では、なぜ社員の有休取得を企業に義務付けることにしたのか。その背景には日本の有休取得率が極めて低い現状がある。
現行の有給休暇制度は、6年半以上働けば年20日が付与される仕組みだ。問題は実際の取得率にある。2014年の厚生労働省『就労条件総合調査』によると、労働者の有休取得率は 48.8%で、1人平均の取得日数は 9.0日にとどまる。また、業種や企業規模による差も大きい。業種でみると「卸売業、小売業」「生活関連サービス業、娯楽業」「医療、福祉」「宿泊業、飲食サービス業」などで取得率が低く、中小企業ほど取得率が低い。
政府は 2020年までにこの有休取得率を 70%まで引き上げる目標を掲げる。目指している姿は、事実上の有休消化義務が企業側にあり取得率も 100%に近い欧州諸国だ。「年5日」になった経緯は、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)において、年8日分の義務付けを主張する労働組合代表と、年3日分を主張した経営者代表の間の調整の結果による。
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では、この新しい仕組みによって休み方、働き方は変わるのか? この政策は働きすぎ防止策の一環として、労働者の健康確保のほか、休み方改革による仕事と
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企業の有給消化義務、「5日」で調整へ どんな意味があるのか? 労働政策研究・研修機構研究員 高見具広