旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

風を感じて! ひまわり畑とZと渚橋のコーヒーショップ

2022-08-06 | 単車でGO!

中央環状線の長い暗闇を抜けると、真正面から真夏の朝日に射られる。
反射的に左手を翳して「どこまで走るの?」と彼女。
何本もの赤い巨大なクレーンと、色とりどりのコンテナを見ながら湾岸線に合流する。

「湘南の海を見ながらコーヒーを飲もう。」 若い頃のボクなら決してこんな台詞は口にしない。
左手には何本もの新幹線のぞみが生真面目に整列している。

「モーニングコーヒーのために走るの?楽しいのね。」
高度を上げていく銀色の機体が、広げた翼いっぱいに朝日を浴びて、キラッと光った。

「火星の基地みたいね。」 時折、彼女は不思議な発想をする。
人工島に広がる緑の森から、オレンジとホワイトで塗られたチェックの巨大なサイロが何基も生えている。
まるで尖塔のような煙突が幾つも天を突き、それら構造物をあたかも血管のように錆びたパイプが繋いでいる。
このコンビナートのことを言っているのかな?
湾岸線はコロニーの上を飛び去って、やがて横浜ベイブリッジに差しかかった。

逗子インターから続くランプウェイの急カーブ、右に左に車体を傾けるとそのまま逗葉新道に吸い込まれる。
トンネルを2本潜る。R134となった道路が海に出会う渚橋交差点を左折すると、そのコーヒーショップはある。

エスプレッソマシーンで淹れたコーヒーがテラスに薫る。
シュリンプとタマゴそれにフレッシュトマトのクラブサンドイッチをシェアして、ボクたちの朝食だ。
遠くに見える江ノ島を遮るように、カラフルなセイルたちが海を滑っていく。

「近くにね、ひまわりが咲く丘があるの。今頃キレイだと思うわ。」
パーキングを出るタイミングで彼女がつぶやいた。
左に点滅していたウインカーを右に出し直す。冷静を装って。ボクたちは三浦半島を南に向かう。
「詳しいんだね。誰と来たの。」もちろん台詞の後半は飲み込んだままだ。

<40年前に街で流れた J-POP>
SPARKLE / 山下達郎 1982

Hearts / The Square 1982



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ZUYA)
2022-08-08 17:05:22
あはは...

呑み人さんとは趣味趣向が重なる部分が多いようで。やはり天気が良いと、旅はより良くなりますね~😉
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Unknown (呑み人)
2022-08-09 05:14:04
ZUYAさん、おはようございます。
えぇ、猛暑も中休みの休日、快適に走れました。
向日葵、キレイでした。
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Unknown (のん)
2022-08-13 21:53:54
こんばんは。呑み人さん♪

彼女とドライブ♡♡
ゆっくり拝読させていただきました。
最後の音楽『SPARKLE』で
ひとり盛り上がりました。
初め拝読して
彼女のきらめくまなざしかな?と
山下達郎さんでしたね♪
この曲を聴きながら
逗子・葉山をドライブしてました。
懐かしい~
彼女のおススメのひまわりが咲く丘もステキですね♡
また逗子・葉山マリーナを訪ねてみたくなりました。
ありがとうございました。
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Unknown (呑み人)
2022-08-14 07:13:23
のんさん、おはようございます。
ソレイユの丘は、私も始めての訪問でした。
向日葵はとても丁寧に育てられていて、それは見事な風景でした。
春はネモフィラ、秋はコスモスが見られる様です。
葉山マリーナへお出掛けの際は、是非足を運んでください。
コメントありがとうございます。
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