週末は名古屋にて開かれた口腔病理学講座の同門会に参加してきました。
毎回この同門会では講演していただく先生がバラエティに富んでいてとても興味深い話を聞くことができるのですが
今回は母校の愛知学院大学付属病院の言語治療外来部門から早川統子先生を迎えての講演でした。
内容はタイトルにもあるように発声、発語に問題のあるお子さんの治療についての講演でした。
言語治療外来は1997年に制定された国家資格である聴覚療法士によって音声機能、言語機能に問題(舌足らず、吃音など)のあるお子さんに対して、
検査、助言、指導、援助を専門に行う部門です。
うまく言葉を伝えることができない子供は周囲が話を聞いてくれないと感じ、話すことを控えてしまうこともあるそうで、
精神的なケアも含めて治療を進める必要があるそうです。
また、子供特有の固有名詞、たとえばポケモンのキャラクターや友達の名前などもあらかじめこちらが調べておいて本来発音したかった音と
実際話している音とのずれを修正していくとのことで、一般の歯科の知識とはかなりかけ離れたスキルが必要なため、
早川先生もこういったお子さんについて相談を受けた場合、聴覚療法士に任せていただいた方が治療がスムーズですと説明されていました。
もしそういった症状がお子さんにあって悩んでおられる患者さんは口腔外科等をご紹介いたしますのでお気軽にご相談ください
いろいろ検討してやっと購入に至った拡大鏡が届きました!精密な治療の際にルーペは必要になるのですが、
メーカーによって性能や使い心地がかなり違うのでレンタルしながら1年ほど検討してきました。
最終的に問題になったのが目か歯までの作業距離の長さ!ほとんどのメーカーが作業距離が40cm以上になります。
そうすると作業の際に手も伸びきってしまい細かい作業するには難がありました。
特に上の奥歯の側面を見るときにはかなり無理な姿勢を強いられます。
最終的にカールツァイスというメーカーで作業距離30cmのものを特注して作ってもらいやっと出来上がりました。
早速使ってみると日頃裸眼で治療している位置と同じ位置で作業が可能です。
これってとても大事なことなのですがなかなか情報がないので試行錯誤でやってたどり着きました。
しかもカールツァイス製のレンズは明るくて補助ライトなしでも十分細部まで見ることができます。
一年間にわたるルーペ探しの旅もこれでいったん終わり、この拡大鏡で患者さんの歯の奥の奥まで診させていただきます。
あけましておめでとうございます 今年もよろしくお願いいたします
ちなみに羊の前歯は下顎にしか無く、上の歯茎と下の前歯で草を引きちぎり奥歯で徹底的にすり潰すようにして咀嚼します。
このように歯や顎の形態は食べるものによってみな違います。
人間やクマなどは前歯で肉や野菜を食いちぎり奥歯ですりつぶすようにして食べますが、実は肉は細胞膜のみしかないため飲み込んでも胃で全て消化することが可能です。
しかし、草は細胞壁があるために羊や牛と同じようにしっかり奥歯ですり潰す必要があります。
時折、患者さんに「奥歯がなくても前歯で噛めば不便がないので歯を入れなくてもいいですか?」と質問されますが野菜を食べる場合はどうしても奥歯が必要です。
もし前歯で無理にすり潰すようにして食べると前歯の磨耗が進んでしまい短くなってしまいます。
なのでもし奥歯を失った場合、入れ歯はプラスチック製の歯でできているので野菜はうまく噛み切れない為ブリッジかインプラントの方が有利になります。
健康管理はまず食事、そのためにはしっかり噛める歯がそろっていることとても大切です。
今年も頑張って歯を守っていきましょう。
11月は第63回 AAID アメリカインプラント学会に参加するためフロリダに行ってきました。
フロリダは今の季節でもさすがに暖かくとても過ごしやすいいい気候でした。
ただ現地までおおよそ20時間かかるので5日お休みを頂いても学会参加は2日半しかできませのでとんぼ返りです。
ただ、アメリカの歯科医も国内といえどもアメリカは広いので10時間ぐらいかけてきている方もいます。
そこまで時間をかけて学会に来る目的はやはり学会認定の資格です。
アソシエイトフェロー、アメリカンボード、フェローと段階を追って資格を取得することによって患者さんからの評価を得ることができます。
日本だと歯科医師の資格の広告は禁じられています。
でもインターネット上ではは一流の歯科医師だらけですね(笑)
そういった資格に対する法整備がアメリカはしっかりしているため患者さんは技術を持つ歯科医を簡単に見つけることができます。
日本も早くそうなってくるといいですね。
秋晴れの中、土日ビルに籠ってダイレクトボンディングのセミナーに参加してきました。
写真は実習で歯に樹脂を詰めたところです。
最近のレジン樹脂は正しく使えば強度や審美性はかなり高く、このダイレクトボンディング治療によってより患者さんの歯を削る量が減りそうです。
また、このセミナーではメーカー主催ではないので色々な材料、器具を使わせていただけたので比較検討でき、
ありがたかったです。例えば写真で比較しているレジン樹脂を詰める道具の厚みも計測すると倍程厚みが異なり、当然薄い方が歯の間の操作はしやすくなります。
板前さんの包丁、 作家のペン、野球選手のバットと同じで道具へのこだわりはいい仕事に繋がると思いいろいろ物色中です。
週末再度東京へ「ダイレクトレジン治療」のセミナーに参加してきました。
ダイレクトレジン治療とはお口の中で樹脂を直接詰める治療ですが、健康保険のレジン治療とは材料とやり方が異なります。
材料の違いはレジンの審美性、耐久性がすぐれたものを使用するということ。
やり方の違いは1つの色を詰めるのではなく、何種類か色の異なる樹脂を積層することによってより自然な歯の色とマッチするような技術を使用します。
もちろん他にも色々異なる点がありますがそれだけで耐久性と審美性がずいぶん違い、型をとって作る詰め物に比べて歯を削る量が少ないことも大きな利点です。
また、被せものがかけたり壊れたときにも修理ができるなどいろいろ応用範囲がある治療方法です。
患者さんに撮っては大きなメリットがありますね。
以前から当院でも行っている治療ですが、どんどんいい新材料がでてくるので、今月はもう1つ「ダイレクトレジン治療」のセミナーへ参加して腕を磨く予定です。
それにしても天気も良い日で会場も品川の高層ビルだったのですが以外と東京は緑が多く景観のよいとろこが多いですね。
今回は上顎にインプラントを使用して本来総義歯の患者さんに取り外さなくていい被せ物を、
CADCAMシステム(コンピューターで設計して金属を削りだしてつくるシステム)にて製作し上良好な結果がでているので発表させていただきました。
このシステムを使うと従来金属を溶かして作っていた歯よりも、軽く、強度も強い物が作れるだけでなくコストも抑えることができます。
また、ネジによって固定する方式なので修理や将来的に構造を変更するなど自由度が高く、インプラント治療の被せ物をとしてこれから主流になると思われます。
他にも多くの先生がこのシステムを使用しており意見交換をすることができ有意義に学会を終えることができました。
秋の学会シーズンが始まりました。
まずは東京にて開かれた第44回日本口腔インプラント学会に参加、発表してきました。
今回の学会のテーマは 口腔インプラント治療の「めざす」もの ーより信頼されるインンプラント治療へー です。
数年前、マスコミのネガティブキャンペーンによってインプラントの悪い部分ばかりがピックアップされ、国民が不安に陥る事態がありました。
実際にはインプラントは人工股関節やペースペーカーなど身体に埋め込むものの総称でどの治療も長所短所はあって当然です。
また、従来のブリッジや義歯においても危険性や偶発症は多く生じており、それらと比較することなく口腔インプラント治療のみが悪い物のように報道され、
多くのインプラント専門医がインプラント治療の信頼性を回復させるために苦労を強いられる結果となりました。
また、インプラント治療の恩恵を受けるはずであった患者さんまで、他の治療方法を選択してしまい不利益を被ってしまいました。
学問的には義歯やブリッジよりも口腔インプラントが患者さんにとって多くの利益をもたらすことは間違いなく、この流れはとめることはできないでしょう。
インプラント治療の是非を問う段階から、よりよいインプラント治療を行う段階へ進んできたことを実感できる学会でした。