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再生トナーはメンテ契約必要

2020-07-22 04:42:50 | 機器について

最近は、J-comのミステリーで「刑事コロンボ」を毎日、一日中連続放送しているので、強くテレビの影響を受けました。それで、殺人事件じゃないですが、以下のような物語をしたためました。即ち、会社での再生トナーのトラブルによって機器故障を招き、窮地に追い込まれた派遣社員Aが、突如”豹変する物語風のフィクションをしたためました。つたない三文小説ですが、よろしかったら、最後までお読みになって、何らかの参考にしていただければ、幸いです。

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 Aは、ビクビクしながら上司に命じられてやむなく会社で格安リサイクルトナーを購入した。この会社では、経費節減の折から、特にメンテ契約せずにいた。でも、これは最悪。これでは地雷を埋め込まれた戦地を歩くのと同じほど危険。案の定、不幸なことに、格安リサイクルトナーが原因でカラーページプリンタ本体が壊れてしまったのだ。ところが、Aは臨時の非常勤の派遣社員なのに多くの後始末を課された。

 つまり、①既に購入済の再生トナーの在庫処分。②メンテ業者への相談③同じ型式のプリンタ本体の格安入手。

つまり、平たく言うと、「これ取ってこい、あれ取ってこい、これをやれ、あれもしろ、終わったら私を呼べ」という使い走りである。そこで、Aは次のように計画を立てた。

③の問題さえ解決すれば、①や②の問題は、おのずと解決する。手順はこうだ。

1 トナーが原因で故障したのではないか?と購入業者に交渉すれば業者は折れて代替えページプリンタを格安で購入できる可能性が高い。

2 格安で代替えプリンタが入手できれば、10万円分のクーポン券で補てんしたとして①の前任者の不始末の回復を会社に説明できる。(口述説明)

3 今後は、②のメンテについても、トナー会社からいろいろと便宜を図ってもらえる可能性がある。

 そこで、実際に実行に移して、③の交渉結果を報告すると、即座に、「これは管理者の専権で君に交渉の権限など何も一切任せた覚えはない。なぜ前もってお伺いを立てないのだ。手順が違うのだ。即キャンセルだ。」といわれた。

 それでAは、「阿吽の呼吸ですべて任されている積りが、そうでないなら辞めます。」といって、その場で、「ううううううう・・・」と呻いて、ついに倒れて気を失ってしまった・・・・。Aは、上司に騙されたと強く感じたのでショックを受けたのだ。数分後、気を取り戻して退出した。しかし、云いたいことを言った満足感で頬は紅潮していた・・・。

 阿吽の呼吸とは、いわゆる昨今の流行語の「忖度」を意味する言葉である。実は、前任の担当者=社員Bが要りもしない大量のトナー100本を某社から購入して、下記のような割引クーポン券を10万円分を某社から送付された筈であるが、それが所在不明のままで会計簿を見ると、値引きされずに正規の価格で購入されていたのである。Bは最近退職して、その辺の事情が会社は追及できず不明である・・・この一連の不始末の事情を上司もAも知っていて、これを何とか無難に処理しないといけないという阿吽の呼吸=忖度があったのである。(忖度にはありがちだがAの勝手な思い込みであり上司はそんなことは一切指示した覚えはないという態度だ)

 上司はBとの連絡が取れず未だに真相は藪の中だ。そうこうするうちに、上司は会社のリサイクルトナーの売買に非常に詳しい会計監査委員から、この点を指摘された。なぜ100本もの不要なトナーを購入したのか?また、クーポン券の所在は?大量のクーポン券を使えば印刷経費が10万円分値引きできたんじゃないか?この2点についての責任はどうなっていたか説明せよと。

 そこで、忖度である。「A君、ご苦労さんだが適当に処理してくれ。この件の処理は君にしかできない。頼むよ。」と、プリンタ故障の弱みに付け込んで、上司から言われたので、てっきり全面的に任されたものと勘違いして上司に忖度したのである。上司は、意図したかしないかは別として、結果的にAにBの不始末=業務上横領も含めて、故障したプリンタの処理も、不要な大量のトナーの処分も一切合財、後始末をさせる形になったのだ。まるで、100%濡れ衣を着せられるかのようである。金額にして、少なくとも60万円分のトナー代金と10万円分のクーポン券、合計70万円の損失の責任をAは上司におっ被せられるところだった。本来ならば、100歩譲って壊れたプリンタの修理の件はAのマターかもしれないが、Bによる不要な大量のトナー購入や業務上横領の件の後始末は、Aのマターではなくて完全に別問題である。責任転嫁である。その寸前で上司は決定的なミステイクを冒してしまった。

 折角、Aが忖度して③の格安の契約にこぎつけたと報告しているのに、「それは専決事項だ」と無礼千万で一蹴したことだ。そうではなくて、まずは労をねぎらう言葉と、①②③の課題解決の道筋をAととことん話し合うべきだったのだ。それで忖度が完結して、お互いにギブアンドテイクで一件落着する筈だったのだ。前任者Bの業務上横領が明るみに出ると、会社の不名誉になるので、それを食い止めるためにAが努力したのに、それを、自己保身のために殊更に隠ぺいしよう試みて、上司の決裁権に拘泥し過ぎて、完全に自爆してしまったのである。

 それで、済んでのところで、完全に信義に反する卑劣な騙され方をされる寸前だったと感づいたAが、怒り心頭に発して退職したので、結局、前任者Bが60万円で購入した格安リサイクルトナーをやむなく半額の30万円で売却。プリンタも別途新規購入で20万円。所在不明の10万円分のクーポン券は、紛失ということで始末書。新規メンテ契約で10万円、合計で70万円の余計な会社の持ち出しとなったのである。もちろん、前任者Bの業務上横領の隠ぺいと部下への責任の押しつけ、会社に少なからず損失を与えたこと、この3点で上司は、いわゆる管理不行き届きで会社から厳重注意を受ける結果となった。

 *************ここで、この物語は終わります。以下はあとがきです。********

 刑事コロンボでは、冒頭から金やプライド・自己保身のために殺人を犯す容疑者がいつも登場し、その後、謎解きが始まり容疑者を追い詰めて解決しますが、この物語は殺人事件じゃなくてどこの職場でもありがちな日常茶飯事のことで、警察に告訴するような事件性は殆ど無いです。でも、物語の途中までは同じような展開です。この物語の主題は、人間としてごく当たり前の「労を労う」思いやりが無く、プライドや権力だけで人を支配しようとしたことへの反逆です。結果はAが卑劣に騙されたと感じて豹変、上司が自爆します。この話は、刑事コロンボを翻案した三文小説として、脚色して作品作りをしました。たいへんつたない作品ですが、ご購読ありがとうございました。

 読者諸賢、特に会社のコンピュータ担当者に置かれましては、こういった悲惨な事例に遭遇することの無いように、以上の話が、何かの参考になれば幸いで御座います。

 

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