つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

大学進学でよかった!・・・

2006-09-12 | Weblog
 早稲田実業の斎藤投手が今後の進路について会見を開き、「今回、家族、学校関係者と相談した結果、プロ志望届けは出しません。大学進学を希望します」とはっきり宣言した。
 会見に出席した斎藤は、甲子園と変わらぬ落ち着いた表情で、「今回のアメリカ遠征でほかのチームの仲間とプレーしたことで、気持ちとしては大きく揺らいだが、まだまだ自分としては野球選手としても、人間としても未熟なので、大学4年間を通じて成長して行けたらいいと思い、大学進学を希望した。大学では、体を大きくして、全体的なピッチャーとしてのレベルをワンランク、ツーランクも上げていきたい」と大学進学の理由を語った。大学4年間でさらにレベルを上げて、小さなころから夢だったプロ野球の世界を目指すという。そして、家族は自分の意志を尊重してくれたと…。
 一高校球児としては異例の会見であるが、はきはきと言葉を選びながら質問に答えている姿は冷静で堂々としていた。「野球選手としても人間としても自分はまだまだ未熟だ」とは、何と奥ゆかしい言葉ではないか。今時の若者に、これだけのことを言える者がどれくらいいるだろうか。両親の教育方針である「文武両道」をめざし、学力もすぐれているという校長の言葉もうなずける。斎藤選手は、プロで通用するほどプロ野球は甘くないと思っているとも言っていたが、そういう謙虚さがまたすばらしい。高校からプロ入りして、大成することなく失意のうちに去っていった者は数知れずいるが、彼にはそうなってほしくない。野球選手として大学進学が遠回りになっても、人間形成においては貴重な4年間になるに違いないから……。会見が終わり、退場する時に自分の椅子だけでなく、隣の部長の椅子まで直すしぐさ、こういうことが何気なく自然にできるということは、やはり家庭のしつけの良さを感じる。単なる野球バカでなく、常識も教養もある彼なら、野球界だけでなくても、社会人として立派に通用するだろう。
 一方、駒大苫小牧の田中投手も今週末には進路決定するらしいが、プロ入り宣言確実とか。それぞれ進路は違っても彼らの行くところ、これから大いに賑わうことだろう。田中投手の実力はアメリカ遠征で証明されたし、体格も立派だし、きっとプロでも活躍してくれるだろう。あとはドラフト会議もあり、どこの球団に入るか、これまた当分話題性十分だ。
 これほど高校球児の話題で湧いた夏も珍しい。連日の暑さに加え、悲惨な事件・事故の多かった中で、本当に爽やかな存在であった。斎藤投手も田中投手も、成功への道はきびしいが、今と変わりない爽やかな青年に成長してくれることを期待している。
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2 コメント

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Unknown (関西のヤングばーば)
2006-09-12 11:26:18
独断と偏見で私的に考えますと、斉藤選手は小さくまとまっている。駒大田中投手のほうが荒削りだけれども伸びる余地が多きいと思います。まだ高校生なのでこれからの体の伸びる余地はあると思いますが、大学でどのくらい通用するか、4年間の間にいいコーチとよきアドバイザーに恵まれることを祈ります。
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Unknown (オールドレディー)
2006-09-12 11:38:40
 おっしゃるとおり、あまりにこじんまりと可愛らしすぎてプロのイメージとはかけ離れていると思います。それとお行儀のよさも…。

 その点田中投手はすぐにでも役に立ちそうな頼もしさがありますね。

 どちらも爽やかな稀にみるいい若者という感じで、何故かホッとします。
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