出張が多いため、立て続けに呼んでいるローレンス・ブロックのスカダーシリーズの1作品。
あまりにも都合の良いセッティングではあるが、実は毎度のことのような気がしないでもない(苦笑)。それでも個人個人の内面をしっかり抉り出し、随所に複線が絡み合っていて読んでいると深みに填まってしまう面白さがある。
バルーが史実に殺人を犯すところをスカダーは目の当たりにするが、その本人さえも慈悲無く人殺しをやってのけ、善と悪について本人の価値観に少しずつながら変化が見受けられる。
過去に飛散球で少女を死に追いやった負い目があったころ(酒びたりのころ)とは明らかに別の価値観が芽生えているのだろう。
今回も一冊シリーズを飛ばし読みしたことが原因かもしれないが・・・