7月に陶磁器の里「瀬戸」を訪ねました。帰路は信州を目指して瀬戸から猿投トンネルをぬけて力石、足助、稲武、根羽、平谷と車を走らせました。足助の町へは本当は近世の塩の道の始発点ともいえる巴川舟運の終点舟港「平古」があった九久平、松平から足助へと行きたかったのですが時間の関係で省略しました。
現在の153号線、近世の一大経済流通ルートは伊那側からは三州街道、伊勢街道、三河側からは飯田街道、伊那街道と呼ばれ(この手の呼び方は自分の側から目的地を指します。パリのリヨン駅も然りです)舟運の利がない信州路へのルートとして隆盛を極めたようです。足助の町はこの街道の最初の宿です。現在の長距離トラックに当たる中馬のターミナル、物流商品の一大集積場として問屋街がひしめいていた事をしのばせる街です。「さて足助の街を後に伊勢神峠へと」と話を続けたいところですが、今日は1冊の本を紹介したいと思います。
『馬宿』(南信州新聞社).。かつての三州街道の流通の主役中馬の馬氏と彼らの泊まった宿を書いた本です。
この本の著者都筑方冶氏とのツキアイは長く(彼とは一緒に山に登ったし、嫁さんと一緒になった時も、子供の出産の時も、家を新築した時もつき合ったのですが、不思議にお祝いを差しあげた記憶がありません。ゴメンナサイ)何でこんなに長くと思うほどです。思うにおカネのツキアイが無かったせいでしょうか。
さてこの本は「中馬」と「馬方」と,その泊る宿「馬宿」(今で言うとドライバーズホテルです)と,活躍したバックグラウンド(奥三河から南信濃、伊那から諏訪、甲州街道筋、筑摩、安曇、佐久、中山道に及びます)の話です。中心は建築事務所のアタマでもある彼の得意分野の建造物「馬宿」です。長年のフィールドワーク(その大半は奥さんの功績でしょう)で現存する古い馬宿や古文書を探し歩き、構造図、平面図、断面図まで再生してしています。随所にエピソードも散りばめ歴史書としても読み物としても読み応えのあるもになっています。ページの随所に農民(百姓衆)に対するアツい眼差しが感じられるのは彼の実家が百姓だからでしょう。
難を言えば文章、表記が古いことです。と思えば難解なカタカナ語も出てきます。稿を脱する前に中学生にでも読めるものをと私も注文をつけましたが、そうできなかったのは彼の美学だったからでしょうか。
とは言っても近世の信濃路を駆け抜けた「馬士」(あえて彼は馬方をこう呼んでいる)と「街道」を知るうえで貴重な歴史書ではないでしょうか。この手の本はほとんど無いのです。「歴史と街道」マニアにお薦めです。
三州街道、伊那谷などの本で私が良いと思った本は
宮本常一「塩の道」講談社
小山和「古道紀行 塩の道」保育社
布施他人夫、飯沢匡、後藤総一郎「信州かくれ里 伊那谷を行く」新潮社
現在の153号線、近世の一大経済流通ルートは伊那側からは三州街道、伊勢街道、三河側からは飯田街道、伊那街道と呼ばれ(この手の呼び方は自分の側から目的地を指します。パリのリヨン駅も然りです)舟運の利がない信州路へのルートとして隆盛を極めたようです。足助の町はこの街道の最初の宿です。現在の長距離トラックに当たる中馬のターミナル、物流商品の一大集積場として問屋街がひしめいていた事をしのばせる街です。「さて足助の街を後に伊勢神峠へと」と話を続けたいところですが、今日は1冊の本を紹介したいと思います。
『馬宿』(南信州新聞社).。かつての三州街道の流通の主役中馬の馬氏と彼らの泊まった宿を書いた本です。
この本の著者都筑方冶氏とのツキアイは長く(彼とは一緒に山に登ったし、嫁さんと一緒になった時も、子供の出産の時も、家を新築した時もつき合ったのですが、不思議にお祝いを差しあげた記憶がありません。ゴメンナサイ)何でこんなに長くと思うほどです。思うにおカネのツキアイが無かったせいでしょうか。
さてこの本は「中馬」と「馬方」と,その泊る宿「馬宿」(今で言うとドライバーズホテルです)と,活躍したバックグラウンド(奥三河から南信濃、伊那から諏訪、甲州街道筋、筑摩、安曇、佐久、中山道に及びます)の話です。中心は建築事務所のアタマでもある彼の得意分野の建造物「馬宿」です。長年のフィールドワーク(その大半は奥さんの功績でしょう)で現存する古い馬宿や古文書を探し歩き、構造図、平面図、断面図まで再生してしています。随所にエピソードも散りばめ歴史書としても読み物としても読み応えのあるもになっています。ページの随所に農民(百姓衆)に対するアツい眼差しが感じられるのは彼の実家が百姓だからでしょう。
難を言えば文章、表記が古いことです。と思えば難解なカタカナ語も出てきます。稿を脱する前に中学生にでも読めるものをと私も注文をつけましたが、そうできなかったのは彼の美学だったからでしょうか。
とは言っても近世の信濃路を駆け抜けた「馬士」(あえて彼は馬方をこう呼んでいる)と「街道」を知るうえで貴重な歴史書ではないでしょうか。この手の本はほとんど無いのです。「歴史と街道」マニアにお薦めです。
三州街道、伊那谷などの本で私が良いと思った本は
宮本常一「塩の道」講談社
小山和「古道紀行 塩の道」保育社
布施他人夫、飯沢匡、後藤総一郎「信州かくれ里 伊那谷を行く」新潮社
※コメント欄オープンしています。
・URL無記入のコメントは削除します。
・URL無記入のコメントは削除します。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます