春の訪れ
私ももう老いた
髪は白髪交じりになり
少しずつ
死に近づいているのが
自分でも分かる
少しずつ
死に近づいているのが
自分でも分かる
そうして私は
私の死を想う
私の死を想う
春が訪れるように
亡くなりたいと
桜のつぼみが膨らみ
ほんのちょっと
開いたぐらいの時期に
私は亡くなるのだ
ほんのちょっと
開いたぐらいの時期に
私は亡くなるのだ
私の遺体は
全て桜の花びらが
覆って隠してくれるだろう
全て桜の花びらが
覆って隠してくれるだろう
そうして新緑の季節が
やってきた頃には
わたしはもう
何処にもいないのだ
やってきた頃には
わたしはもう
何処にもいないのだ
そんな死に方を私は想う