90歳にもなろうとしているのに 瀬戸内寂聴さん 相変わらず精力的だ
大飯原発再稼動反対の活動に ハンガーストライキに加わっていた
その熱意に感銘すると共に ご自身の体調管理を心配する
3年前 添乗員として 心の旅と銘打つツアーをご案内した
東北各地のお寺さんを廻りながら 最終目的は寂聴さんの法話だった
東北道から分かれて八戸道に入ってまもなく 浄法寺インターで降りる
小高い山々が続く 静かな山間に 曹洞宗の天台寺がある
この小さい町の寺に 寂聴さんの法話を聴く為に全国から一万人が押し寄せる
観光バスも何台も連なり 個人やグループも 若い方からお年寄りまで層は広い
観光する所は何も無い ひたすら寂聴さんの話を聴きにくるだけ
人生の悩みに救いを求めるのか 生きる道の示唆を求めるのか
破天荒な過去を経て 現在の仏門に居られる方は 素直に説法に惹き込まれる
参加者は 境内にそれぞれ座り込み 寂聴さんは 石段の途中に立つ
雑談も 身動きさえないように静かだ 聞えるのは鳥の声のみ
およそ1時間 途中には笑いも入れて 諭す様に淡々と語る
終わると 寂聴さんの教えを希う方の話を数名聴いて 温かく厳しく答える
一つ一つ 心に刻み込まれる法話となる
現在 不倫をしている若い女性が教えを願った
それは人の道を外れていると単純に言えるが 人間として愛している心には変わらない
愛し続けなさい 但し 他人の家庭を壊したり 奪うことは決してしてはいけない
不倫をするには それなりの覚悟が必要である
他人を不幸せにして 自分が幸せになることであってはならない
時には 日陰の人として生きること それが惨めなと思うならやめなさい
お笑いでは 他人の不幸は自分の幸せと言う
ワイドショーでは そんな風潮にも感じることがある
他人が幸せになることは 自分の幸せになると思う
神社仏閣に行って 何を祈りますか?
家内安全他 いろいろの願いがあろう
それも普通だが まず世の中の平和 他人の幸せを祈ろう
寂聴さんは 年に数回 東北の小さなこの町の寺に来る
そして こう言う 私は何の報酬も要らないの
ここが栄えてくれて これだけの方と会い 皆さんが幸せになればいいのよ
源氏物語の執筆も終えて 法話や講習会 テレビなど 沢山の予定がある
お住まいは京都 なお お元気で あの笑顔と話し方が私たちを素直に導く
明日は 天台寺の例大祭 また1万余の方が 彼の地に溢れるだろう
今日の誕生花 やまぶき
花言葉 崇高 待ちかねる