寝転んで空を見る

山高きを厭わず 海深きを厭わない

2010秋 北アルプス蝶・涸沢・奥穂・前穂縦走 初日

2010年10月13日 | 2010北アルプスの旅

今回の山旅の目的は、蝶ヶ岳・奥穂高岳・前穂高岳を登る事。

更には徳沢での野営と松本のそば祭りでした。

当初はこの旅、10月5日から出発する予定でしたが、5日始発の電車で向かうと上高地に到着するのが12時過ぎ・・・。

そうすると、一日目の蝶ヶ岳ヒュッテ着が夕暮れになってしまう。

かと言って、一日目を徳沢・横尾泊にすると・・・・

これは時間の無駄だし(のんびりして良いが)天気予報も5・6・7・日以降は崩れる予報だった・・・。

そこで、4日の最終電車で松本電鉄「新島々駅」に向かい新島々駅でビバーク後(笑)

翌朝6時発の始発バスで上高地へ向かう事に急遽変更した。

 

さて、10月4日22:23分松本駅着、天気は曇り。

その後、新島々行きの電車を待つ、松本電鉄のホームでザックを背負った30~40代と見られる男性と出会った。(この男性を仮に『A』さんとしておきます)

Aさんに俺の方から会釈をしたところ「新島々でビバークですか?」と話し掛けられたのだが、

その方、すごく話好きな方で、終点新島々に着いても駅員に声をかけられるまで気がつかない程に、二人で話し込んでしまった(笑)。

23:37分、新島々駅に到着。

Img_1234今年夏の槍穂縦走時撮影「新島々駅

新島々到着後Aさんに『私のツェルト(簡易テント)で御一緒しませんか?』と誘われたが

上記写真の新島々駅には屋根が有るので、大丈夫ですと断ったが難度も進められ・・・

人の好意は素直に受け入れるってのが俺の信条!

ツェルトにお邪魔させていただいた。

漬物を肴にチューハイを回しのみしながら山の話をして0時過ぎだったろうか?

上写真自販機とベンチの前で就寝。

しかし、全然寝れない・・・すぐ横の道をトラックがブンブン走って行くしね・・・(泣き笑い)。

3時前、トイレにツェルトを出ると、空に綺麗な星空が広がっていた。

山に行かなくてもこんな星空が見れるのだと思うと、長野に住みたい想いが強くなっていく。

 

10月5日4時頃に起床(といっても全然寝れなかったケド)。

6時の始発バスは、民宿に前泊した方2名を合わせ、計4名を乗せバスは上高地に向かう。

途中から乗ってこられる方もパラパラと増え

7:09分定刻より4分遅れて上高地バスターミナルに到着。

バスを降り、Aさんに別れを告げようと思ったが姿が見えないので河童橋に向かう。

涸沢に向かうと言っておられたので、また会う事もあるだろう。

Img_1318 河童橋からの梓川・穂高・岳沢

この旅の後半、写真中央の奥穂の頂にに立ち、同じく岳沢を下りてくる予定。

何時もの様にデジカメでパチリとやって、7:25分スタート!

天気は今のところ晴れ!

今日の目的地は蝶ヶ岳山頂にある「蝶ヶ岳ヒュッテ」のテン場。

一般平均コースタイムは以下

上高地バスターミナル→1:00→横尾→1:00→徳沢→3:40→長塀尾根山頂→1:00蝶ヶ岳山頂。計6:40分の道のり!

Img_1321 明神岳2931mと5峰2726m

毎度御馴染み、梓川と明神岳を左手に見ながら先を急ぐ。

Img_1325 明神館

7:56分明神館に至る。

Img_1326  Img_1328

明神館前に生えるこの木は何て名の木なのだろう・・・・。

実は実家に生えるユスラウメに似ている。

 

8:36分徳沢に到着。

Img_1330 徳沢園とテン場

小休止後、徳沢園脇の登山道から『長塀尾根』を登り始める。

ここは急登で且つ俺の大嫌いな展望の利かない樹林帯の中の登山道。

俺、美しい景色を目にしながらなら疲れを感じないのだが、展望ゼロのここはキツかった!

北アルプスで初めて、『ここは二度とのぼらねえ~』と難度も独り言を言わされた(笑)。

自分が一体どの辺りを登っているかも解らず、ひたすら登っていった。

Img_1334 長塀山への登山道

11:45分、やっとこ長塀山山頂に至る。

Img_1336 長塀山山頂2564.9m

山頂では、今朝徳沢から登ってこられた御夫婦とお会いした。

昼食中の関西弁の50~60代のお二人との会話を楽しみ小休止。

「お昼を食べないでよくシャリバテせんな~」と言われたが、お二人との会話が行動食一食分位の元気をくれたんですよ!

その後、お二人に先んじて蝶ヶ岳山頂を目指し歩き出す。

此処からは尾根歩きに成るし、色付いた木々を眼にしながら行くので心が浮き立ち楽しかった。

Img_1342

この尾根には『妖精ノ池』と呼ばれる池が存在する。

Img_1351 妖精ノ池

この池、夏も花が咲き誇る美しい池なのだそうだ。

しばらく歩くと突然、

樹林限界を過ぎハイマツに囲まれた、なだらかな『蝶ヶ岳山頂』が姿を現す。

Img_1354

ここまで来れば疲れなんて吹っ飛んでいる!

そして山頂へ。

Img_1370 蝶ヶ岳2677m山頂

13:35分、『蝶ヶ岳』2677m登頂。

Img_1366 山頂手前から見た北方面(常念は雲に・・・)

山頂から北に眼を向ければ蝶ヶ岳ヒュッテと常念岳の姿が見えた。

 

さて、この蝶ヶ岳に登った理由はここから眼に出来る

槍・大キレット・北穂・奥穂・前穂・涸沢等々の大パノラマを眼にする為なのだが・・・。

その景色はと言うと・・・。

Img_1363_2 蝶ヶ岳からの眺め

雲が出てきて今一の眺めだが、この時は十分感動し、長塀尾根で二度と登らないと言った想いは吹き飛んだ(笑)!

上の写真では、前穂や西穂は雲の中だが、かろうじて涸沢岳が見える。

そして、この夏縦走した山々が・・・

右から槍ヶ岳・大食岳・中岳・南岳・大キレット・北穂高岳・涸沢カールと見えている。

Img_1360 クリックで槍ヶ岳のアップ

槍ヶ岳の姿と、そこへ続く槍沢ルート(谷間)を眺め過去の山旅を想い・・・。

Img_1367 クリックで涸沢カールのアップ

明日向かう涸沢を眺め、眼に出来るであろう日本一の紅葉にワクワクしていた。

そして、今日は雲のかかったこの眺めも、明日の朝には最高の眺めを眼に出来ると期待に胸を膨らませた。

 

その後、山小屋でテン場の受付をすませ(500円 水1?150円)テントを設営していたところ、長塀山山頂でお会いしたお二人が蝶ヶ岳に到着し、俺に話しかけてきた。

その会話の中で、今さっき蝶ヶ岳山頂で熊を見た人が居るらしいと聞いた!

テン場から山頂は眼と鼻の先・・・。

しかも、この日のテン場泊は俺一人!

当然最高の場所をおさえ喜んでいた処だったのに・・・・(涙)。

まあ、気を取り直してテントの中で食事を取り『ナイフを枕元に置き』20時頃、就寝(笑)。

Img_1375

夜中に難度もテント裏のハイマツからガサゴソと音がして何度か起こされ・・・

そのつど「俺~は、村じゅ~で一番♪強い~と言われた男~♪」と歌う縦走1日目の夜は暮れて行った・・・・。

 

次回2日目は、早朝蝶ヶ岳からの眺めを堪能し、紅葉に彩られる涸沢を目指します。

                                                    つづく