今日 墨田の女性センターで すずかけ祭りが行われる
講演や展示会の他 数団体が成果発表会でステージに立つ
私が講師をしている 墨田のうたごえカチューシャも出演して4曲歌う
昨日は「ゲネプロ」で 出演団体のリハーサルだった
ゲネプロなんて格好良い表現だが 本来は演劇などの前日通し稽古のこと
ドイツ語でゲネラルブローべの略 バンドマン達はとかく こうした業界用語を使う
以前 ダンスバンドに武者修行に参加していた時にも こんな言葉を聞いた
楽器の音合わせに おい ゲーの音 ツェーの音くれないかなんて言う
勿論 ソの音 ドの音 ドイツ語発言で格好つける
ギャラはねぇ ゲー満だって・・・5万円か 50万円か
夜の練習でも 会えば おはようございます
どうも 昔のキャバレー時代に流行って そのまま使っているらしい
話は戻るが その前日リハーサル 本番通りの流れで通しとなる
私たちは 練習は要らないくらい むしろ笑顔だけがあれば良い
コーラスでも無い 里の秋 遠くへ行きたい たんぽぽ 山のけむりを歌う
客席の前列に 視覚障害者 聴覚障害者の列がある
手話同時通訳の方が居て 司会 講演 うたごえ 朗読劇など全て伝える
私たちも たんぽぽの一節だけ 手話を入れて歌った
ところが この聴覚障害の方から 手話が間違っているとの指摘があった
実は正式に習った訳でなく 仲間の高齢者の方が覚えて来たのを皆で習得した
これが どうも正確でなかったらしい 今日の本番では急遽中止することにした
同時通訳の方が 山のけむりの歌詞をどう手話で表現するか聞きに来た
普通の会話や文なら わけも無く手話で伝えられるだろう
ところが高尚な歌詞は 意味も分らないと 情景の把握も含めて伝えられない
1.山の煙のほのぼのと たゆとう森よ あの道よ
幾年(いくとせ)消えて流れゆく 想い出の ああ 夢のひとすじ
遠くしずかにゆれている
2.谷の真清水(ましみず)汲み合(お)うて ほほえみ交し摘んだ花
山鳩の声聴きながら 行きずりの ああ 君とともに
下りた峠のはろけさよ
3.山の煙のたそがれに 別れた人のうしろ影
あとふりかえり 手を振れば
うすれゆく ああ 淡い夕日が 染めた茜のなつかしく
一番の歌詞だけでも いざ 手話に訳すと どう表現するのだろう
情景を説明するしかない 「たゆとう森」ってなんですか?って聞かれた
山のけむりに ゆらゆらゆれて見える森の姿がある
たゆとう 難しい表現だ 作詞の深い想い入れのある吟味された言葉
漢字で「揺蕩」 浮遊して漂う姿の意である
もう一つ 美しいが難しい言葉 下りた峠の「はろけさ」よ
これは漢字で「遙けさ」 遠い意味だが もっと文学的に遙か遠い感情が入る
更に続く 「幾年消えて流れ行く」 「夢のひとすじ」
浅間山の噴火煙 水蒸気を含む煙 噴出してはゆらゆらと消える永遠のひとすじ
「行きずりの」 これも聞かれる 単なるすれ違う人ではない
淡い恋心を秘めた 束の間の心のふれあいを言うだろうか
三番の歌詞は その日のことではなく 山の煙のたそがれに思い浮べているのか
現在のようにも思えるが 染めた茜の懐かしく この歌詞が過去を語る
いつも感情を込めて歌っているが この単語一つづつの 意味の深さに感動する
添乗員の時に 一般募集ツアーで この作詞家の大倉芳郎さんが乗ってきた
山の煙 赤いランプの終列車は この大倉芳郎さんの作詞である
何年か経てコーラス団体の添乗があった 何と大倉芳郎さんの娘さんが幹事だった
偶然とはいえ 不思議な感動の出会いだった
そして また翌年 浅間山麓 千曲川の小諸大橋の袂にある歌碑を訪ねる
その娘さんの団体で 私のキーボード伴奏により 歌碑の前で山のけむりを歌った
最後までお読みくださいまして有難うございました
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