寝転んで空を見る

山高きを厭わず 海深きを厭わない

2010秋 北アルプス蝶・涸沢・奥穂・前穂縦走 四日目 寄り道編①

2010年10月31日 | 2010北アルプスの旅

10月8日、夜明け前に小梨平のテントの中で眼を醒まし4時過ぎにはテントを出る。

目的は田代池&大正池。

大正池までの1時間の道のりを、LEDライト・携帯・折り畳み傘を持って真っ暗な上高地梓川左岸を下流に向かい歩いていく。

少しずつ明るくなってくる中、携帯でDewの歌を流し、聴きながら歩いて行った(稀に熊が出るので)。

明るくなってきた頃、薄靄の中の田代池に到着。

上高地のホテルに宿泊したであろう方々数人とすれ違い挨拶を交わす。

静かな朝だった。

Img_1670 田代池

Img_1671 田代池・大正池分岐の湿原

時代を遡ればこんな湿地の風景は、何処にでもある風景だったのだろう。

道すら満足に無い、平安時代の頃のこの国を旅してみたかった。

  

そして、大正池に到着。

Img_1673  Img_1674

大正池は大正時代に焼岳の噴火により生まれた池。

この池を見るなら上高地公園線側からが、お勧めかも知れない。

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霞み立つ池と梓川を眺めたら、来た道を小梨平に引き返す。

Img_1680 河童橋 9時、徳沢に向け歩き出す前に撮影

御覧の様に、この日の朝も晴れ。

上高地で調べた所によると、今日は「晴れのち曇り」明日は「曇りのち雨」の予報だった。

 

テントに帰り、朝食に「棒ラーメン豚骨味、+乾燥野菜」を食べ、梓川沿いの日向でテント・フライシートを干した。

その間に小梨平のゴミ捨て場にゴミを捨てたり靴下を濯だ後、テントを撤収して靴下とタオルをザックにぶら下げつつ徳沢を目指した。

徳沢へ向かい歩き出して直ぐに、この日10月8日は明神池で行われる

穂高神社奥宮、例大祭の行なわれる日であることを思い出した。

たしか11:00時から行われるはずだったが、小梨平を立ったのが10時すぎだったので急いで明神池へ向かった。(明神まで1時間の道のり)

Img_1683 明神橋と明神岳

明神橋を渡り11時前に明神池に到着。

11:00大例祭が始まる。

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この時間から拝観料無料!なので明神池へ先回り。

地元の人曰く、この社は水神さんを祭っているからか例大祭の日は大抵雨なのだそうだ。

去年は霙が降っていたのだそう(去年と言えば、俺が槍沢に居た頃だろう)。

しかし、この日は晴れ!

凄い人出の中、池のほとりで30分ほど待っていると、やっと御出ましに・・・。

Img_1691 Img_1700

笙や笛を鳴らしながら、くるりくるりと明神池を二週して終了。

徳沢に向かう。

橋手前の嘉門次小屋で、名物「岩魚の塩焼」きを食べている人達に胃袋が泣き声をあげるが、徳沢へ後1時間の道のりを行く。

13時前に徳沢に到着。

徳沢園で受付を済まし(500円水は無料)以前は牧草地だったテン場にテントを張る。

テントは少なく、木下の良い場所を確保できた。

Img_1708 徳沢のテント場

横尾方面へ向かう人達が口にする・・・

「いい場所だね~」 「ここでテント泊したいね~」

と言う言葉を聴きつつ、旧牧草地に寝転び山本周五郎の『ならぬ堪忍』を読みながら

昼食の『アラビアータ』を煮込む・・・この贅沢な時間・・・。

(このイタリアメーカーの保存食は美味いしボリュームもあるのだが、調理に時間が掛かるのが欠点、ガスを使うから)。

ここでの一泊を以前からしたかったのだが、徳沢の位置が中途半端な所に有る為に毎度通り過ぎるだけだった・・・。

それがついに実現。

Img_0284 Img_0282

↑去年秋の徳沢テン場                                   ↑同じく、テンバ横を横尾→上高地へと向かう道

昼食後は徳沢園や周辺をブラブラして過ごした。

次の機会には、カツラの木が黄金になる時期か、夏にまたこの贅沢を味わいたい。

 

この日の夕食を徳沢園で「岩魚定食」にするか「おでん定食」か、はたまた「カレーライス」にするか・・・二時間くらい迷ったが・・・(笑)

結局、この夜も最後に残った「棒ラーメン」で我慢して19時就寝。

この為、明日の朝食は無し!(食料を全て使い果たした)

日が暮れると降り出した雨がフライシートを叩く音で腹の虫の鳴き声を消してくれた。

最後に星空を眼に出来なかったのが残念。

 

次回は最終日、徳沢→松本散策

 

                                               つづく