損失の繰り越しだけではない優遇措置
税務の専門家は「トヨタは損失の繰り越しを行った」とみている。
ある会計年度に多額の損失(赤字)が発生した場合、向こう9年間に渡り、損失を利益から控除できる。
トヨタはリーマンショックで多大な損失を出し08年度(2009年3月期)は、税引き前利益が5604億円の赤字に陥った。この損失が09年度以降に繰り越しされた。
しかし翌09年度には立ち直り、トヨタの業績は回復に向かった。税引前利益で見ると09年度は2914億円、10年度5632億円、11年度4328億円、12年度1兆4036億円もの黒字を稼ぎ出している。
これだけの利益を08年度の損失の「繰り越し」で消すのは無理がある。他にもっと大きな「税制上の控除」がなければ法人税はゼロにはならない。注目されるのが「租税特別措置」だ。
租税特別措置は、特定企業に対する税制上の優遇策である。
山田厚史の「世界かわら版」
法人税減税に正義はない 公平な税制を歪めた成長戦略
税務の専門家は「トヨタは損失の繰り越しを行った」とみている。
ある会計年度に多額の損失(赤字)が発生した場合、向こう9年間に渡り、損失を利益から控除できる。
トヨタはリーマンショックで多大な損失を出し08年度(2009年3月期)は、税引き前利益が5604億円の赤字に陥った。この損失が09年度以降に繰り越しされた。
しかし翌09年度には立ち直り、トヨタの業績は回復に向かった。税引前利益で見ると09年度は2914億円、10年度5632億円、11年度4328億円、12年度1兆4036億円もの黒字を稼ぎ出している。
これだけの利益を08年度の損失の「繰り越し」で消すのは無理がある。他にもっと大きな「税制上の控除」がなければ法人税はゼロにはならない。注目されるのが「租税特別措置」だ。
租税特別措置は、特定企業に対する税制上の優遇策である。
山田厚史の「世界かわら版」
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