ちょっと日数を計算をする必要があったのですが、今日11月30日の「三ヶ月後」って、いつでしょう? 来年の2月末日? だけど11月28日の三ヶ月後も2月28日です。もちろん11月29日のも。3つの異なる日付の「三ヶ月後」が全部同じ日になっちゃって、良いんですかねえ。さらに言うと来年2月28日は日曜です。営業的にいろいろ問題が出てきたら、どうしましょう。
【ただいま読書中】『百億の昼と千億の夜』光瀬龍 原作、 萩尾望都 作、 秋田文庫、1994年(2009年38刷)、705円(税別)
昨日の読書日記『百億の昼と千億の夜』の漫画です。
よくまあこんな難しい作品を漫画にしようと思ったものだ、と思っていたら、本書の解説を書いている山本真巳さんも独自に漫画化を試みた経験を持っている(で、8割がたできたところで萩尾さんの連載の話を聞いてショックを受けた)、とのこと。
プラトンのところはほとんど原作の通りです。パラボラアンテナがもろに絵で見えてしまったり、長老のかわりに長老の娘が登場したり、といった違いがある程度。
阿修羅も少女です。この「少女としての阿修羅」は、光瀬さんの“手柄”ではないかと私は感じます。連載時に読んだ私の記憶では、もっとはかない感じの少女でしたが、改めてみると儚さだけではなくてけっこう力強い存在に描かれています。
ナザレのイエスのところはちょっと変更が加えられています。原作ではローマ総督の側に立っていたユダが、ずいぶん若くなってキリストの弟子になっているのです。ユダがどちらについていても良いのですが、個人的にはユダはイエスよりも年上だと思っているので、その描写にはちょいと違和感を感じました。ただ、原作にはなかった「ユダの再登場」があるので、そちらには満足です。というか、光瀬龍さんは、登場したキャラをあっさり退場させてしまいますが(原作でも、シッタータとおりおなえは最後の最後であっさり退場です)、これはあまりにもったいない、と感じられるので、こうしてユダが再登場してくれるとこちらは「収まりがついた」と感じることができるのです。光瀬さんの作品の魅力の「不安定性」は損なわれますけれどね。
「我々の生命や文明や、いや、存在そのものに、滅びがあらかじめ運命づけられているのだとしたら、ではそこで我々はどうするのか」という重たい問いに、本書はそのラストを「出発」とすることで答えます。「善哉」と私は呟きます。「善哉」と。
一気に読んでしまって、その勢いで同じ日に再読もしてしまいました。原作の方ももう一回読んでみようと思っています。いやあ、こんなすごい作品に出会えたのは、人生の幸福だとつくづく思います。
【ただいま読書中】『百億の昼と千億の夜』光瀬龍 原作、 萩尾望都 作、 秋田文庫、1994年(2009年38刷)、705円(税別)
昨日の読書日記『百億の昼と千億の夜』の漫画です。
よくまあこんな難しい作品を漫画にしようと思ったものだ、と思っていたら、本書の解説を書いている山本真巳さんも独自に漫画化を試みた経験を持っている(で、8割がたできたところで萩尾さんの連載の話を聞いてショックを受けた)、とのこと。
プラトンのところはほとんど原作の通りです。パラボラアンテナがもろに絵で見えてしまったり、長老のかわりに長老の娘が登場したり、といった違いがある程度。
阿修羅も少女です。この「少女としての阿修羅」は、光瀬さんの“手柄”ではないかと私は感じます。連載時に読んだ私の記憶では、もっとはかない感じの少女でしたが、改めてみると儚さだけではなくてけっこう力強い存在に描かれています。
ナザレのイエスのところはちょっと変更が加えられています。原作ではローマ総督の側に立っていたユダが、ずいぶん若くなってキリストの弟子になっているのです。ユダがどちらについていても良いのですが、個人的にはユダはイエスよりも年上だと思っているので、その描写にはちょいと違和感を感じました。ただ、原作にはなかった「ユダの再登場」があるので、そちらには満足です。というか、光瀬龍さんは、登場したキャラをあっさり退場させてしまいますが(原作でも、シッタータとおりおなえは最後の最後であっさり退場です)、これはあまりにもったいない、と感じられるので、こうしてユダが再登場してくれるとこちらは「収まりがついた」と感じることができるのです。光瀬さんの作品の魅力の「不安定性」は損なわれますけれどね。
「我々の生命や文明や、いや、存在そのものに、滅びがあらかじめ運命づけられているのだとしたら、ではそこで我々はどうするのか」という重たい問いに、本書はそのラストを「出発」とすることで答えます。「善哉」と私は呟きます。「善哉」と。
一気に読んでしまって、その勢いで同じ日に再読もしてしまいました。原作の方ももう一回読んでみようと思っています。いやあ、こんなすごい作品に出会えたのは、人生の幸福だとつくづく思います。