名古屋北部青年ユニオン  2012/8/13~

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アスベスト労災、一転認定 裁判中に神戸東労基署

2013-11-26 | 労働ニュース
 神戸港で約34年間、アスベスト(石綿)を扱う仕事を続け、2001年に肺がんで死亡した男性(当時54)の妻が出した労災申請が神戸東労働基準監督署にいったん退けられた後、一転して認定されていたことが分かった。今月15日付。

 妻から労災として特別遺族給付金の請求を受けた同労基署は10年1月、がんの発症と石綿の因果関係が認められないとして不支給処分を決定。妻はこれを不服とし同9月、国を相手に不支給決定取り消し訴訟を神戸地裁に起こしており、裁判が続く中での異例の認定となった。妻は裁判を取り下げる方針。

 裁判で問題となったのは、石綿繊維が原因で肺にできる「石綿小体」の数値。国の労災基準は「肺1グラムから石綿小体が5千本以上」で、下回る場合は作業内容や暴露歴から総合的に判断するとしているが、男性は2551本だった。

 原告側によると近年、石綿小体の数値が基準以下でも労災と認める判決が相次ぎ、「基準は合理性がない」と指摘した例もあったという。同労基署は今回の決定について「裁判の証拠などから男性が高濃度の石綿に暴露していると推認できたため」としている。

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ブラック企業「辞めたいのに辞められない」場合とは?【争点:雇用】

2013-11-25 | 労働ニュース
ブラック企業「辞めたいのに辞められない」場合とは?【争点:雇用】
弁護士ドットコム | 執筆者: 弁護士ドットコム トピックス編集部
投稿日: 2013年11月25日 16時49分 JST | 更新: 2013年11月25日 17時00分 JST

「会社を辞めたいのに辞められない」 ブラック企業の社員に「退職の自由」はないのか

「ブラック企業」といえば、過酷な労働環境で長時間にわたって従業員を働かせる企業というイメージが強いが、「辞めたいのに辞めさせてくれない」企業も、「ブラック」と呼んでいいだろう。働くことに関する様々な相談に応じているNPO法人労働相談センターには、「会社が辞めさせてくれない」という悩みが数多く寄せられている。

同センターのウェブサイトに掲載された事例は、次のようなものだ。

「介護施設。退職届を提出した。上司は了解したのに、施設長が『就業規則には2ヵ月前に提出となっているので受け取れない』と退職届を戻してきた」

「派遣社員。病院事務勤務。職場環境が辛く、心身ともに壊れてしまい、病院に退職を申しいれているが『病院のイメージも悪くなる。面子が立たない』と辞めさせてくれない」

「派遣。ホテル勤務。仮眠もない過酷な勤務のため、睡眠不足で体重も6キロ減り、フラフラな状態で働いている。仕事で車の運転もやる場合であり、限界なので退職を申し入れたが『人を探すまで待って欲しい』と言われた」

このように「辞めたいのに辞めさせてくれない」会社は少なくないようだが、従業員に「退職の自由」はないのだろうか。もし会社が強引に引き止めてきたら、どうしたらいいのか。労働問題にくわしい高木由美子弁護士に聞いた。


●2週間前に退職届を出せば「一身上の都合」でOK

「期間の定めのない雇用契約を結んでいる場合、労働者は基本的に、2週間前に退職届を一方的に出すことで、問題なく退職することができます。会社に引き留める権利はありません。また理由についても特に問われず、たとえば『一身上の都合』でも問題はありません。

ただし、就業規則等に、退職届を出す時期についての規定がある場合は、注意が必要です。たとえば、『3カ月前』と規定されていて、その期間に合理的な理由がある場合には、3カ月前に退職届を出す必要があります」

このように高木弁護士は説明する。では、契約社員など契約期間が決まっている場合はどうだろう。

「最近多い1年契約など、期間の定めのある雇用契約では、原則その期間が終了しなければ退職することができません」


●契約期間中に辞めるときは「やむを得ない事情」が必要

どうやら、無期雇用の場合とは違うようだが、有期雇用の社員が退職したい場合はどうすればいいのか?

「契約期間の終了前に退職するには、体調不良や家庭の事情などの『やむを得ない事情』が必要です。

もし、やむを得ない事情がないのに期間の途中で退職し、それにより会社に損害が発生した場合は、会社はその退職者に損害賠償請求をすることが可能です。十分注意してください。

もっとも、例に挙げられているような過酷な労働環境があったとすれば、期間の定めのある雇用契約の期間終了前であっても、『やむを得ない事情』があるとされる可能性が高いでしょう」

過酷な労働を強いられたうえで「辞めさせてもらえない」というようなケースでは、他にも色々な問題が発生している可能性がありそうだ。就業規則や雇用契約の内容をしっかりと確認したうえで、しかるべき対処を考えたほうがいいだろう。

(弁護士ドットコム トピックス)
http://www.huffingtonpost.jp/2013/11/25/resignation_n_4335585.html
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派遣法見直し案 弱い保護 さらに弱く

2013-11-25 | 労働ニュース
派遣切りされた労働者らが東京・日比谷公園で年を越した「年越し派遣村」が社会問題となったのは五年前の年末。不安定な立場で働く人が増え続ける中、今でさえ脆弱(ぜいじゃく)な労働者保護のルールを撤廃する動きが加速している。「また人生が翻弄(ほんろう)される」。光の見えない法改正論議に、派遣労働者の嘆きは大きい。 (小林由比)

 「そんなに文句があるなら辞めたらどうですか」。東京都内の同じ会社で十年以上働く派遣社員の女性(54)は数年前、上司からの嫌がらせを相談した派遣会社の担当者の言葉にがくぜんとした。顧客である派遣先の企業の方が大事なのだと思い知らされた。

 二人の子どもが幼いころに離婚。子育てしながら正社員に就くことは難しく、契約を三カ月ごとに更新して働き続けてきた。

 現行制度では、一つの業務に派遣社員を従事させられる上限は三年だ。例外として無期限なのが、二十六の専門業務。女性も、その一つの「事務用機器操作」として働く。それでも「誇りや自信が失われていく働き方」との思いは募る。正社員を目指して英語力を磨き、資格も多く取った。だが給料は今も十歳下の社員の半分。通勤手当や忌引休暇などの権利もない。「派遣が担うのは一時的、臨時的な仕事のはずで、長く雇いたければ正社員にすべきなのに…」

 派遣法改正のたたき台として八月に厚生労働省の有識者研究会が出した報告書の方向性は、女性の願いとは正反対だ。二十六業務を廃止しあらゆる業務で無期限に派遣社員を使えることを提言。一人が同じ職場で働ける期間を最長三年とする。

 これが現実になれば、企業は三年ごとに人を代えて派遣を使い続けることができるようになるが、女性は三年で別の職場に移らなくてはならない。労働契約法の改正で、有期契約社員が五年を超えて反復契約した場合、無期雇用に転換できることになったが、それもかなわなくなる。「正社員へのわずかな望みも完全に絶たれることになる」

    ◇

 派遣で日雇いの仕事をする千葉県の男性(34)の携帯電話に九月、日雇い派遣禁止の「例外」に当てはまるか申告するよう求めるメールが派遣会社から届いた。

 昨年十月に施行された「改正労働者派遣法」では、労働者保護の観点から、日雇い労働の原則禁止が打ち出された。しかし、六十歳以上や学生、年収五百万円以上の世帯の人などは例外となる。男性は派遣会社からのメールや電話で誘導され、同居の両親の収入を確認することもなく「同一生計者の年収が五百万円以上」と申告。証明書類も求められなかった。

 有識者研究会の報告を受け、同省の労働政策審議会では、年内に派遣法の見直し案をまとめるため議論している。日雇い原則廃止のルールについて使用者側委員は撤廃するよう主張。「企業が活躍しやすい国」を目指す政府のもと、使用者側の意向が反映される可能性が強い。

 事前の説明と違う仕事をさせられるなど多くの理不尽な目に遭ってきた男性は冷ややかに言う。「好きな時に好きなだけ使いたいっていうこと。弱い立場の人が増えるだけだ」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013112402000112.html
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<全労連>春闘要求、月額1万6000円以上

2013-11-24 | 労働ニュース
<全労連>春闘要求、月額1万6000円以上
毎日新聞 11月22日(金)21時37分配信

 全労連(大黒作治議長)は22日、2014年の春闘で月額1万6000円以上、時給額で120円以上の賃上げを求める方針を明らかにした。全労連は02年に1万5000円の要求を出したことがあるが、同額を超えるのは12年ぶり。

 全労連によると、13年春闘での要求は賃金底上げとして1万円以上(時給で100円以上)を要求したが、14年では「消費税の増税分を考慮しないと底上げが実現しない」として、増税分の2%を先取りした形で上乗せして月額1万6000円以上(賃金30万円として計算)とした。

 1997年の消費増税の際は賃上げは要求していないが、小田川義和事務局長は「前回の増税の際には賃金も大きく下がった」として盛り込むことを決めた。

 また、消費増税や原材料高騰などの負担を中小、零細に転嫁する「下請けいじめ」が始まっているとして、春闘時期に「下請けいじめ110番」を行う方針も決めた。【東海林智】
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「年越し派遣村」から5年 今年は?

2013-11-24 | 労働ニュース
「年越し派遣村」から5年 今年は?
大西連 | NPO法人自立生活サポートセンター・もやい
2013年11月22日 13時59分
年末年始は役所が休業になり(約10日間)、生活に困っても公的な支援を受けることができなくなってしまうため、路頭に迷い、寒さに凍えてしまう方が続出する恐れがあります。「年越し派遣村」から5年。今年は?

「年越し派遣村」って覚えていますか?
先日、都内の私立中学で貧困問題について授業をさせていただいた時に、そこで上記の質問をしたところ、約40人のクラスで手を挙げた生徒は3人でした。

これを多いと見るか少ないと見るかは意見がわかれるところだと思いますが、よく考えたら当時小学生だった彼らが知らないのは無理のないことです。

「年越し派遣村」は、日本国内の「貧困問題」について、メディアも含めて大きくクローズアップされた転換点となったアクションだったのですが、生活保護法改正などの政治的な動きをみると、今は昔の感もあります。

「年越し派遣村」は国を動かした?
今からさかのぼること5年前。

2008年11月におきた金融危機(いわゆる「リーマンショック」)を発端とした世界的不況において、日本でも自動車や電機メーカーなどの製造業において、いわゆる「派遣切り」と呼ばれる、派遣労働者の大規模な解雇・雇い止めが発生しました。

「年越し派遣村」とは、そういった「派遣切り」によって、失業と、また場合によっては住まいを失って(派遣の寮を追い出されるなど)、路頭に迷ってしまう方を支えるために、2008年の暮れから2009年の年始にかけて、NPOや法律家、労働組合のメンバーなどを中心に日比谷公園に開設された臨時の避難拠点のことです。

数日間のうちに約500人の方が相談に訪れ、事態を重くみた政府が宿泊場所に厚生労働省の講堂を開放するなどの措置が取られました。

テレビ報道などで覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

また、2009年から2010年の年越しに関しては、国の緊急雇用対策の一環として、東京都が「公設派遣村」を国立オリンピック記念青少年総合センターに開設し、同じく約500人の方が相談に訪れました。

「派遣村」に関しては、批判もあったり評価が分かれる面もありますが、一方で民間の取り組みが国や自治体を動かし、実際の施策につながった事例としては、大きなアクションであったと思います。

しかし、こういった行政機関が重い腰を上げて取り組んだ「年末年始」の施策は、残念ながら2010年以降、おこなわれていないのが実情です。

年末年始は「窓口」が開いていない!
では、そもそも「年末年始」になぜこういった施策やアクションが必要だったのでしょうか。

私たちは、仕事を失ったり体調不良になったりと、生活に困ってしまった場合に公的な支援(社会保障制度)を利用することができます。

それは、住まいを失ってしまうなどのホームレス状態になっても同じです。

社会保障制度としては「生活保護制度」が有名ですが、それ以外にも、決して十分ではありませんが、一定程度のセーフティネットは整備されています。

それらの制度は、いつ・誰が・どのような理由で生活に困っても支援を受けることができるように、各自治体に常設の窓口が置かれています。

しかし、そこはお役所ですから、平日は9時~17時(12時~13時は昼休み)のみ、土日と祝日などは、「閉庁」といってお休みになってしまいます。

特に年末年始は、年によって違いますが、概ね1週間弱、そういった行政機関の窓口が閉まってしまい制度が利用できない期間になります。

3日くらいなら何とか野宿で耐えられるという人も、極寒のなか1週間だとちょっと厳しい。

年末年始は「仕事」がなくなる!
また、年末年始は役所だけでなく、さまざまな会社、事業所も休業期間に入ります。例えば、日雇い労働などの不安定な働き方をしている場合などは、そういった状況ですと仕事を失ってしまい、生活ができなくなってしまいます。

ですから、より不安定な働き方、生活を送っている方ほど、「年末年始」は仕事を失いやすく、かつ制度も窓口が閉まっていて利用できない、という事態に直面しやすくなってしまいます。

もちろん、東京ですと新宿・渋谷・池袋・山谷地域などでは、民間の支援団体が炊き出しや夜回り、医療相談などの活動を「越年」「越冬」としておこなっています。

しかし、いずれも手弁当ですので民間でできる支援に限界があるのも事実です。

生活に困っている人は減っているのか?
「年越し派遣村」のように何百人という方が一気に相談に訪れるのは「非常事態」かもしれません。

実際に、新宿の炊き出しに並ぶ方の人数は、リーマンショック後(2008年末)には約500人近くにのぼったものの、現在は300人を下回っていると聞きます。

また、国の調査によれば、路上等のホームレスの方の数は大幅に減少しています。

しかし、この調査報告によれば、ホームレスの数は減少していると言えるものの、その背後には、

・生活困窮し居住の不安定さを抱える層が存在すること。

・これらの層が何らかの屋根のある場所と路上を行き来している。

と指摘されています。

このように、いわゆる「ホームレス」の方以外に、統計では明らかにされていない人たち、ネットカフェ難民と呼ばれる人たちや、友人・知人宅に居候している人たち、住み込みの仕事で失職と同時に路頭に迷ってしまう人たちなど、広い意味での「ホームレス状態」の方は、数万人にのぼると考えられています。

貧困はもしかしたら「見えにくい形」でじわじわと広がっているのかもしれません。

今年の「閉庁期間」は約10日間
しかし、実は今年の「閉庁期間」は土日が重なり例年より長く、12月27日(金)17時~1月6日(月)9時までの10日間にも及びます。

10日間、公的な支援を物理的に受けられない期間が続いてしまうのは緊急事態です。

しかも、気象庁の発表によれば、今年の年末年始は例年よりも寒くなる予想だそうです。

支援につながれず、路上で寒さに凍える方が続出してしまうかもしれません。

「年越し派遣村」 今年は?
では、今年は「年越し派遣村」のような取り組みはおこなわれるのでしょうか。

正直、わかりません。国や都などは今のところ予定していないようです。

新宿・渋谷・池袋・山谷地域など、毎年炊き出しなどの活動をおこなっている民間団体などのメンバーを中心に「ふとんで年越しプロジェクト」を結成し、国や都に対して「年末年始の生活困窮者施策についての要望」を出すことを予定しています。(僕も呼びかけ人になっています)

「年越し派遣村」のような大きなアクションではないかもしれませんが、「年末年始」に役所が閉まることによって寒さに凍えて困ってしまう方のための、さまざまな取り組みを考えています。

ぜひ注目していただければと思います。

年末年始は役所が休業になり(約10日間)、生活に困っても公的な支援を受けることができなくなってしまうため、路頭に迷い、寒さに凍えてしまう方が続出する恐れがあります。「年越し派遣村」から5年。今年は?

「年越し派遣村」って覚えていますか?
先日、都内の私立中学で貧困問題について授業をさせていただいた時に、そこで上記の質問をしたところ、約40人のクラスで手を挙げた生徒は3人でした。

これを多いと見るか少ないと見るかは意見がわかれるところだと思いますが、よく考えたら当時小学生だった彼らが知らないのは無理のないことです。

「年越し派遣村」は、日本国内の「貧困問題」について、メディアも含めて大きくクローズアップされた転換点となったアクションだったのですが、生活保護法改正などの政治的な動きをみると、今は昔の感もあります。

「年越し派遣村」は国を動かした?
今からさかのぼること5年前。

2008年11月におきた金融危機(いわゆる「リーマンショック」)を発端とした世界的不況において、日本でも自動車や電機メーカーなどの製造業において、いわゆる「派遣切り」と呼ばれる、派遣労働者の大規模な解雇・雇い止めが発生しました。

「年越し派遣村」とは、そういった「派遣切り」によって、失業と、また場合によっては住まいを失って(派遣の寮を追い出されるなど)、路頭に迷ってしまう方を支えるために、2008年の暮れから2009年の年始にかけて、NPOや法律家、労働組合のメンバーなどを中心に日比谷公園に開設された臨時の避難拠点のことです。

数日間のうちに約500人の方が相談に訪れ、事態を重くみた政府が宿泊場所に厚生労働省の講堂を開放するなどの措置が取られました。

テレビ報道などで覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

また、2009年から2010年の年越しに関しては、国の緊急雇用対策の一環として、東京都が「公設派遣村」を国立オリンピック記念青少年総合センターに開設し、同じく約500人の方が相談に訪れました。

「派遣村」に関しては、批判もあったり評価が分かれる面もありますが、一方で民間の取り組みが国や自治体を動かし、実際の施策につながった事例としては、大きなアクションであったと思います。

しかし、こういった行政機関が重い腰を上げて取り組んだ「年末年始」の施策は、残念ながら2010年以降、おこなわれていないのが実情です。

年末年始は「窓口」が開いていない!
では、そもそも「年末年始」になぜこういった施策やアクションが必要だったのでしょうか。

私たちは、仕事を失ったり体調不良になったりと、生活に困ってしまった場合に公的な支援(社会保障制度)を利用することができます。

それは、住まいを失ってしまうなどのホームレス状態になっても同じです。

社会保障制度としては「生活保護制度」が有名ですが、それ以外にも、決して十分ではありませんが、一定程度のセーフティネットは整備されています。

それらの制度は、いつ・誰が・どのような理由で生活に困っても支援を受けることができるように、各自治体に常設の窓口が置かれています。

しかし、そこはお役所ですから、平日は9時~17時(12時~13時は昼休み)のみ、土日と祝日などは、「閉庁」といってお休みになってしまいます。

特に年末年始は、年によって違いますが、概ね1週間弱、そういった行政機関の窓口が閉まってしまい制度が利用できない期間になります。

3日くらいなら何とか野宿で耐えられるという人も、極寒のなか1週間だとちょっと厳しい。

年末年始は「仕事」がなくなる!
また、年末年始は役所だけでなく、さまざまな会社、事業所も休業期間に入ります。例えば、日雇い労働などの不安定な働き方をしている場合などは、そういった状況ですと仕事を失ってしまい、生活ができなくなってしまいます。

ですから、より不安定な働き方、生活を送っている方ほど、「年末年始」は仕事を失いやすく、かつ制度も窓口が閉まっていて利用できない、という事態に直面しやすくなってしまいます。

もちろん、東京ですと新宿・渋谷・池袋・山谷地域などでは、民間の支援団体が炊き出しや夜回り、医療相談などの活動を「越年」「越冬」としておこなっています。

しかし、いずれも手弁当ですので民間でできる支援に限界があるのも事実です。

生活に困っている人は減っているのか?
「年越し派遣村」のように何百人という方が一気に相談に訪れるのは「非常事態」かもしれません。

実際に、新宿の炊き出しに並ぶ方の人数は、リーマンショック後(2008年末)には約500人近くにのぼったものの、現在は300人を下回っていると聞きます。

また、国の調査によれば、路上等のホームレスの方の数は大幅に減少しています。

しかし、この調査報告によれば、ホームレスの数は減少していると言えるものの、その背後には、

・生活困窮し居住の不安定さを抱える層が存在すること。

・これらの層が何らかの屋根のある場所と路上を行き来している。

と指摘されています。

このように、いわゆる「ホームレス」の方以外に、統計では明らかにされていない人たち、ネットカフェ難民と呼ばれる人たちや、友人・知人宅に居候している人たち、住み込みの仕事で失職と同時に路頭に迷ってしまう人たちなど、広い意味での「ホームレス状態」の方は、数万人にのぼると考えられています。

貧困はもしかしたら「見えにくい形」でじわじわと広がっているのかもしれません。

今年の「閉庁期間」は約10日間
しかし、実は今年の「閉庁期間」は土日が重なり例年より長く、12月27日(金)17時~1月6日(月)9時までの10日間にも及びます。

10日間、公的な支援を物理的に受けられない期間が続いてしまうのは緊急事態です。

しかも、気象庁の発表によれば、今年の年末年始は例年よりも寒くなる予想だそうです。

支援につながれず、路上で寒さに凍える方が続出してしまうかもしれません。

「年越し派遣村」 今年は?
では、今年は「年越し派遣村」のような取り組みはおこなわれるのでしょうか。

正直、わかりません。国や都などは今のところ予定していないようです。

新宿・渋谷・池袋・山谷地域など、毎年炊き出しなどの活動をおこなっている民間団体などのメンバーを中心に「ふとんで年越しプロジェクト」を結成し、国や都に対して「年末年始の生活困窮者施策についての要望」を出すことを予定しています。(僕も呼びかけ人になっています)

「年越し派遣村」のような大きなアクションではないかもしれませんが、「年末年始」に役所が閉まることによって寒さに凍えて困ってしまう方のための、さまざまな取り組みを考えています。

ぜひ注目していただければと思います。

大西連
NPO法人自立生活サポートセンター・もやい
1987年東京生まれ。新宿での炊き出し・夜回りなどのホームレス支援活動から始まり、現在はNPO法人自立生活サポートセンター・もやい、東京プロジェクト(世界の医療団)などに参加。生活困窮された方への相談支援に携わっています。また、生活保護や社会保障削減などの問題について、現場からの声を発信したり、政策提言しています。主なテーマは「貧困」「生活保護」「社会的包摂」など。

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