▲秋ドラマ雑感 「ドラマBiz ハル 総合商社の女」
自由が丘大人の音楽教室 新沼健です。
「自由が丘大人の音楽教室」とは関係無い、映画・ドラマの感想、美味しかった料理、世相について思うことなどをこちらに書いています。
秋ドラマがちらほら最終回を迎えているので、視聴していた秋ドラマの雑感です。
第1弾は、「ドラマBiz ハル 総合商社の女」
今回の舞台は総合商社。
ヘッドハントされたシングルマザーの中谷美紀が、総合商社・五木商事に出戻り、当社の精鋭部隊である経営企画室に配属されます。
そしてそこには、別れた元旦那である、藤木直人が部長として経営企画部を仕切っていました。
経営企画室の部員は、優秀(そうでもないのが1名)だけれど個性的な面々がそろい、社長の肝いりでヘッドハント・配属された中谷美紀に部員の皆が興味津々です。
そんな中、中谷美紀は持ち前のバイタリティで保守的な会社を生まれ変わらせることが出来るか!?という物語でした。
端的な感想は、上っ面だけでキレイすぎる、ちょっとありえない、というものです。
「ハル」で取り上げた事業は、「ラーメンチェーン」、「病院」、「タイヤ・消しゴム」、「映画」、「女性棋士」、「アパレル」、「マイクロファイナンス」、「空港」など、視聴者がイメージしやすいようにしたためなのか、消費者に近い業態ばかりでした。
私のイメージする、「総合商社のビジネス」の対極にあるビジネスばかりでした。
私の知っている総合商社(古い知識と経験で恐縮ですが)は、消費者に近づけば近づくほどビジネスでは失敗しているという印象しか無く、ラーメンチェーンを総合商社が直接展開するなど現実にありえないのでは?としか思えませんでした。
そもそも商社に入りたいのは、ちまちました客商売(消費者相手の小売店)なんてやってられるか!俺はもっとどでかいビジネスがしたいんじゃい!というひとばかりです(でした、私の知る限り)。
そもそも客商売を小馬鹿にしている人たちばかりですから、一般消費者であるお客様のワガママには全く対応できません。
「ダイエー」の成功に触発された各商社が、それぞれスーパーマーケットの展開に乗り出したことがありましたが、私の知る限りすべて失敗しました。
だから、最も消費者に近くて、しかも成功したのは三菱商事のKFC事業だったと言われていたように記憶しています。
三菱商事は原料の鶏肉などをKFCにおろし、店舗経営はKFCが独自に展開する、というビジネスモデルでした。(現在は、三菱商事はKFC事業から既に撤退しています。)
ということで、総合商社に関する私の古い知識では、到底納得できない設定ばかり、ということもあり、ほんのちょこっと総合商社の上っ面をなぞっただけのようなドラマだと思いました。
中谷美紀のシングルマザー設定や、藤木直人の元旦那設定もあまり効いていないように思います。
前期の「リーガル・ハート」のように、見ていて切なくなる倒産話よりは良いのですが、ちょっと軽すぎたなあ、という印象です。
次作に期待です。