久しぶりの札幌、これから「すすきの」の路地へ紛れ込んでみようと思う。
この下を走る地下鉄南北線が開業したのは1971年の暮れ。オリンピック開幕直前だ。
起点は麻生(あさぶ)駅、なぜかJRの新琴似駅とは連絡していない。
バスターミナルの設備は無く、狭い道路にたくさんのバス停が縦列している。
2番線に緩いカーヴを描いて8両編成が入線してきた。
札幌市営地下鉄は車輪ではなく、ゴムタイヤで走っている。んっ鉄道なのか?
さっぽろ駅と大通り駅の間には、新しい街札幌に在って、貴重な歴史的建造物がある。
北海道庁旧本庁舎は、明治21年に建てられたアメリカ風ネオ・バロック様式の建築だ。
時計台は、札幌農学校の演武場として明治11年に建てられ、中央講堂として使われた。
開拓期のアメリカ中・西部で流行した風船構造と呼ばれる木造建築様式だと云う。
どちらの建物にも、開拓使が旗や建物に描いた「五稜星」が輝いている。
サッポロビールで印象的な「赤星」だね。もちろん北極星をイメージしている。
8両編成は南平岸駅から地上に出る。とは云え防雪用のアルミ合金製のシェルターの中だ。
澄川、自衛隊前と進む軌道はけっこうな上り勾配、この辺りは定山渓鉄道の廃線跡だ。
やがて8両編成は真駒内駅に終着する。その名の通り真駒内アイスアリーナが近い。
札幌オリンピックでは "妖精" ジャネット・リンが、その愛くるしい笑顔で人気をさらった。
駅前にはオリンピックを記念したモニュメントが聳える。
日の丸飛行隊もジャネット・リンも幼かったボクには記憶は薄っすらだけれども、
トワ・エ・モワの「虹と雪のバラード」だけは耳に残っているな。
さて今宵は「直営 千歳鶴」で。なんの捻りもない屋号だけど、割烹レベルのクオリティ。
日本酒の店だけど、1杯目は "サッポロクラッシック" で、突き出しは "ふきの煮物" だ。
"なまら超辛" は日本酒度+15だけど、意外と爽やかですっきりした飲み口。
こんな超辛口には "にしん切り込み"、米麹と塩で漬け込み熟成した肴で酒がすすむ。
"アスパラバター焼き" には、淡麗で爽快な飲み口の "吟醸 蔵" を合わせる。
レモンを絞ってフレンチの様なひと皿に、芳醇な香りの吟醸酒がいいね。
〆は "ウニ雑炊" をいただく。酒はふくよかな香りの "純米 千歳鶴" を択ぶ。
ちょっと飲み過ぎだな。BARは止めてホテルに戻りますか。
否、ラーメンくらいは食べようか。久しぶりの札幌の夜が愉しい。
札幌市交通局・南北線 麻生~真駒内 14.3km 完乗
ポーラー・スター / 八神純子 1979