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つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

「作られたヒーロー」亀田興毅・・・

2006-08-04 | Weblog
 2日の夜、格別見たい番組もないので、あちこちチャンネルを変えていたらボクシングをやっていた。あの傍若無人で、不遜とも思える過激発言、礼儀をわきまえぬ小生意気な亀田興毅は大嫌いであるが、あれだけ豪語するのだからどんな試合をするのか見てやろうという気になった。だが、あのような無様な試合で、おまけに後味の悪い判定結果。一番あきれたのは、終了後に「どんなもんじゃ~い」と吠えたことで、あのような無様な試合で、恥ずかしげもなくよく言えたものだと思った。
 私はボクシングには全く興味がないし、亀田興毅の試合は一度も見たことはない。だが、マスコミなどで知る限り、今の若者にない根性の持ち主であることは認める。親子の絆もまるで「巨人の星」の星飛雄馬親子を髣髴させるようなドラマがあり、親子関係においては昨今珍しいくらいの緊密さだ。が、テレビで見るリング外の彼の振る舞いを見ていると、虫ずが走る。
 今回の事で初めて知ったことが多く、ある新聞記事を要約してみた。テレビ局がチャンピオンを囲い込むのはボクシング界の常識だが、亀田選手の場合、かなり早い時期からこの囲い込みが行われた。ニューヒーローを作り出すために、テレビ局、所属事務はマッチメークにも腐心し、確実に勝てる相手との試合でムードを盛り上げ、世界戦も最も勝つ確率の高い相手との一戦にこぎ着けた。世界戦としては、この試合以外三つの選択肢があったが、いずれも手ごわい実力者で、結局亀田選手が勝てそうな選手が選ばれたというわけである。
 この試合まで11戦全勝の戦績から「強い」「非凡なパンチ力」という見方がある一方、「これまでの相手は弱すぎた」「技術的にも世界戦を戦うレベルではない」という指摘もあり、王座決定戦の内容から、後者の指摘が当っていたことがわかるという、厳しい評価もされている。ボクシング界では地元判定が存在するそうである。採点方式のあいまいさがその温床になっているが、この試合はちょっと極端だった。後味の悪さばかりが残った一戦で、テレビやジムを含めた亀田側は世界のベルトを得たが、それと引き換えに「作り上げられたヒーロー」という、拭いがたいイメージが染み付いた、と結んであった。
 このテレビ局とはTBSであろうが、TBSの亀田に対する態度は、いつも不愉快なものを感じていた。辛口のみのもんたを始め、並みいるコメンテーターも決して彼を非難しない。今回のことでは、他局では亀田の言動などを取り上げ、かなり辛らつな論争がなされており、常識人なら誰もが眉をひそめるのは当然である。どんな判定であろうとチャンピオンになったことには間違いないが、もう少し礼儀をわきまえ、口を慎しみ、チャンピオンにふさわしい言動をしなければならない。ランダエタ選手の言うように、人間として相手に敬意を払うことを学ぶべきで、社会全般に人間性も含めて認められるチャンピオンでなければならない。少しでも落ち目になれば手のひらを返して切り捨てるのが世の常であることを、親子ともに知るべきである。彼のキャラクターを周囲が容認してそれが売れると判断すれば、あえて批判もせず煽り立てるマスコミにも大きな責任があろう。
 漫画家のやくみつるさんは「非常に不愉快なものを見た。実況も最後の方は負けモードだったし、こういう判定になるとは。判定後の態度も疑問。あの場では勝者の振る舞いをしないと格好がつかないところもあるだろうが、大口をたたける試合内容ではなかった。態度を改めるべきではないか」と厳しく指摘したというが、全く同感である。
 試合後の記者会見場には世界ボクシング協会(WBA)の立会人が足を運び、亀田のトレーナーを務める父親の史郎さんに「WBAのメンドーサ会長から特別のチャンピオンベルトを贈ります」と報道陣の前でプレゼントを手渡した。亀田の家族愛、父親と3兄弟の努力は素晴らしいが、中立であるべき世界の統括団体が事前にこのような準備をしていたこと自体、見識を疑われても仕方ない…という記事もあった。 
 素質と根性は見せたとはいえ、試合後の亀田の態度に今後の方向性がうかがえるという見方も…。だが、素顔の亀田は敬語も使えるし、礼儀正しい若者であるという人もあり、そういう若者であれば、ここまで叩かれることはなかったと思うと、「作られたヒーロー」の彼を哀れにも思う。

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1 コメント

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Unknown (関西のヤングばーば)
2006-08-04 18:24:24
 私もこのタイトル戦は見ることができませんでしたが、後から聞くと負け戦だった、完全に負けだったといっていました。たくさんの苦情がテレビ局に殺到したらしいが、まやかしのタイトル戦など誰が見てもわかるのに、本当のプロ選手を育てるということをマスコミや関係者がもっと真剣にならないと、ファンにそっぽを向かれるときがくると思いますが。

 公平なジャッジと王者になる資格を持った選手を育ててほしい。
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