失業者が減ると失業保険という社会保険給付が減ります。
これらは、マネーストック(通貨供給量)を減らして、過熱気味の景気を抑制する働きをします。
◆不況期
不況期には、所得が減って、失業者が増えます。
累進課税制度では、所得が減ると税収が減少し、消費や投資を刺激します。一方、社会保障制度では、失業者が増えると失業保険という社会保険給付が増えます。
これらは、マネーストック(通貨供給量)を増やして、不振な景気を刺激する働きをします。
~~引用ここまで~~
だが、消費税に累進課税制度はない。むしろ低所得層が負担する割合が高い「逆進性」が問題視されている税だ。
所得税や法人税ならビルトインスタビライザーが働き景気の加熱、冷え込みを自動的に緩和する。石油ショックで税収が減った際に慌てて税率の直間比率の見直しなどをする必要はなかった。不況時に税収が減るのは当然なのだ。不況時は赤字国債に頼って何の問題もなかった。
それを直間比率の見直しや「景気に左右されない安定した税」を求めて消費税を導入したら底が抜けたほど景気が悪化してどうしようもなくなってしまった。それをさらに少子高齢化による社会保障費用の財源のために消費税を増税しようとしているのが現状だ。それにより経済が破綻しなければ良いのだが。
日本の二大新聞、読売新聞と朝日新聞が消費税増税に関する社説を書いているので最後に引用する。まさに新聞、マスコミが日本の癌だとわかる。
同胞足る日本人を搾取して甘い汁を吸いたければ(ある程度賢くないとできないが)読売新聞を購読し、日本と日本人を憎悪しているなら朝日新聞を購読すると良い。
「紙」の時代は終わったから読売も朝日も急速に部数を減らしているのだが、まだまだ世論、政治に対する影響力は大きい。
毎日新聞、日経新聞、産経新聞その他地方紙も同じだ。新聞はマスコミは日本の癌細胞である。手遅れになる前に除去しなければならない。
だからできる限り購読数を減らしたいのだが、私の家が読売新聞を購読してしまっているから偉そうなことは言えないのだ。だがそれでも出来る限り不買して欲しい。日本と日本人のために。
~~引用ここから~~
消費税10% 社会保障支える重要な財源だ 2019/10/01 05:00(読売新聞)
◆軽減税率を円滑に浸透させたい◆
消費税率が5年半ぶりに引き上げられ、8%から10%になった。
社会保障制度を安定させ、財政健全化を進めるためには欠かせない増税である。得られる新たな財源を、国民の将来不安の軽減に生かさなければならない。
◆将来世代にツケ回すな
少子高齢化の進展に合わせて、社会保障費は着実に増えていく。これを支えるには、毎年安定した税収が見込める税が望ましい。
だが、法人税は、企業業績の浮き沈みによって増減する。所得税も賃金や雇用に連動するため、景気が悪化すれば大きく減る。
こうした税に比べて、消費税には税収が景気に左右されにくい特長がある。生活を維持するため、一定の消費が必要だからだ。
消費税は公平性も高い。所得税は、働く現役世代を中心に課税するのに対し、高齢者を含め商品やサービスを購入する人から幅広く徴収するためだ。
安倍内閣は、現役世代への支援を手厚くする「全世代型社会保障」の実現を主要政策に掲げている。
負担を現役世代にしわ寄せしないためにも、消費税の活用が重要である。
今回の引き上げで税収は約4・6兆円増える。このうち約2・8兆円を社会保障の充実などにあて、残りは財政再建に使う。
国の借金は1000兆円を超える。債務残高の国内総生産(GDP)比は主要国で最悪水準だ。将来世代へのツケ回しを避けるためにも、財政の立て直しは急務である。政府は消費税の重要性を丁寧に国民に説明するべきだ。
◆一段の引き上げ論じよ
民主党政権時代の3党合意で成立した社会保障と税の一体改革関連法で、消費税の段階的引き上げが決まった。2014年4月に5%から8%に、15年10月には10%になる予定だった。
安倍内閣は、14年は予定通り増税をしたが、その後は景気に配慮して2度、引き上げを先送りした。厳しい社会保障の財政事情を考えれば、ようやく税率10%にこぎ着けた意義は大きい。
増税は、国民に不人気な政策である。特に、消費税は身近な税だけに反発が起きやすい。税率の引き上げを任期中に2度も行った安倍首相の決断を評価したい。
ただ、先の参院選で、さらなる増税について「今後10年くらいは必要ない」と発言したのは残念だ。団塊世代が後期高齢者になる22年度以降、医療、介護など社会保障費の急増が見込まれている。
今後、社会保障制度の改革論議が本格化する。国民に痛みを求める給付の切り下げなどが焦点となるが、それには限界があろう。10%の先の税率引き上げに関する議論を、封印するべきではない。
景気には、しっかりと目を配りたい。前回の14年の引き上げ時には、駆け込み需要の反動減で個人消費が失速した。二の舞いは避けなければならない。
◆景気動向に目配りを
税率の引き上げ幅は前回より小さいが、油断は禁物だろう。政府は、幼児教育無償化や軽減税率などを実施する。減税や公共投資、中小店でのキャッシュレス決済を対象としたポイント還元制度などの経済対策も講じる。
施策の効果を浸透させ、円滑に乗り切ることが大切になる。
初めて導入される軽減税率は、外食や酒類を除く飲食料品と、定期購読される新聞の税率を8%に据え置くものだ。
消費税には、所得が低い人ほど負担感が大きくなる「逆進性」があるとされる。軽減税率には、生活必需品の税率を低くして痛税感を和らげる効果が期待できる。
軽減税率は世界各国で導入されている。欧州では、標準税率は20%前後だが、生活必需品は1桁の税率にとどめる国が多い。
日本でも、税率がさらに上がっていけば、軽減税率が痛税感を和らげる効果は一段と増そう。
来年6月までのポイント還元制度により、実質的な税負担が3%から10%まで、5種類も併存する点には注意が要る。消費者が戸惑い、店頭などで混乱が起きかねない。キャッシュレスに不慣れな高齢者らの不満も懸念される。
政府は、周知徹底とトラブル防止に万全を期してもらいたい。
新聞は、欧州などで軽減税率の対象となっている。民主主義や活字文化を支える公共財だとの認識が広く定着しているからだ。
日本でも、初めて新聞に軽減税率が適用される。正確な報道と責任ある言論を貫き、国民の知る権利に応えるとともに、豊かな文化の醸成に貢献していく。
~~引用ここまで~~
~~引用ここから~~
(社説)5年半ぶり消費増税 支え合う社会の将来像描け2019年10月1日05時00分(朝日新聞)
消費税の税率が5年半ぶりに上がり、10%になった。
当初は2015年10月の予定だったが、安倍首相が2度先送りした。今回は、2%分の増税で景気の足を引っ張らないことを最優先に、国の増収分を上回る2兆円規模の対策を積んだ。
■本来の目的はどこに
キャッシュレスでの買い物への9カ月間のポイント還元策では、店によっては増税分より多い5%分のポイントをつける。子育て世帯などには、25%分のプレミアムがついた商品券も出す。防災・減災という名の公共事業も入った。
税率を上げた直後の景気が落ち込んだ過去の「反省」が大きく、対策のねらいや効果の検討は二の次となった。増収分の使い道も見直し、保育所や幼稚園の無償化などに回した。
負担増を求めながら、目先の景気や日々のくらしでのお得感を強調する。一方、首相がほとんど説明しないことがある。
なぜ増税をするのか、だ。
消費税は、年金、医療、介護と子ども・子育てに使う税金だ。こうした社会保障の給付は保険料や税金で支え、足りない分は国債という借金で埋め合わせている。今回の増税のもともとの目的には、この将来世代に対する負担の押しつけを、できるだけ減らすことがある。いまの現役世代への支援を手厚くする分、首相はここを削り、使い道の半分に抑えた。
消費税が始まった30年前、1割強だった高齢化率は、いま3割近く、団塊ジュニア世代がすべて75歳以上になる30年後は4割近くになる。社会保障の給付費は、30年前の45兆円がいまは123・7兆円。医療や介護を必要とする高齢者が増えれば、この先はさらに伸びる。
一方、制度を支える働き手となる年齢層の割合は、30年前の7割が6割に減り、30年後には5割まで落ち込む。
労働力も納税者も減る時代が迫るなか、低金利を前提とした借金頼みのままでは、だれもが人生のどこかで必ずかかわる社会保障制度は、持続可能とは言えない。将来にわたって給付と負担のバランスをとり、社会の支え合いの機能を高めていかねばならない。
■必要な再分配の視点
まず、どんな社会保障のメニューをだれにどう届けるのか。どこまでを「自助」や地域の力に頼り、国や自治体にしかできない「公助」で何を支えるのか、議論する必要がある。
同時に、どのくらいの経済成長が続けば負担増は避けられるのか、避けられないとすれば、給付を支える負担のしくみはどのような形が望ましいのか、考えることが求められる。
10%になった消費税は、国に入る税収だけで来年度は20兆円を超える見通しで、所得税と並ぶ柱だ。ただ、所得の低い人の負担感が大きい税でもある。今回、食品と定期購読の新聞の税率を8%のままにする軽減税率が初めて入ったのも、そのことへの配慮という面がある。
急増する社会保障給付などの公共サービスを続けていくには、景気の影響を受けにくく、安定した税収のある消費税は欠かせない。しかし同時に、所得や資産が少ない人への配慮、すなわち「再分配」の視点を忘れないようにするべきだ。
日本の社会は少子高齢化とともに、格差の広がりにも直面する。所得税や相続税の引き上げなど、税の再分配機能を高める改革は避けられない。新しい時代にふさわしい社会保障と税制の姿を描く議論を、急ぎたい。
■選択肢を示し議論を
「高齢化社会という新しい時代に耐える税」
30年前、創設が決まった消費税を、安倍晋太郎・自民党幹事長はこう表現した。竹下登首相は「やがて『導入してよかった』と感じていただける日が来ることを信じております」と国民に呼びかけた。
現役を終えた世代にも、消費を通じて、広く担い手となってもらう期待を込めた。
しかし、すべての消費者に目に見える形で負担を求める税だけに、国民の拒否感は強い。政治家は選挙を意識し、財政が厳しい状況にあっても、増税の話は遠ざけがちだ。
安倍首相もいま、「今後10年間くらいは消費税を上げる必要はない」と、負担増の議論を封印している。
だが、今回の10%は7年前、野党だった自民党と公明党が民主党政権へ歩み寄り、踏み出した一歩ではなかったか。当時は社会保障の姿と併せて意見を交わし、理解を得ようと国民への説明をいとわなかった。
社会保障の将来に対する国民の不安は強い。だからこそ、給付と負担の選択肢を組み合わせて議論を重ね、国民の納得感を高めたうえで、改革を進めていく責任が政治にはある。
将来へも目配りし、世代を超えて支え合う社会へ。
消費税率が10%になったからと、議論を封印している余裕はない。高齢化も少子化も、立ち止まってはくれない。
~~引用ここまで~~
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