長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『クラッシング』

2019-02-07 | 海外ドラマ(く)

フィービー・ウォーラー・ブリッジは今や「やり過ぎ」の代名詞みたいな存在だ。頭角を表した『フリーバッグ』では赤裸々という言葉を超えた赤裸々さでヒロインのイタ〜い日々を演じ、僕らの引き笑いと涙を誘った。Netflixオリジナルドラマ『クラッシング』でも脚本、製作、主演を務め、その個性を遺憾なく発揮している。

『フレンズ』よろしく男女7人がルームシェアするのは何と廃病院だ。すれ違いの続く婚約中カップル、破天荒なフランス人アーティストと妻に去られた中年男性、インド系ゲイとゲイの自覚がない白人といった個性的なカップリングにウォーラ・ブリッジ扮するルルが割り込んだ事からすったもんだの大騒動が巻き起こる。自堕落で自己チュー、トラブルメーカーなヒロイン役は彼女の専売特許だ。字面に耐えない醜態を次々と晒し、床にぶちまけられたカレーに食いつくシーンでついに「ここまでやるか」と戦慄を呼ぶ。

だが見た目はドギツくても、ラブコメディとして多幸感ある着地をするのだからこの才媛はただの破廉恥で終わらない。3組3色それぞれの愛の形が見えてくる。特にゲイカップルは後半どんどんキュートでいじらしい展開になって萌え必至だ。

 ところで恋敵となるケイトは『フリーバッグ』に出てきた美人で賢く、ちょっと神経質な姉とキャラクターが瓜二つ。ルルに当てられ、堅物というイメージを覆そうと空回りする姿にはウォーラー・ブリッジの悪意すら伺える。さてはモデルがいるな。


『クラッシング』16・英
出演 フィービー・ウォーラー・ブリッジ、ジョナサン・ベイリー、エイドリアン・スカーボロー、他

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第91回アカデミー賞予想 | トップ | 『ロッキー2』 »

コメントを投稿

海外ドラマ(く)」カテゴリの最新記事