先日、わが購読紙の投書欄にあった、私と同年齢の女性の文章である。
先日、所用で京都に出かけました。京都はどうでしかたと知人に尋ねられたので「八坂神社の近くは、アベックが和服姿で人力車に乗っている人が多かった」と言ったら、「えっ、アベック?」との声。
「アベックとは言わない」との彼女は平成生まれ。スマホで調べたら、死語になっています。和製フランス語とのこと。これまたびっくり。昭和の死語を調べたら、あるわあるわ。「あっと驚くタメゴロー」でした。
パッチ、ステテコ、腹巻き、ブルマー、もんぺ、かっぽう着、えもんかけ、ドンゴロス(麻袋)、舶来品、鈍行、べっぴん…。高齢者の頭の体操として、死語を調べてみたら面白いですよ。―後略―
私も少し前まではアベックと言っていたが、同年代の者同士では「アベック」でも十分に通じる。今はカップルというらしいが、カップルとアベックとはどう違うのか。ネットで調べてみたら右記のような違いがあると分かった。まあここまで難しく考える必要はないと思うが、私もこれからはカップルと言おうかな。
上記に出ているパッチ、ステテコ、ブルマー、ドンゴロスなど、何のことか分かるのは年寄りだという証拠だ。だが、これらが死語になったとはいえ影も形も無くなったわけではない。今風の呼び方に変わっただけで、今の世でも立派に通用しているものも少なくない。さすがにブルマーはないと思うけど…。
今年の「新語・流行語大賞」が発表され、年間大賞に「3密」が選ばれたそうだ。また、先月末に行われた『三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2020」』選考発表会で大賞は「ぴえん」、2位「〇〇警察」、3位「密」、4位「リモート」が選出されたとか。これらの新語はすべて辞典に加えられるのかしら?
昨今は英語の頭文字をとって一語に省略した語やカタカナ語、新語が多用され、それらの意味を調べようにもわが家にある辞典は古くて役に立たないことが多い。
辞典の末尾空白ページに記した購入年月を見ると、国語辞典は昭和44年、漢和中辞典は昭和45年、英和辞典と和英辞典は昭和42年、みな半世紀も前の古いものばかりだ。
昭和50年ころに送り仮名の付け方や漢字とひらがなの使い分け、記号の使い方などがひと目で分かる『記者ハンドブック』を購入。仕事柄、これらはずいぶん重宝したものである。また世界地図と日本地図のポケット版は昭和60年購入で、名前が変わった国も多々あってあまり用をなさない。どれもよく使ったから表紙の色は変わり、今にも破れそうだ。
今はネットで検索すれば何でもすぐに分かる。が、いつもパソコンを立ち上げているわけではないから、ちょっと調べたいと思うときは困る。が、この歳になって新しい辞典を買うのはもったいないしなあ。
『「3密」「リモート」なんて言葉が流行したね!』と何時か思い出になるのでしょう。
言葉や用語は時代背景によって変化してゆくものですね。
岩波新書に「百年前の日本語」と云う言葉の変化を克明に描いた良書があります。欧米諸国から入ってきた単語を漢語から庶民に(ここがポイント、知識人だけでは有りません)解り易い新語!?に訳し
表記する、此の作業の煩雑さ。
こうして生まれた新語も「何時の間にやら死語」と化し
辞書、事典、字引の類は5年くらいが寿命でしょうか
流行りものに疎い老人組も、何とか新語について行けるのはひとえにネット検索のお陰
スマホのお役立ちにはただ感謝あるのみで~す
新しい辞書を買っても、哀しいかな。辞を繰るのに手間取って疲れてしまう、せっかく探し当ててもすぐに忘却の彼方へ、なんて状態になっています。すぐに忘れるならネットの方が簡単だしネ。
特別優秀だとも思えない人まで、みんな英語の省略語やカタカナ語を使ってしゃべりますが、正しい日本語で分かるように話してほしいですわ。