車体を大きくカーブ内側に倒してE129系が豊栄駅に滑り込む。白新線でさらに新潟県を北上する。
夏の終わりの新潟駅、けさは薄雲に覆われている長岡(中越地方)には大雨洪水警報が発出されているのだ。
朝のラッシュが引けた08:51、927Mは羽越本線まで乗り入れるE129系の6両編成だ。
ドームに覆われた高架駅は雪国には心強い構造だ。隣のホームには白新線の華 “特急いなほ” が停まっている。
ローカル列車が走り出したら早速の朝ビール、“風味爽快ニシテ” は爽やかなのどごしの新潟限定。
缶ビール片手にサンドイッチの代わりの “笹かまぼこ” をつまむのだ。少し青空が見えてきた。
左手に巨大な車両基地と貨物基地が過ぎていくと、1,200mを超える長大な阿賀野川橋梁に差し掛かる。
真ん中に中洲を浮かべて、大河阿賀野川は滔々と日本海へと流れていく。
橋上駅、SUICA対応、上り下りのエスカレーター、JR東日本は新潟都市圏には投資を進めている。
駅前の銀バスは「もっと美人になれる温泉」月岡温泉へと走る。
3番ホームは折り返し新潟行きの専用ホーム、新潟⇄豊栄は20分ヘッドのダイヤでなかなか都会的だ。
っで、呑み人は後続の929Mで先を急ぐ。
新潟からは40分で終点の新発田に到着する。白壁に黒い瓦は新発田城をイメージしている。
その新発田城は駅から歩いて20分、汗が噴き出す頃にお濠端に到達する。
藩主の溝口氏は外様でありながら、廃藩置県までの270余年この地を治めた。
濠に浮かんでいるかのような表門と旧二の丸隅櫓は江戸時代からの城郭建造物、白と黒の海鼠壁が美しい。
城下南側には溝口家下屋敷「清水谷御殿」がある。明治になり越後屈指の大地主・伊藤家の所有になり、
「清水園」として一般公開している。今日は庭園内のcafeでランチと行きたい。
地場産素材にこだわる店で “カキの石焼ビビンバ” をいただく。岩船の海岸は岩牡蠣が有名だからね。
キムチチャーハンにのって大粒でプリプリの牡蠣が美味しい。エチゴビールのエールと愉しみます。
駅への帰り道に “王紋” の市島酒造がある。蔵見学や試飲を受けているので訪ねると楽しい。
白新線の旅は30kmに満たないが、列車は日本海縦貫線を担ってさらに北へと走る。
ボクは東京へと戻る列車で市島酒造で仕込んだ “男心” のスクリューキャップを開けるチャンスを狙っている。
夏の終わり、ヘッドホンから聴こえてくる拓郎のサマータイム・ブルースが切ない。
白新線 新潟〜新発田 27.3km 完乗
サマータイムブルースが聞こえる / 吉田拓郎 1981