くはしめと なればおのれは なにもせず ひとにたよりて いきむとはする
*偽物の美人の本音をついた作品ですね。だいたい偽物はこういうことを考えています。
きれいになれば、男がなんでもやってくれると。自分はたいして苦労もせず、安穏に生きていけると。
男を馬鹿にしながら、男に全部頼って生きようとする。自分では何もしようとしない。贅沢をさせてくれるいい男を捕まえるために、人から盗んだ美貌をこれでもかときれいに演出する。
それが実に汚いので、偽物の美人はとてもいやなものになる。形は愛のふりをして、まるで愛ではないいやなことばかりやるからです。
偽物の美人というのは、大昔からそういうことばかりやってきて、人間の地道な修業というのを全然やってこなかったのです。自分を少しおかめにして、人の下になって人のために尽くす修業をはしため修行といいますが、そういうことをいやがって全然やってこなかったのです。
それがために、彼女らはいまだに、人の心というものがわかりません。人の気持ちをわかることができません。自分の心しかわからない。だから自分のわがままが通そうと、人にいやなことばかりする。
美貌で男を支配して、いやなことばかりやらせようとする。
そんな馬鹿な女ばかりが盗みで美人になってきたので、美人というものは馬鹿なものだという間違った常識ができてしまったのです。
偽物の美人は存在しているだけで、愛がいやなことをしているという嘘を世界中に吹きまくることになるのです。
この世界はすべて愛でできているのに。すべてを何とかするために、愛は絶え間ない努力を永遠に続けているのに。
偽物の美人というものは、その愛に対するあまりにもひどい侮辱なのです。