サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

インプラントで顎の骨を広げる!(3)第9回国際インプラント矯正学会in 神戸 

2017-07-12 18:12:51 | 健康・病気

今回一番衝撃的だったのは特別公演2で公演されたUCLAのDr. Won Moonのスピーチで演題は「Non-surgical orthopedic corrections with micro-Implants:


Breaking the rules and expanding the boundaries」内容はMaxillary Skeletal Expanderという上顎骨拡大装置を使用して外科処置を行わずに上顎を拡大し歯を並べようというお話でした。

通常、歯を並べるには顎のサイズが小さい場合どうしても歯を抜かなければならないケースが多くあります。

よく、「歯を抜かない矯正治療」とか宣伝している歯科医師もいますが、顎が小さいのに無理に歯を並べると後で大きく後戻りしたり、

歯の外側の骨が薄くなって将来的に歯周病になりやすくなったり色々とデメリットがあるので、

顎の外科手術を行わない限り通常は歯を抜いた方がいい場合は歯を抜いて矯正治療を行うのが学会での常識です。

しかし、Dr. Won Moonの開発した装置は大きな外科処置を行わずに顎のサイズを拡大するため本当の意味での「歯を抜かない矯正治療」が可能になります。

しかもこの装置、日本でも認可が通って使用可能です。

矯正治療の進歩を感じることができた1日でした。

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インプラント矯正の利点(2)第9回国際インプラント矯正学会in 神戸 

2017-07-09 09:52:04 | 健康・病気

今回の国際インプラント矯正学会では特別公演として何人か著名な先生に来ていただいていますがその中でももっとも実力があるのがドイツのDr. Benedict Wilmes先生です。

今回の講演では「Palatal T ADs with exchangeable abutments in orthopedic and orthodontic treatment work」として

口蓋(上顎の内側)に矯正用インプラントを使用して様々な治療を行った症例を多く見せていただきました。

どの症例もしっかりとした理論に裏付けされておりシステムとして完成されているものばかりで単に固定源としてインプラントを矯正治療に応用するだけでなく、

従来普通の矯正治療でできなかったことをインプラントを矯正治療に応用することによって治療範囲を広げ、しかも確実に結果を出しておられました。

インプラント矯正治療の利点を改めて認識することになりました。



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インプラント矯正が熱い!(1)第9回国際インプラント矯正学会in 神戸 

2017-07-03 15:36:41 | 健康・病気

週末は地元関西で開かれた国際インプラント矯正学会に参加してきました。

暑かったですが会場はインプラント矯正で熱かったです。

インプラント矯正学会といっても何のことだかピンとこないと思いますが、歯列矯正治療を行うにあたって歯を動かすには基本的に歯と歯を引っ張りあって歯を動かします。

なので歯を思った方向と距離に動かすにはかなり綿密な計算のもと、治療計画を立てるのですが、

それでもなかなか思い通りに歯が動いてくれない、あるいいは動き過ぎてしまうなど、治療が複雑になりがちです。

しかし、矯正用アンカースクリューと呼ばれる矯正治療用のインプラントは歯と違って動かない確実な固定源になる為、

今までの矯正治療の常識を覆すことになりました。

インプラント矯正治療によって、より治療期間を短く、より確実に矯正治療を進めることができるようになり、

今まで以上に患者さんの負担は減る傾向にあります。

当院でも10年ほど前からインプラント矯正は行なっておりますがより優れた矯正治療システムが毎年のように登場し当院でも順次採用し、

治療システムを更新してまいります。今回の学会でもいくつか画期的な治療システムを学ぶことができ、とても有益な時間となりました。

その内容についてはまた次回、、、


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その歯の痛み、はぎりしが原因では?

2017-05-07 22:17:13 | 健康・病気

久々のブログ更新です。

最近当院に歯ぎしりや噛み締めが原因でお口のトラブルが生じ、来院される患者さんが増えてきたような気がします。

ためしに、他の先生に聞いてみたのですがやはりそういった患者さんが増えている実感があるそうです。

歯ぎしりや噛み締めがあると歯が極端に削れている、あるいはあごの骨が隆起しているいる、舌の側面がギザギザになっているなどの症状が認められるのですが、

患者さんの自覚症状はほとんどないので歯ぎしりや噛み締めが原因で歯を失っていくという事実はなかなか理解し難いようです。

その結果、説明してもなかなか治療につながらず放置されている方が多いようです。

また、歯ぎしりや噛み締めが原因で歯が痛くなったり、歯周病が悪化したり、詰め物が取れたり、顎が痛くなったり、

歯の側面が崩壊してきたりしても、症状が引けばまあそのままにしている患者さんも多くおられます。

通常、患者さんの多くはお口の健康についての知識があまりなく、CMで虫歯や歯周病の怖いというイメージだけを植えつけられて

意味のない高価なデンタルリンスや歯磨き粉を使用させられていることが多いでしょう。

歯医者と一般の方との情報があまりにも乖離していてなかなか治療内容を説明することが困難になっています。

しかし、不思議なことに患者さんの中には歯科医療の一般的な知識説明するとすんなり理解され、賢明な治療内容を選ばれる方もおられます。

なにが違うのかはっきりとはわかりませんがインターネットや書籍、テレビなどから多くの情報が得られるようになっていますが、

その中からより真実に近い情報を選び取るスキルの差が人によってかなりあるようです。

自分自身、歯科医療の勉強をしていていつも圧倒的な情報量に圧倒されます。

まるで高い山を手探りで登るような感じでなかなかこれが正解かどうかわかりませんがプロとして正しいルートを登れるようにしないと

患者さんを巻き込んで遭難してしまいますから、絶え間ない努力が必要だと改めて感じる今日この頃です。

ちなみに歯ぎしりや噛み締めに対する治療は噛み合わせの診断ののちにマウスピース、歯の調整、補綴(被せ物による調整)、

歯列矯正治療などが世界的に見ても一般的な治療となります。写真は歯ぎしり治療用のマウスピースになります

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口腔内細菌フローラについて あけましておめでとうございます!2017

2017-01-01 00:00:58 | 健康・病気
by small science
あけましておめでとうございます 

昨年、腸内フローラと呼ばれる腸内部の細菌群とからだの健康との関係についてのテレビ番組や記事を多く見ました。

同じように口の中にも口腔内細菌フローラが存在し、それらとお口の健康は密接な関係があることは歯科関係者に中では良く知られています。

しかし。歯磨き粉、デンタルリンスなどに含まれる強力な殺菌剤は無作為に口腔内の常在菌を死滅させ耐性菌の繁殖を助長させる可能性さえあるのに

一般の方はそれらを何の疑問も持たずに毎日使用されていることが多々あります。

口腔内細菌フローラの働きは全部解明されていませんが、もしかしたらお口の健康を助けてくれている菌も多く存在するかもしれません。

それらを守りつつ汚れを取るにはやはり丁寧な歯磨きと定期的な歯石除去が最も安全で効果的な方法です。

今年もご自身でお口の健康を守っていきましょう。

そのお手伝いをサイトウ歯科はさせていただきます。

本年も宜しくお願い致します。

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11月8日はいい歯の日 なぜ歯科のインプラントだけは危険? 

2016-11-09 12:11:56 | 健康・病気

11月8日はいい歯の日です 

NHKでもそれに合わせて報道がありましたがタイトルを見て驚きました。

タイトルは「インプラント治療後3年以上 40%余にあごの骨の病気や炎症」!? またインプラントのネガティブキャンペーンです。

歯周病学会の調査報告ですがにわかには信じがたいデータです。

ちなみに当院では20年以上インプラントが骨に異常がなく機能している患者さんもおられますし、専門医の更新などで学会に提出するすべての症例は3年以上骨に問題がおきいないことが条件です。

歯周病に罹患している患者さんや噛み合わせが悪い患者さん、検診や歯磨きをしない患者さん、など他に問題がある状態でインプラント治療だけを施せば

そうなるかもしれませんがそうでなければこんなに問題は起きるものではありません。

逆にそうであればインプラント以外の治療方法を選択しても壊れてしまう確率は高いでしょう。

また、インプラント治療は腫瘍等で顎の骨を失った患者さんに対して健康保健治療で治療を行うことを厚生労働省が認めています(国のお墨付きの治療方法!)。

それに人工股関節や白内障のレンズなど体に埋め込む機器はすべてインプラントですが歯科のインプラントのみを危険と報道しています。

確かにインプラント治療が向いている患者さんとそうでない患者さんがいますが単にインプラント治療が悪いように報道しているメディアは

インプラント治療が有効な患者さんに対して他の治療法を選ぶことによって起きる不利益についてはどう考えているのでしょう?

現在、日本の歯科治療は先進国よりかなり遅れていますがこのままでは、アジアにおいても歯科治療の発展途上国になってしまいそうで心配です

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永久歯がもともと無いお子さんにインプラント治療ー第46回 日本口腔インプラント学会学術大会 in名古屋 1

2016-09-19 15:42:51 | 健康・病気

週末は日本口腔インプラント学会学術大会で名古屋国際会議場で発表してきました。

今回は先天的に永久歯が無く、歯並びに問題のある患者さんに対してインプラント治療と矯正治療を同時に行ったケースについて発表してきました。

最近、学会の査読が厳しくなったのか発表数がかなり減ってきたように思いますがその中で自分の治療コンセプトが認められ発表の機会を得ることができたことは嬉しいことです。

というのは今回16歳という若年の患者さんに対してインプラント治療を行った内容です。

アメリカではすでに若年者に対するインプラント治療は一般的ですが日本だとまだまだ是非を問われることが多いようです。

しかし、今回の発表内容が学会の査読をパスしたということは今まで行ってきた治療内容の正当性を確認できたという意味で自分にとってとても意味のある発表でした。

それにしても先天的に歯がない患者さんに対してのインプラント治療は健康保健の適応になって欲しいと思う今日この頃です

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顎の骨を守るインプラント アメリカインプラント学会マキシコース2016 in名古屋3

2016-08-03 17:45:33 | 健康・病気

今回アメリカAAIDからRichard A. Borger先生に来ていただき講演をしていただきました。

Borgner先生はアメリカインプラント学会の試験委員をされており基礎から臨床においても幅広い知識をお持ちです。

その中でも顎の骨がほとんどなくなったしまった患者さんに対しての治療例は圧巻です。

アメリカ本国でも飛行機で通う患者さんが見えるほど卓越した技術をお持ちです。

ただ、患者さんには覚えておいて欲しいのですがレントゲンで見てわかるように顎の骨が数ミリにまで吸収しているのはインプラント治療を行ったからではありません。

逆にインプラント治療を行わなかったことによって顎の骨が萎縮してしまった結果です。

インプラントは顎の骨を削るので怖いと思い入れ歯を使用している患者さんは少なくないと思います。

しかし入れ歯を使用することで顎の骨は年々萎縮していくこともあります。

インプラント治療は顎の骨に直接力を加えることができるため、顎の骨の萎縮を防ぐことができるのです。


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骨粗鬆症の薬と歯科 アメリカインプラント学会マキシコース2016 in 名古屋2

2016-08-01 14:56:45 | 健康・病気
アメリカインプラント学会マキシコースでもう一人日本の先生にお話しを伺いました。公立陶生病院の神谷先生にはMRONJ、薬剤関連性顎骨壊死について色々と教えていただきました。

骨粗鬆症の投薬を受けていると歯の治療によって顎骨壊死が起きる場合があることは随分前からいわれていますが最近になって他の薬剤についても同様の症状が起きることより、

薬剤関連性顎骨壊死といった名前に変わったそうです。

要するに色々な病気で色々な薬を飲むと歯科治療するにもリスクが高くなってしまいます。

実際、糖尿病や心臓病などは歯周病で悪化することもよく話題に上がります。

なので日頃から歯科治療が必要とならないように早期発見と予防をしっかりしましょう。

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歯医者のレントゲンは心配ないですよ!アメリカインプラント学会マキシコース2016 in名古屋1

2016-07-25 14:56:48 | 健康・病気

7月のアメリカインプラント学会マキシコースで朝日大学歯学部歯科放射線学講座教授である勝又明敏教授にお話をいただきました。

僕たち歯科医師は毎日のようにレントゲン撮影を行っていますがなかなか放射線についての知識は学生以来勉強することがなく、

こういった機会に最新の知識を得ることはとても重要です。

最初に福島の原発事故以降よく質問のある歯科でのレントゲン撮影とその危険性について改めて説明していただきました。

普通に生活していて一年に浴びる自然界からの放射線量が1~2.5mSvで、パノラマレントゲン(検診時にお口の全体像を撮るレントゲン写真)で

1回 0.01mSv、頭部のCTで1回0.05mSvとなりますのでほとんど影響がないとのことです。

参考までに航空機でアメリカ旅行すると往復で0.2mSvほど放射線を浴びることになりますので歯科クリニックでの放射線量は気にすることはないと再度説明されていました。

あとそれに加えて、臨床でのレントゲン写真の読影(文字通りレントゲンを読む)のちょっとしたコツなど放射線の専門の先生ならではの視点を色々教えていただき大変参考になりました。

皆さん、歯科の定期検診はデメリットよりメリットの方がはるかに大きいので是非定期的に受けるようにしてください。

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