「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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“緊急速報”ドライベント検討。大気中に100倍の放射能も。

2011-03-25 16:57:57 | 福島第一原発と放射能

申し訳ありませんが、情報ソースは明かすことはできません。勿論、当局者です。

現在の作業がうまく行かない場合、近日中にドライベントをおこなう可能性を示唆されました。

関東は数日、好天で雨が降らない可能性が強いこともあります。

破局をむかえるよりは、もちろん、よい方策ではありますが、

結果的には大気中に最大で100倍程度の放射能が出る可能性があるともいわれました。

圧力がここまでになり続けている以上、やるしかないでしょうが、僕の知り合いの福島原発に過去に携わった技術者は、容器などの破損などがおこるまでにやった方がよかったとはいっていました。少し遅すぎると。

周囲100キロの退避は、かなり現実味をおびてきていると僕は感じています。

もちろん、ドライベントはこちらが意図しておこなうことですから、

風向きなども最大限配慮しておこなうとは思います。全て計算どおりにはいかないとしても。

とりあえず重要な情報なので、速報としてお伝えしておきます。

 

この記事も木下黄太が書いています。とにかく個人として、ジャーナリストとしてぎりぎりの感覚で書いています。お話がある方は、メールに電話番号をいただければ、こちらから折り返しいたします。

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ドライベント

英語:dry vent

原子炉圧力容器から放射性物質外部排出する際に、水を通さないで排出すること。

通常原子炉内で発生した放射性物質は、水を通して外部排出される。これにより、放射性物質の量が減るとされる

ドライベントでは、通常排出方法よりも多い放射性物質外部排出される。

現時点での僕の提言

2011-03-25 13:49:48 | 福島第一原発と放射能

原発から20~30キロ圏内の自主避難呼びかけ 枝野氏(朝日新聞) - goo ニュース

僕は、いまだに、自主退避という言い訳を続けている政府の考えを承服できません。このようなずるずるとした判断の遅れが大きな致命傷となります。きちんと、国民の安全を考えて、即時に判断し、政治主導で思い切った判断をするべきです。それが政治です。放射能は漏れ続けています。四十キロエリアでも高い放射能は出ています。政府には一刻の猶予もなりません。

以下は、現時点での僕の考えの提言です。

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現況の放射線量で、一定期間このままの状況が続くと仮定して、まず周辺半径40キロのエリアでも、外部に居続けた場合という特異な想定ではあるりますが、積算線量が100ミリシーベルトを超える被曝の可能性が出たことがポイントです。
 積算線量というのは、公衆被曝という考え方であれば、本来年間1ミリシーベルトを越えるべきではありません。  ICRPP2007による公衆被爆は年間1ミリシーベルトがラインです。もう少し、幅を持たせて考えてみても、、放射線関連の業務従事者というレベルで、被曝線量がどこまで許されるのかは、妊婦ではない、妊娠可能な女性という場合でも、三ヶ月間につき五ミリシーベルトを超えないようにするのが法的な枠。とすれば、積算線量で五ミリシーベルトは一般人に許容させていい本当の限界(勿論望ましくはない)。大きく悪化もしない変わりに、現在の状況が大きく好転しない想定で、屋外に居続ける想定で、発生からの積算線量が、発生から一ヶ月間を経過した時点で(現在二週間経過)、五ミリシーベルトを越える範囲は退避させるべき。既に100ミリシーベルトを越えている地点(四十キロエリア)などは当然のことです。近隣県ではそのレベルはないと思います。とすれば、福島県内の福島第一原発の半径五十キロは現時点のみの情報でも、全面退避を判断するべきだと思います。ある専門医も「 小児の甲状腺がんが将来的に出てくる可能性は十分に考えられるレベルの数値」とのことです。現況がそうなのです。この判断を誤ると、将来、政府が判断が遅れたため、子供がガンになったとして、国が訴えられる可能性も出てきます。国の判断ミスが問われます。この事態を先取りして、対応する必要があります。最低でも、半径五十キロの全面退避の英断をすべきと強く進言いたします。

 次の想定は、もっと何かがおきたときに、どう考えるのかということです。三号機の状況なども見ると事態は「光明が差した」というレベルではありません。この福島第一原発に過去に長期間、関わった、メーカーのある技術者は、「人的な体制から考えると、たぶん、もうもたないと思う。」と話しています。彼の見立てだと、作業員が実際に現場に入れる作業時間が、線量が高くて、一人当たり短時間しかたぶん機能できないため、どうにもならないだろうということです。あそこで作業のできる
能力がある作業員はそもそも少なく、現場がジャングルのような状態で、元々建設時から携わっていない人々が無茶苦茶になっている配管をつないでいくこと自体、極めて難しい作業だろうと話しています。さらに、例えばある作業員が1回当たりに
入れる時間が三十分。一日3回程度が限界とすると、ほとんど実効性ある作業がままなりません。しかも、家族などが「死なないために、会社をやめてくれ」と懇願しているのが普通の感覚で、そうした中で命懸けの作業がすでに二週間。極めて厳しいです。作業員があそこまで、被曝をしている状態を考えると、3号機の原子炉が損傷しているのは、ほぼ間違いないでしょうし、プルサーマルであることを考える
と、プルトニウムも出ている可能性もあり、危険度は、ウランよりも増大することは間違いありません。何かのアクシデントで高濃度の放射性物質がさらに漏れ出す可能性は否定できません。
 その場合、本当に高濃度の放射性物質が広範囲に降る可能性は否定できません。アメリカが自国民は80キロ圏外に避難させています。これと同じ感覚で周辺100キロ圏を退避させるべきと思います。少なくとも肉体的に影響が大きいと見られる、妊婦、乳幼児、小学生などの子供、妊娠可能な若い女性だけでも、優先順位をつけてこのエリアからは退避させるべきだと思います。

 中性子線が、12日から14日に計13回検出されていたことは要注意です。東電は観測データの計算ミスで、わずかな量だったと説明はしていますが、中性子線がどのような形で出続けているのか、もうないのかを徹底して確認をしてください。
中性子線は大きなメルクマールです。

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《参考》

『放射線業務従事者の被ばく限度』

第四条  事業者は、管理区域内において放射線業務に従事す
る労働者(以下「放射線業務従事者」という。)の受ける実効
線量が五年間につき百ミリシーベルトを超えず、かつ、一年間
につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならな
い。

2  事業者は、前項の規定にかかわらず、女性の放射線業務
従事者(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び第六条に
規定するものを除く。)の受ける実効線量については、三月間
につき五ミリシーベルトを超えないようにしなければならない


第六条  事業者は、妊娠と診断された女性の放射線業務従事
者の受ける線量が、妊娠と診断されたときから出産までの間(
以下「妊娠中」という。)につき次の各号に掲げる線量の区分
に応じて、それぞれ当該各号に定める値を超えないようにしな
ければならない。
一  内部被ばくによる実効線量については、一ミリシーベルト
二  腹部表面に受ける等価線量については、二ミリシーベルト
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木下黄太です。とにかく個人として、ジャーナリストとしてぎりぎりの感覚で書いています。お話がある方は、メールに電話番号をいただければ、こちらから折り返しいたします。