つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

昔の手作りおやつ・・・

2020-07-23 | 懐かしいです

 わが購読紙に連載中の『ふる里の風景』にあった「片栗粉のおやつ」の話は、昔を思い出して懐かしかった。
 お椀に片栗粉と砂糖を入れ、熱湯を注いでスプーンでぐるぐる混ぜていると、白い粉が次第に透明なゼリー状になっていく。子どものころ、その変化が不思議で楽しかった覚えがある。  
 寒い日にフーフーしながらこれを飲む(食べる)と、幸せな気分になったものだ。体を温めるのに適した葛湯(葛粉で作る)に似ているせいか、風邪をひいた時など、いつも祖母が作ってくれた。またそうでない時も、すぐにできることもあり、台所に行ってお湯を沸かし、スプーンや箸でぐるぐるやったものだった。当時そのおやつを何と呼んでいたか思い出せないが、ほんのり甘くて優しい味は、今も忘れず覚えている。今ほど豊かでなかった僕らの子ども時代。手作りのおやつは色々あったが、片栗粉のそれもその一つだった。
 私の記憶にある「片栗粉のおやつ」は、いつ頃のことだろう? 小学校入学が昭和22年。戦中・戦後の食糧難の時代、国民にとって砂糖は非常に貴重な存在で、1952年(昭和27年)まで配給制だったそうだから、戦後もだいぶあとのころだろう。砂糖を使うおやつはそう頻繁に食べることはできなかったろうに、風邪でもひいた時か、祖母が作ってくれたことを覚えている。
 「片栗粉のおやつ」は安上がりだし、簡単そうだから作ってみようかな、と思ったら、意外とカロリーが高いのにはびっくり! 
 片栗粉はジャガイモのでんぷんで、そのでんぷんの正体はブドウ糖の塊だという。片栗粉の糖質量は100gあたり81.6g。ちなみに小麦粉(薄力粉)は100gあたり73.4g。きな粉は100gあたり14.1gだから、いかに片栗粉の糖質が高いのが分かる。また片栗粉の100gあたりのカロリー量は330キロカロリーだとか。これは大変、太ってしまうから止~めた!  
 
 またよく食べていたおやつに「はったい粉」がある。はったい粉は焦がした大麦を臼で引いて粉にしたもの。砂糖を加えてそのままでも、また湯で練って食べても香ばしくて美味しい。そのまま食べていてむせて咳でもしたら、さあ大変! そこら中に粉が飛び散って𠮟られたことも懐かしい思い出である。  

 当時の子どものおやつには、他にもたくさんあったが、どれもあまりお金のかからないものばかりだった。夏によく食べていたのは、太陽の恵みがたっぷり注がれて育った露地栽培のトマトやキュウリである。
 畑から真っ赤に熟れたトマトや、青くみずみずしいキュウリをとってきて、当時は冷蔵庫などないから井戸水で冷やして、塩を振ってそのまま丸かじりした。完熟したトマトは独特の匂いがあり、甘くて美味しい。キュウリも新鮮でパリッと歯ごたえがあり、1本くらいぺろりと食べた。
 今ではトマトを青いうちに収穫して赤く色づいたら店頭に出すらしい。ハウスもののトマトやキュウリは味も匂いも、路地ものには絶対に勝てないね。
 
 もう一つ、梅干やシソをおやつにしたこともある。昔は肉を買うとタケノコの皮に包んでくれた。それを捨てずに洗って干しておいて、その皮に梅干とシソをのせ砂糖を振りかけ、一ヵ所だけ吸い口ができるように三角に折りたたむ。そこをチューチューと、甘酸っぱい汁が出なくなるまで吸って、汁が出なくなると開いて梅干とシソを食べる。が、今ほど目いっぱい砂糖が使えない時代だったから、酸っぱくて…ネ。
 クーラーも扇風機もなかったあの暑い夏の日、トマトやキュウリ、梅干とシソなどは栄養価満点、おやつに最適。やはり先人の知恵はすごい!

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4 コメント

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オールドレディさま (suri-riba)
2020-07-23 15:34:38
読んでいるうちに「あれも、これも」懐かしく思い出します。餓えれば何でも御馳走!それを知らない若い世代が可哀そうなくらいです。
一斤三千円の食パンに朝、行列ができています。
「ナンバ粉」で作ったパン食べてみろ!とどなっても
ナンバ粉ってなに?と言われる。中国食品が無くなると、思い知るかな・・。
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比べてみたら (sirousagi gamanoho)
2020-07-23 16:44:17
採りたての野菜ほど美味しいものはない!
口の奢った人でも新鮮さにまず脱帽するはず
インスタ映えを競う現代人には(想像力も衰え始めている?)理解出来ないだろうが。

むかし昔のおやつのお話
郷愁が「思い出の味」を美しく仕上げることも事実ですね。
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Unknown (オールドレディー)
2020-07-24 08:43:25
★suri-ribaさま
昔は文句も言わず、何でも食べていました。食べられるだけで幸せ、それを知っているのは私たちの年代まででしょうか。
並んで高い食パンを買う人は高ければ高級品と勘違いしているのでしょうが、栄養価にどれほどの違いがあるのかしらね。
「ナンバ粉」、懐かしい言葉です。昔は「トウモロコシ」のことを「ナンバキビ」といってましたね。
最近、昔のことばかり思い出します。年のせいですね。

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Unknown (オールドレディー)
2020-07-24 08:55:52
★shirousagi gamanohoさま
時々、マンションの住人から自家栽培のトマトやキュウリなど取れたての野菜をいただきますが、新鮮な野菜は本当に美味しいですね。
今の子どもにトマトやキュウリをおやつに出したら、どんな顔をするでしょうね。
それよりもおやつを手づくりする母親がどれほどいるでしょうかね。


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