早朝から洗濯物を畳むなどの家事を始め、
子どもたちの食事の世話をして保育園に送り届けます。
急いで職場に向かい、時短勤務のため早めに帰宅。
洗濯などに追われて、子どもたちが寝てから
食器の片付けなどで就寝は午後11時頃です
─これは職を持った主婦の話ではない。
3人の子どもがいる40代の公務員男性なのだ。
そんな新聞記事を読み、
つくづく「時代は変わった。家庭における男性も大変な時代になったのだな」
と実感するのである。この話にはさらに続きがある。
子どもたちの世話と家事に追われ、
心身とも休まらずストレスで暴飲暴食しては吐いてしまいます。
体重は10㌔以上も減りました。
仕事ではミスを指摘されてばかり。
頑張っても報われず、周囲に迷惑をかける自分に嫌気がさします。
まさに八方ふさがりの状況で、挙句、精神科に通院することになりました。
というのである。そして、
「妻の幸せが自分の幸せと妻の希望を受け入れ、
子どもを3人もうけた結果、妻は幸せそうなのに自分は今苦しんでいます」と続く。
それぞれの家庭には、それぞれの事情があるから
他人が軽々に踏み込むべきではない、そう前置きして、
この話を読んでもう一つ気になるのは、
奥さんはどうされているのだろうかということである。
「妻の幸せが自分の幸せ」とまで言われるご主人が、
精神科に通うほど苦しんでいるのに、
まさか知らぬ顔をしているはずはないと思うのだが…。
さて、現実にこのような家庭があることを知った
若い人たちはどう考えるだろうか。
結婚─出産をためらう若者が増え、少子化に歯止めがかからないばかりか、
さらに進んでいくのではないかと心配になってくる。
国は「子ども・子育て支援策」を進めている。
それは『次世代の社会を担うこども一人ひとりの育ちを
社会全体で応援するため、子育てにかかる経済的負担の軽減や
安心して子育てができる環境整備のための施策など、
総合的な子ども・子育て支援を推進する』としている。
確かに福岡市の広報誌を見ても『子育て支援員研修』『居宅型保育基礎研修』
あるいは『こども育成調査アドバイザー』などの記事があるから、
国の施策に沿って各自治体それぞれの支援策があるのは確かなのだろう。
国の施策は、つまるところ少子化に歯止めをかけ
人口減少を防ぐことなのであろうが、
皮肉なことに昨年の出生率は1・26、過去最低だった。
さる大学学長が、前出の記事のご主人に
新聞紙上でこんなアドバイスをされている。
「解決策としては全てを一人で抱え込まないこと。
夫婦で分担する、周囲の助けを借りる、地域の子育て支援を利用する、
便利なサービスや商品で家事を省力化する、などが基本です」とする。
このアドバイスは、「子育ては夫婦で分担する」ことは言うまでもなく、
加えて行政によるいろいろな支援策が必要
だということを言っているのであろう。
国の施策が広く周知・機能し、
結婚─出産・子育てをしてくれる若者が増えてくれるのを願うばかりだ。