旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

はちのへ漫ろ歩記「漁師の漬け丼」

2021-02-13 | 旅行記

 マリンブルーのラインをひいた新鋭キハE130系気動車を見送るここは鮫。
北の海の幸と地酒を求めて、はちのへ漫ろ歩き、今回のターゲットは「漬け丼」だ。

漁港脇の市道を10分ほど歩いていくと、舟溜りの先に社をのせた蕪島が見えてくる。
でも何だか様子がおかしい、そう、八戸線を潰した一昨年の初夏、ヒッチコックの
映画のように島を埋め尽くしていたウミネコがいないのだ。

ウミネコは蕪島に繁殖のために集まる。その時期は節分過ぎだから少し早かったか。
5月に子育てが始まり、8月初旬には島を離れる。前回もぎりぎりだったんだね。
主祭神は市杵嶋姫命(弁財天)で財運・音楽・諸芸・交通航海・安産などご利益がある。

2駅戻って陸奥湊で "イサバのカッチャ" に迎えられる。駅前には八戸市営魚菜小売市場。
朝10時までなら場内で買ったお刺身、焼魚、お惣菜で朝定食が食べられる。
すでに10:30を回っているから近くの「みなと食堂」へ。旅の趣旨から地酒も飲みたい。

一見地味なこの店は八戸の超人気店、吞み人は開店間もないタイミングで入れたけど、
帰り道に通ったら長蛇の列で、今回は実についています。
まずは地酒 "陸奥男山"、冷やでよし燗でなおよし、地元の親父たちの晩酌の酒を一杯。

     

一番人気は "平目漬け丼" らしいけど、ちょっと欲張って "漁師の漬け丼" を択ぶ。
「限定7食」に引っ張られて、意外とミーハー(旧い!)な一面を見せる。
カニ、ホタテ、イクラ、タコ、マグロ、甘エビ、つぶ貝、サーモン、カジキ、イカ、
あれっ、平目がないなぁ。でもホタテが肉厚ぷりぷりだから良しとしよう。
前半は酒のアテとして楽しんで、後半は玉子を溶いて(これいける)美味しくいただく。

新井田川沿いに歩くと見えてくる漆喰土蔵と赤レンガ蔵は "陸奥男山" の八戸酒造だ。
「男山」って銘柄は全国に33蔵あるそうだ、特に東北地方に多い。
そこで商標登録の際に「陸奥」と付けたと云う。もっとも最近は「八仙」という銘柄を
知る人が多いんじゃないだろうか。どちらも青森県産米だけを醸す正に地酒の蔵なのだ。

未明にダメ元で蔵見学の申し込みをメールしておいた。幸い快くお受けいただいた。
大きな酒林(杉玉)を吊るした切妻造、桟瓦葺の主屋に案内される。豪壮で威厳がある。
こんな時期だから映像を見ながらの説明をいただいて、そして唯ひとりの試飲タイム。
漁師さんの食中酒、イカやサバに合うという "陸奥八仙 ISARIBI 特別純米生原酒"、
芳醇で洋食やチーズに合いそうな "陸奥八仙 ピンクラベル 吟醸生酒" (何れも1月発売)、
それに定番 "陸奥男山 超辛純米" と3本求めて、なぜか達成感に満ちた漫ろ歩き。
さて、まだ日も高いようだから、青森まで足を延ばして「立ち飲み」といこうか。

街角トワイライト / 鈴木雅之 1981
     



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