つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

田宮二郎の二男、俳優デビュー・・・

2007-06-07 | どうでもいいことですが
 TBS系で、毎週木曜日午後10時から、五味川純平原作「孤独の賭け~愛しき人よ~」が放送されている。主演は、「海猿」で好評を博した伊藤英明で、長谷川京子、井川遥、高岡早紀などの女優陣が共演している。今夜は第9回である。
 五味川純平は、1955年に自らの従軍体験を基にして「人間の條件」を発表、大ベストセラーとなり、1959年には、仲代達也、新玉美千代のコンビで映画化された。私が読んだのは映画化される前であるが、原作も映画もすばらしく、いまでも断片的にだが思い出すことができる。この「人間の条件」は、現在文庫本になって書店に並んでいるので、ぜひ読んでみることをお勧めしたい。私も再読しようと思っている。

 話がそれたが、「孤独の賭け」の中で、主人公千種のスポンサーである金貸しの老人の右腕、氷室健二役で出演している、あまり見かけない俳優の顔が気になっていた。しかし、先日ドラマが終わってキャストを見ていて、「田宮五郎」の名に思い至り、ネットで検索してみた。やはり、「白い巨塔」を代表する往年の超人気スターで、1978年にうつ病が高じて猟銃自殺した田宮二郎の二男だった。ふとした目の表情や、ゆっくりとした話し方が息をのむほど田宮二郎に似ているといわれるそうだが、ほんとうに田宮二郎を髣髴させる風貌は、冷徹なビジネスマン氷室健二役にピッタリ、亡き父親のイメージそのもののクールな魅力がいい。「俳優になるなら人間を知ってから」との父の遺言を守り、60種類以上の職業を経験。40歳で念願のスタート地点に立ったという。
 これまで「田宮二郎に似ている」と言われることはたびたびあったが、特別扱いされるのが嫌で「それは誰ですか」ととぼけてきたという。しかし、今回の決断にあたり気持ちを整理し、芸名を父の本名・吾郎にちなんで田宮五郎としたそうである。
 山崎豊子原作の「華麗なる一族」でも最後に主人公が猟銃自殺するが、同じ作者の「白い巨塔」の財前五郎役で燃え尽きた田宮二郎は、猟銃を口にくわえ足で引き金を引くという壮絶な死に方で人生の幕を閉じた。 
 長男は俳優の柴田光太郎で、彼は父親と同様、学習院大学卒業という学歴の持ち主。二男五郎は、東京農大農学部畜産学科卒業である。「蛙の子は蛙」で、父親とおなじ道に進んだ2人だが、果たして父親を超えることができるかどうか。
こうして3人の写真を並べてみると、長男より二男の方が顔立ちも雰囲気も田宮二郎によく似ているようだ。
  

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6 コメント

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Unknown (ばーば)
2007-06-07 22:02:00
とても懐かしい気持ちでこの記事を読みました。
ずっとむかし天地茂の「孤独の賭け」を観ていました。
相手役は小川真由美でした。
あの時の印象が強すぎて本気で観る気持ちになれませんでしたが田宮二郎の息子さんが出ているのなら今夜は見てみますね!

「人間の条件」本も読みましたし映画も観まして非常に大きな感動を味わいました。仲代達也もはまり役でしたね。
「白い巨塔」の田宮も2人と居ないはまり役に感じました。

あの時代と何処が違うのだろうと考えました。
ハングリーさが違うのですね。 今は強烈な孤独感や飢餓感を感じさせる俳優さんは皆無に近いです。
あの時代は飢餓感と孤独の裏側に、未来への強烈な焦がれるような夢や希望が隠されていました。
今の時代は本当の意味の「夢」や「希望」はあるのだろうかと思います。

それにしても田宮2世を観るのは楽しみです!
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田宮家の人々 (ヒキノ)
2007-06-07 22:56:05
田宮二郎、キザで、クールで、ニヒルで、インテリで、多彩な存在感のある俳優でしたね。タイムショックのパクリ番組はありますが彼の司会を越える人は出て来てません。柴田光太郎、高校教師からレポーターに、そしていままた高校講師に(キャスターもやってるようです)。真面目でシビアでしたが存在感がいま一だった?田宮五郎、知りません。職歴50を超える?フリーター?二人ともどうやっても田宮二郎ではないのですから。お父さんの名前が通用するほどこの世界は甘くはないでしょう。頑張ってほしい。
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Unknown (オールドレディー)
2007-06-07 23:12:42
★ばーばさま
 今夜もまた、見るほどに父親によく似ていて、若き日の田宮二郎をなつかしく思い出しました。
 おっしゃるとおり、昔の俳優は1本筋が通っていました。仲代達也の「人間の条件」の梶役も、強烈でした。「白い巨塔」の財前五郎も、少し前に唐沢なんとかでリメイクされましたが、重厚さがなく物足りなかったけど、原作のすばらしさにカバーされたように思いました。
 山崎豊子の本は「大地の子」「沈まぬ太陽」「不毛地帯」など、どれをとっても読み応えがあり、この人の本はすべて読んでいます。
 渡辺謙、役所広司も好きです。田宮二世もこの人たちのように芯の通った俳優になってくれることを期待したいです。
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Unknown (オールドレディー)
2007-06-07 23:20:52
★ヒキノさま
 父親を超えるのは多分無理でしょうね。あの田宮二郎の個性は、いくら息子でも真似て備わるものではありませんものね。
 でも、本当にイメージ的にはそっくりで、横顔なんか見まがうような気がします。
 40歳という年齢が落ち着いた雰囲気を感じさせるのかもしれませんが、「大器晩成」となればいいですけど…、期待してます。
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眠れないので続きを・・・ (ばーば)
2007-06-08 05:53:42
山崎豊子の「大地の子」、本も良いけれど、上川君の演技も良かったです! 何度読んでも何度観ても飽きません。「不毛地帯」は未読ですが「沈まぬ太陽」も読んで凄いと思いました。「大地の子」もですが、取材の仕方を読むと綿密で繊細で骨太で、本当に素晴らしい! 沈まぬ太陽は読んだあとは腹が立って口惜しくて仕方ありませんでした。その後遺症で今でも日航に乗りません。でも山崎豊子の予言どおり、いま日航は小さい事故を起こし続けていますね。
田宮五郎、見ました! ツレアイが彼が出ている時に部屋に入って来たので教えると「似ている!良い所も悪い所もオヤジそっくりだ!」と興奮気味でした。挙句には「田宮五郎が主人公の方が良かったのに」と言い出す始末でした。知名度という点についてはまだまだですから、急に主人公という訳にはいかないでしょう。伊藤英明は好きですが、こういう濃い役は迫力不足も仕方ないですね。・・・とつい独断と偏見!
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Unknown (オールドレディー)
2007-06-08 09:47:10
★ばーばさま
 やっぱり、私も同感です。伊藤秀明は好青年というイメージで、少し線が細すぎる。「海猿」のイメージが抜けきらないうちに、全く違う役柄で少々物足りなさを感じていました。
 田宮五郎の方が非情な成り上がり者のイメージが合うように思いました。昨夜、つくづく見ていると、横顔がそっくりで、思わずこんがらがるようでした。
 上川隆也も好きです。全くのイケメンではなく、内面に何かを秘めているような役者が好きですね。

 いくら年老いても、役者に胸をときめかしているのって、いいと思いませんか。せめてそのくらいの恋心を持っていたいと思います。外見は枯れても内面にまだチョロチョロと燃える物を残していたいとは、最後のあがきかな?
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