山口県周防大島物語

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昭和11年発行 【小松町誌】25

2024年03月31日 16時18分18秒 | 昭和11年発行 【小松町誌】
昭和11年発行 【小松町誌】

     【 官 公 衛 及 団 体 】

【二】 塩田共同組合

 生産額年二十萬円の製塩業は本町生産業界の覇王である。製塩戸数二十五戸、これが
従業員三百十九名に達しており、その支払われる賃金、消耗品代は、優に十数万円に上る
と言わるるから、その盛衰は直ちに町の経済に至大の関係を及ぼすこと言を待たない。
製塩業者は製塩連絡の機関として、小松塩田共同組合を組織して、賃金の統一、石炭の
共同購入等、諸方面に活動している。
同組合現在の役員左の如し

 組合長   橋本 三蔵
 理事会計  矢田部 安一
 理事    矢田部 宗太郎、 安元 弥左衛門、 安元 熊槌
 監査    小林 辰一、 田村 好一

 【使 用 塩 叺(かます)】
  小松塩田に使用する叺数は年によって多少の相違はあるも、年間約二十萬枚を要する
  と見られて居り、之が供給は郡外並びに県外よりも需めている。昭和10年4月より
  昭和11年2月に至る10ケ月間に塩田組合の購入したるものを購入先別に示せば次の如し。

  購入地      数量       金額
  
  小松町     7990枚      608円
  屋代村     65020枚     4868円
  蒲野村     24440枚     1828円
  郡 外     38540枚     2608円
  県 外     31210枚     2327円
  計       167200枚    12238円

 【選 奨 浜】  
  同組合管内に於いて昭和4年以降専売局の選奨規定により選奨されたるもの次の如し

  年度      被選奨製造人

 昭和4年度    鶴 屋  安元 弥左衛門
 昭和5年度    松永屋  田村 好一
 昭和6年度    河内屋  安元 熊槌
 昭和7年度    松永屋  田村 好一
 昭和8年度    國 屋  橋本 三蔵
 昭和9年度    亀 屋  久保田 勇治
 昭和10年度    岩国屋  矢田部 宗太郎
 昭和11年度    松永屋  田村 好一


【三】 小松郵便局

 小松郵便局は明治35年12月の開局で、郵便一般の事務を掌って居り、その事務は年々
 増加しつつあり、十年度の状況は次の如し

 郵便取扱数     引受  731883枚
           配達  847135枚

 電報収扱数     発信   7497本
           受信   9987本
           中継   4971本

 小包普通      引受   2808個
           配達   7706個

 小包書留      引受   1363個
           配達   3911個

 電話取扱数     発信  18828回
           着信  23173回

 為替取扱      受付  104843円
           払渡  129898円

 貯金取扱      預入  129093円
           払出  158565円

 簡保取扱      加入者   1293人
           契約高  143137円

 郵便年金加入者          16名

 電話加入者            95名

 ラジオ聴取者          160個

 同局長は、原田 久太郎氏で、局長代理は福島 政一氏である。

 注)郵便局の数字は、当時の大島郡の状態をよく示しています。
   物も金も受取超過は、台湾、朝鮮、満州、布哇へ出稼ぎに出たひとたちからの金員でしょう。
   電話が95台とラジオ受信機が160台とは当時の中堅町民の数なのでしょうね。郵便年金に加入
   できる余裕のある人は16名しかいませんね。


           
 



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