「ロリータ」
スタンリー・キューブリック監督。1962年作。モノクロ。
離婚を経て中年のとある大学の講師が、ある郊外の貸部屋の未亡人の娘ロリータに心惑わせ、不遜な思惑から未亡人と結婚してロリータに近づき、義父として屈折した異常な偏愛の果てに、転落していく人生を描いた作品。今見ても十分見ごたえのある映画。
スタンリー・キューブリック後期作品にみる独特な映像美はまだ見られないものの内容的には奥が深く、普遍的なテーマを扱っている。「ロリータ」という用語は今や心理学やファッションなど、あらゆる分野に影響を与えている一般用語として親しみ深い。その原点となった映画を見たことは感慨深い。
さすがはスタンリー・キューブリック監督である。