【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

オリンピック会場で飲酒の“検討”

2021-06-23 06:57:43 | Weblog

 「2万人入れる」「スポンサー関係者は『別枠』」「会場で飲酒できるかどうか検討」なんてことを“オリンピックのエラい人”たちが言っています。なんだかもやもやしたいやんな気分です。「別枠」って、ウイルスが「この人たちは別枠扱いね」と言ってくれる? 市中では「飲むな」「声を出すな」と言われているのに、五輪会場は別天地? 東京オリンピック2020のゴールドパートナーがアサヒビールで会場で出されるアルコールもアサヒビールのはずだから、このもやもやした気分をなんとか晴らすために「もうアサヒビールは飲まない」という決心でもするしかないですかね。あ、私は下戸だから、最初からアサヒビールは飲んでいなかった。

【ただいま読書中】『研究不正と歪んだ科学 ──STAP細胞事件を超えて』榎木英介 編著、 日本評論社、2019年、2300円(税別)

 「STAP細胞」が華々しく発表されたときの大騒ぎを私はまだ覚えていますが、マスコミが「白衣ではなくて割烹着」などと大々的に報道している姿に、「マスコミは『科学報道』ができないのか」と違和感も覚えましたっけ。そして、世界各地での追試がすべて失敗、研究不正の噂が囁かれていた頃、理研は「検証実験」に熱中していました。ただし、「検証」(STAP細胞が実在するかどうか)と「研究不正」とは別の問題です。たとえ細胞が実在したとしても、それが不正な研究によるものではいけないのです。
 本書では、「STAP細胞事件」にだけフォーカスして「特異な人たちによって引き起こされた特異な事件」と矮小化するのではなく、実際の科学の現場で実験がどのように行われているか、論文はどのように書かれているか、その真実性をどのように保証する制度があるのか、論文の査読はどのように行われているか、“不祥事”が起きたときその研究所などで検証と再発予防がどのように行われるか、マスコミ報道はどのように行われるか、など「事件の一般性」をあぶり出すことによって「STAP細胞事件」が“非特異的”なものである(今までもあったしこれからもあるであろう)ことを明らかにしています。「これからもある」というのは、あまり聞きたくない予想なんですけどね。