ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

ウクライナ危機

2022-03-09 19:03:42 | 様々な話題
↑GIF画像は2009年に連載した「ムルマンスク⇔ハリコフ 2776kmの旅」の中で紹介した自由広場、シェフチェンコ名称庭園、動物園

  ここ最近、期末考査対応と年度末書類作成とイベント対応で超多忙なので、ご無沙汰していました。溜まってたオーロラ出現報告を先に公開しましたが、この立て込んでいるときに「ロシアによるウクライナへの侵攻」ニュースが飛び込み、愕然としております。


  筆者は10年位前に2度程、ハリコフ市(ハルキウ市)を訪れたことがあります。日本のガイドブックではウクライナ東部はほとんど紹介されてないため、情報が少ないみたいですね。その時の旅行記を弊ブログの「ムルマンスク⇔ハリコフ 2776kmの旅」コーナーで紹介しましたが、今でもネット上に数少ないウクライナ東部情報みたいです。当時は、街中ではウクライナ語表示だったけど、皆ロシア語で話していて、落ち着いた良い都市でした。今は爆撃でボロボロの壊滅状態に。

  また、ハリコフ市から少し東方のスワトワという鄙びた町にも行ったことがあります。こちらもその時の旅行記を弊ブログの「ハリコフ⇔スワトワ 178kmの旅」コーナーで紹介しました。中心地は官公庁や、市場、学校、工場などがありますが、少し外れると、果てしなく広がる小麦畑、そしてひまわり畑が続き、あちこちにダーチャとよばれる別荘があり、のんびりとしていました。今は両軍対峙し、店が閉店。退避できなく食料に困窮したお年寄りらが立ち往生しているそうです。

  ウクライナは伝統的に欧州系住民、ロシア系住民などが入り混じった国。ウクライナの公用語は勿論ウクライナ語ですが、東部では伝統的にロシア語を使い、西部ではロシア語を話すと厭われたりします。TOPに誰が立つかで情勢が危うく変化しやすいです。

  2014年のウクライナ内戦では、親ロシア派の大統領が立ち、これに反対した西側の反ロシア派がクーデターを起こし、東部に進みました。そしてハリコフの歴史的建造物を破壊し、現状維持を願うハリコフ州民と対峙。特にロシア色の強いドネツク州とルガンスク州は強く抗い、今年2月まで国際社会に承認されない「自称」ドネツク共和国とルガンスク共和国が続いていました。

  2014年のクーデターが起きるまで、よくまあこれで1つの国に治まっているよなあ、と正直思ってはいました。確か当時大前研一氏が「ウクライナは最終的に4つの国に分割されるだろう」という奇想天外な記事を寄稿していたのを、ネットニュースで見た記憶があります。今こうしてみれば、4つでは無いにしても、国家2分割(親ロシア政権と亡命政権)というのは、現実味を帯びてはきています。

  武力による解決は、いいとは思いません。このような多様性があるお国柄を国民各々が静かに認め、もっと中立的平和的解決ができなかったのか。そう思うと悔しくてなりません。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (cachaca)
2022-03-11 15:59:07
初めてコメントします。
とても参考になるお話でした。
大前氏は当時そんなことを書いておられたのですか。
私は氏の「ニュースの視点」配信を受けており、ちょうど今日最新配信がありました。
その記事の最後は下記のように締めくくられており、私は少し失望しました:(以下、引用)
この問題は
「なぜそもそも
こういう事態を招いたのか」という部分と、
「ロシア侵攻が始まってから
約2週間で何が起こったのか」という部分を
切り離して考えるべきだと私は思います。

そして今、
ロシアは世界から
非常に厳しい批判の目が
向けられています (引用ここまで)

まだ氏のHPには最新記事が掲載されてないようです。
https://www.lt-empower.com/ohmae_blog/
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。