信濃毎日新聞に、時々、「外・宝・人」という小さなコラムがある。日本に、語学教員として、数年間、地方都市に、小中学校で、英語を教え、その後、帰国した若い外国人から、その時の印象や体験を、フォローするというコラムである。そこに、共通するものは、地方都市の自然の豊かさや、子供達の素朴さ、住民達の暖かさや、日本語を話せる外人教師に対する尊敬と親しみ、英語に対する学究の意欲など、私達が、余り、気づかされることがなかった小さな事柄が、改めて、見直されていて、日本人として、改めて、考えさせられるものがある。何気ない暮らしの中の自然、隣人へのもてなし、暮らしの環境など、自分では、なかなか気づくことのなかった素晴らしいものを、再確認させてくれる。又、若い外国人教師にとっても、こうした日本での貴重な体験は、その帰国後の生活や、ものの見方にも、大きな影響を及ぼしていることが、その文章からも感じられる。明治期のお雇い外国人教師等に代表される青少年への影響を挙げるまでもなく、こうした「草の根の交流」の相互影響が、やがて、長い時間を経て、「大きな芽」に育つことを大いに、期待したいところである。