ああこれだ この形と経木に包まれた納豆の感覚
もう少し大きかったかな
おぼろげな私の少年時代を呼び起こす
小学校5年 信州の山奥から我が家は東京の下町に出てきた
家は貧しく 父親は定職が無く ドブ川をさらう鉄くず拾いをしていた
当然 小遣いも無く 遠足や修学旅行も行かなかった
それでも 周囲にも恵まれない方も居て 卑屈にもならず過ごした
自分の意思で 納豆売りをすることを親に告げた
生活費の一部に役立って欲しい ただ それだけである
朝4時には 納豆の製造工場に仕入れに行く
およそ30個くらい自分で購入する
近所では売れないから1番電車で 日暮里あたりを歩いた
最初は恥ずかしくて声がでない
ナットウ~ナットウ~
だんだん声がでると 家々の戸や木戸が開き買ってくれる
坊や がんばるねと声を掛けて励ます人
辛子をもっと入れてくれないかね
親は何をしているんだね
手渡しながら いろいろと質問される
適当に小さな声で応えて 次を急ぐ
木枯らしに震えて 塀の陰で風を除けている時 木戸が開いた
同情して残りの4.5個まとめて買ってくれる人が居た
野良犬がさ迷う時代である
犬殺しがトラックで探して集めていくが かなり放浪している
この犬が眼の前をふさいだり 吠えると怖くて仕方が無い
売れ行きが悪くて 残りが多い日がある
全部売れないと 家に帰れない
冬の寒さが厳しい時は 泣きそうになる
ようやく全部売って家に帰ると 学校に行くが遅刻である
余り遅れると 学校を休む
哀しい辛い想い出ではない
こういう厳しさを小さい時から味わったこと
人の情の有難さを感じて育ったことに感謝でもある
納豆を食べながら 早朝の納豆売りの少年を自分に重ねた
今日の誕生花 ペチュニア
花言葉 心が和む
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