透水の 『俳句ワールド』

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鈴木しづ子の句<夏みかん酸っぱしいまさら純潔など>   高橋透水

2014年04月16日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史
鈴木しづ子の10句    年代不順

【純 潔 な ど】
背信や寒をはなやぐちまたの燈
アマリリス娼婦に似たる氣のうごき
春嵐饐えし男體われに觸る
婚約や白萩の花咲きつゞき
秋蛾堕つ初戀の男慕はしからず

ダンサーになろうか凍夜の駅間歩く
夏みかん酸っぱしいまさら純潔など
唇塗れば青空いぶし銀に昏る
ひと恋し宵のルージュは濃くし出ず
売春や鶏卵にある掌の温み


●少しだけ鈴木しづ子のことを紹介しますが、
ともかく、句を味わってください。
1919(大正8)年、東京市神田区(現千代田区)生れ。東京淑徳高等女学校卒業後、専修製図校に入学。卒業して岡本工作機械製作所に就職するが、俳句はこの頃から始めたらしい。職場結婚ののち離婚。
1950(昭和25)年から52年まで岐阜県の現、各務原市に暮らすが、その後の消息は不明なままである。
★戦後、米軍キャンプ近くでダンサーとして働いたらしく、また黒人との同棲の経験があるらしい。

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一行詩の紹介 〈 恋のゲームを始めよう 〉    


就職のゲームは終った、恋のゲームを始めよう   三夢

タンポポが飛んでイスタンブールへと      のほほ

幸福の黄色い花、誰が大地に蒔いたんだ    美倉

亀鳴くやきのうすっぽん食べたから     ジージ

ネクタイをした女のような新社員     エリカ


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コメント
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