長内那由多のMovie Note

映画や海外ドラマのレビューを中心としたブログ

『ロッキー2』

2019-02-08 | 映画レビュー(ろ)

前作の大ヒットを受けて製作されたシリーズ第2弾。今回はシルベスタ・スタローン自らが脚本と監督を兼任、意外や手堅い手腕を発揮している。カタルシスが大爆発した前作のラストシーンを冒頭で再演、感動をプレイバックするもそこからは人間ドラマに時間をかけて実直な作りだ。
アポロから再戦を挑まれたロッキーだが頑なにそれを辞退し、なけなしのファイトマネーとにわかの名声でエイドリアンとの慎ましい新婚生活を始める。もともと大きな野望なんてなかった。あの王者アポロの心胆を寒からしめたのだ。もう十分じゃないか。自分に満足してしまったロッキーの迷走をスタローンはじっくり見せていく。CMの仕事は上手くいかず、喋り方をバカにされた。せっかくありついたバイトもあっさりクビにされた。意地も通したし、結婚もできたがこんなの本当のオレじゃない!

『クリード』にも引き継がれたニワトリ追いの筋力トレーニングや、フィラデルフィア中の子供達を巻き込むランニングなどシリーズ伝統となった名シーンを経て、臨場感たっぷりのリターンマッチに至る。演出的にも前作のスタイルを継承しており、シリーズのスタイルを決定づける1本となった。


『ロッキー2』79・米
監督・出演 シルベスター・スタローン
出演 タリア・シャイア、バート・ヤング、カール・ウェザース、バージェス・メレディス
 

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