比企の丘

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今日は何の日・・・71年前の4月7日・・・大日本帝國海軍・・・戦艦大和の最後

2016-04-07 | 語り継ぐ責任 あの戦争
今から71年前の1945年の4月7日、あの戦争で世界最大の不沈戦艦といわれた大日本帝國海軍の戦艦「大和」が鹿児島県薩摩半島の南端の坊の岬から南400kmの海域で米海空軍の機動隊にメッタ打ちにあい沈没した日です。

いま、戦後最大の戦争文学といわれる
吉田満著「戦艦大和の最後」(講談社文芸文庫 1994年刊)
を読んでいます。戦後最大の戦争文学といったのは一部の人ですが、なぜそういったのか自分の目で確認したかったのです。

著者の吉田満さん(1923~1979年) は東京大学から1943年学徒動員(20歳)、1944年海軍電測学校から戦艦大和の副電測士(少尉)として乗艦。1945年戦艦大和の天一号作戦に参戦、奇跡的に生き残った人。敗戦後の1945年秋、両親の疎開していた東京都西多摩の吉野村(現青梅市)で作家吉川英治と会う機会があり、体験を綴ることを勧められたといいいます。ほぼ1日で書かれた文語体の初稿は1946年12月雑誌「創元」に掲載される予定でしたがGHQ(敗戦国日本で占領政策を実施した連合軍最高司令官総司令部)の検閲で全文削除の命令を受けます。1949年(銀座出版社の雑誌)にかなり改変されて著者に不本意な形で文語体で掲載され、ようやく創元社から口語体で書かれた初稿が加筆修正されて出版されたのは講和条約が発効したあとの1952年です。


「桜、桜」ト叫ブ声・・・桜、内地ノ桜ヨ、サヨウナラ。    俺ト結バレタア奴ノ仕合セハモウ終ッタ、俺ハコレカラ死ニニ行ク。     
  
進歩ノナイ者ハ決シ勝タナイ。負ケテ目ザメルコトガ最上ノ道ダ・・・ 

ホトバシル鮮血二・・・    撒キ散ラサレタル肉片ハ・・・

徳之島ノ北西二百哩ノ洋上、「大和」轟沈シテ巨体四裂ス、水深四百三十米
今ナオ埋没スル三千ノ骸、彼ヲ終焉ノ胸中果シテ如何。

この本は「戦争を肯定するものでもなく否定するものでもなく」・・・「勇ましく軍国主義を讃える内容でもなく非戦を訴える内容でもなく」・・・純粋な若ものが「大和」の中であったことを自分の経験した範囲で記述しているだけです。敗戦数ヶ月後に書かれているためあとづけのイデオロギーがなく若き学徒海軍士官の「時代の証言」です。そこには人間と人間の殺し合いがリアルに描かれています。

☆あの戦争を生きた人の修辞なき証言を、日本という国を考えるうえでの資料として若ものにぜひ読んでもらいたい本です。


2012年こんな本を読みました。
吉田満著「戦艦大和のさいご」(偕成社1964年刊)
読んだ本は児童書としてリライトされたものですから読みやすいです。長い物語でもありません。

戦艦大和について・・・
1937年起工(太平洋戦争の4年前)。
1942年進水。
1945年4月7日未明、山口県徳山沖より豊後水道を通って天一作戦実行のため沖縄方面に向かいます。
1945年4月7日12時34分 米軍の艦載機が鹿児島県薩摩半島の南端の坊の岬から南400kmの海域で嵐のように襲いかかってきます。
1945年4月7日鹿児島県坊の岬沖で14時23分沈没・・・戦死者2740名 生存者269名(276名とも)。巡洋艦、駆逐艦など合わせて戦死者3700名。
総工費1億3700万円(現代の換算として東海道新幹線建設費に例えられる)
長さ263m、総t数64000t(日本最大の客船「飛鳥Ⅱ」は50000t)

世界ノ三馬鹿。無用ノ長物ノ見本ー万里ノ長城、ピラミッド、大和」ナル雑言、「少佐以上銃殺、海軍ヲ救ウノ道コノホカ二ナシ」ナル暴言ヲ、艦内二喚キ合ウモ憚ルコトナシ。


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2 コメント

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時代の証言 (こきおばさんへ・・・ヒキノ)
2016-04-11 23:34:16
生身の人間がその時代に生きて、ありのままの気持ちを書いています。
政府も言論人も教育者もその思想を180℃反転して平和一本やりの時代に、その思想が文章に書きこまれていないことを批判されたようです。
よく読んでみれば、右翼でも左翼でもなく、内容は、許嫁のことを思う若き士官や、故郷にすべての私品を送った中年の海兵の話し、戦争について議論し合う青年士官たちのこと、感情を入れずに書いています。
戦後70年経っていまでも版を重ねている出版物であるということは、それなりに価値があります。
戦後最大の戦争文学であるといった人の中に澤地久枝さんが入っています。

紹介してくれてありがとうございます。
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戦争 (こきおばさん)
2016-04-09 06:58:20
この記事をツイーとさせていただきました。
若い人に「戦争」と言うものの真実を知ってもらうために、読んで頂きたいと思います。
書いてくださり有難うございました。
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