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石田波郷・「波郷句自解」(二十四)(二十五)      高橋透水

2014年09月11日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史
椎若葉さやぎさわぐは何念ふか     波郷

昭和十四年初夏相不変の駒場のアパート住ひ。
葛西善蔵に「椎の若葉」といふ短編が心裡に蟠つてゐた。
椎若葉の千態のきらめきもさること乍ら、作者の窮乏と愛欲に追はるゝ心の方が
ぎらぎらと油つぽく輝いて居つた。


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 日宙少女鼓隊の母となる日   波郷

昭和十四年。してみると「難解俳句」とはこの年から言はれ始めたのだ。眼
前鼓笛を鳴らし進む少女の一群、戦争、之等の少女達が母となる日は――、
暴涙な戦争は敗れ去り、然し少女達は、一人残らず健全な母とならんことを作
者は今切に祈る。

「波郷句自解―無用のことながら―」(有)梁塵社 より

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