2014年11月「過労死等防止対策推進法」が制定されました。過労死の問題はもう20年近く議論され、対策も考えられてきました。ですが厚生労働省の統計によると過労死が減ってきたとは言いがたい状況です。
過労死と長時間労働からあなたを救う嫌われる勇気
過労死の原因としてよく指摘されるのが長時間労働です。これは企業の経営環境の厳しさによる人手不足やブラック企業の問題も関わっています。
しかし、必ずしも特別厳しい経営環境やブラック企業でない場合にも長時間労働や過労死は起こっているようです。これはなぜなのでしょうか。
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◆職場にいないことで嫌われるのが怖い
日本では「周囲の目を気にして」の長時間働いてしまう現象が指摘されます。これは、上司や同僚に「がんばってる」をアピールすることで自分の評価を維持したり、職場の居心地を良くしたい意識によるものです。
長時間働くことが必ずしも「がんばっている」ことや「成果を出す」ことにつながるわけではありません。ですが、みんなが忙しくてイライラしている時には、その場にいないと何を言われているかわかりません。つまり、「職場にいないことで嫌われるのが怖い」ので早く出勤して遅くまで残るという訳なのです。
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◆「嫌われる(かもしれない)勇気」で嫌われる不安を軽くしよう
では、私たち労働者はどうすればよいのでしょうか。
実は長時間労働のもう一つの背景として「責任の範囲がわからない」ことで「どこまで仕事をすれば評価を維持できるかわからない」という状況も指摘されています。
この責任の曖昧さがなくなれば嫌われる心配は軽くなるでしょう。
逆説的ですが、職場で嫌われる心配を軽くするためにはアドラー心理学で言われている「嫌われる(かもしれない)勇気」が役立つ場合もあります。
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◆人はしょせん、お互い様である
この勇気のポイントは2つです。まずアドラー心理学では「お互い様」という共同体感覚、つまりそれぞれに立場や価値観は違うことを強調します。つまり、人の気持ちや価値観はそれぞれ違って良いので、「快く思われない時もあるものだ」と割り切ることをススメます。
もちろん、私たちが人を「快く思えない時もあるものだ」とセットで割り切るものです。
もう一つは自分の方針をしっかりと持つことです。お仕事に関しては「会社にどこまで尽せるか、どこからは尽くせないか」を考えておくことです。もちろん、一人よがりに決めてはいけません。自分が働かないと会社も困るわけですが、同時に倒れて働けなくなっても困るわけです。倒れない範囲で会社に何をどの程度貢献できるか、会社の期待と自分の限界のバランスで考える必要があります。
過労死と長時間労働からあなたを救う嫌われる勇気