比企の丘

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8月15日といえば・・・今日は終戦記念日?

2010-08-15 | 語り継ぐ責任 あの戦争
新聞・テレビではこの日を「今日は終戦記念日」と報道しています。

正しくは「終戦の日」ではない・・・ほんとうの「終戦の日」は9月2日東京湾に停泊する戦艦ミズーリ号の甲板上で降伏文書に正式調印した日です。
つまり・・・8月15日はポツダム宣言の降伏勧告受諾を自国民に宣言した日(受託通告は14日)・・・マイッタ・・・ギブアップ!・・・と叫んだ日です。
さらに正しく言えば「敗戦の日」です。
「終戦」か「敗戦」か・・・「敗戦」というとミジメな気持ちになります。言いたくないですね。
  
太平洋戦争収束内閣鈴木貫太郎総理大臣のあとを受けて8月17日敗戦処理の内閣総理大臣になった東久邇宮稔彦王(当時皇族)は9月2日の降伏調印のあと国民に向けて戦争終結のメッセージを送っていますがその演説草稿の中で「敗戦」という文字を使い、軍関係者から「終戦」にしてほしいとクレームをつけられ、

何を言うか、敗戦じゃないか。敗戦ということを理解するところからすべてが始まるんだ
と一渇したそうです。

東久邇宮稔彦総理大臣のくだりは下記の本から。
保坂正康著「あの戦争は何だったのか」(新潮新書2005刊)

《蛇足1》東久邇稔彦・・・元皇族。明治天皇の皇女と結婚。つまり大正天皇の義弟、昭和天皇の義叔父。敗戦後の軍の武装解除を行い、選挙法の改正、総選挙の実施の展望を示した。敗戦間際の首相に宮家を持ってきたことはあるていどは成功して評価されています。政治犯の釈放、言論、集会の自由などはGHQと旧内務省の板ばさみになり54日で総辞職。9月4日国会の施政方針演説での「一億総懺悔論」が有名。正論ではあるが過去の国家首脳部の責任をあいまいなものにするものといわれた。変わり者だったらしいが上記のエピソードは筋が通っています。

《蛇足2》終戦とは国際法上、当事者間で戦争状態が終結した日をいい講和条約が締結した日をいうが20世紀になると降伏調印が行われた日をいうようになった。ただ終戦というのは第三者から見た事象であって当事者間は勝ち負けがあり、太平洋戦争ではアメリカ、フランス、カナダ、ロシアでは9月2日を戦勝記念日に(イギリスは8月15日)、中華人民共和国では9月3日を抗日戦勝記念日、韓国では8月15日を光復節、北朝鮮では8月15日を解放記念日にしている。


国際法上はともかく外国の扱いはともかく天皇の玉音放送のあった8月15日は日本人にとって忘れられない日でしょう。「終戦か敗戦か」・・・これは東久邇さんの言葉を取ったほうが正しいでしょうね。歴史に学ばない民族はまたおなじ過ちを犯します。

                      、


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
終戦 (縄文人)
2010-08-15 08:36:44
敗戦の日、終戦の日、終戦記念日
とにかく戦争のない世の中でありますように

http://www.youtube.com/watch?v=1XMja7jwtV4
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敗戦 (こきおばさん)
2010-08-15 10:05:08
惨めに思えても、やはり「敗戦」だと私も思っています。多くの犠牲者を出したことを承知で言わせていただけば、日本は負けて正解だったと思います。
洗脳された日本人が、もしあの戦争に勝っていたら、日本人は非人道的なことを世界中で展開していたと思われるからです。
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Unknown (あざみ)
2010-08-15 13:39:07
敗戦しても まだ 軍は存在して 
終戦にしてほしい・・・・まったくう・・です

ますます 軍人が嫌いに・・・
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8月は1億総懺悔の月 (縄文人さんへ・・ヒキノ)
2010-08-17 23:03:00
ヤルタ会談、ポツダム会談、ポツダム宣言、ポツダム宣言無視、広島・長崎原爆、ソ連参戦,ポツダム宣言受諾国民に発表。
長い1ヶ月でした。
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やっぱり敗戦なんでしょうね (こきおばさんへ・・・ヒキノ)
2010-08-17 23:09:32
勝った国があるから、負けた国もあるのです。
結果的には、アジア諸国デ独立運動が起こります。結果論です。独立戦争に参加した日本兵も大勢います。遺族年金もなく消えました。
結果論ですが小作開放が行われました。アメリカの財閥解体、地主層解体の政策だったのでしょうね。
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東久邇さんという首相は (あざみさんへ・・・ヒキノ)
2010-08-17 23:14:26
皇族でしたから軍を抑えられたんでしょうね。
明治天皇の娘を貰ったから皇族になれたのですが、個人的には留学中に女を作ったなかなか面白い人だったらしい。
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