All-onとかザイゴマのやり方に関しての私の反論を公開の場で述べて置く。
All-onにしろザイゴマにしろ、歯槽骨がかなり吸収し、顎堤が厳しい状況から咬合再構築するモノであることは間違いがない。
このことは誰も否定できないだろう。
となると、総義歯屋であるDRなら誰でも知っていることだが、歯槽骨の吸収はどのように起きるのか?が大きな問題だ。
簡単に言えば、上顎は唇頬側から吸収しアーチは後退し小さくなる。
下顎は歯槽頂が痩せていくので、アーチは顎骨の基底に近づいてアーチが広くなる。
つまり、総義歯になると上下のオーバーバイト、オーバージェットは逆転してしまう、と総義歯屋は知っている。
それを解決するために、昔の総義歯の解決方法として交叉咬合に人工歯排列をしたりして来た。
さて、All-onやザイゴマだが、吸収してしまっているアーチを元にしてインプラント植立しなければならないのだから、当然インプラントは必然的に口蓋側に植立されてしまう。
特に小臼歯部に植立されてるインプラントは、私のような総義歯屋には口蓋側転移歯の位置に埋めている、としか見えない。
これで、舌房を侵害してない、とは片腹痛い、としか言いようがない。
私のような総義歯感覚が染み込んでいる者から見れば、そんな総義歯はありえない、としか言いようがない。
私が絶対にAll-onやザイゴマに手を出さないのは、何度でも言うが、舌房を侵害しているのが気になってしまうからだ。
海外の学会で、とても良く見るが、彼らの全顎的即時荷重インプラント治療の治し方は、総じてアーチが狭い。
欧米人はあれで大丈夫なんだろうか?と私はいつも懐疑的に見ている。
少なくとも、日本人には当てはまらない、と私は感じて仕方がない。
日本人の患者さん相手に、総義歯の腕を磨き、お師匠様から免許皆伝を授かり、他人が簡単には真似のできないレベルの治療できる腕を獲得したベース、総義歯屋として口腔全体を見る癖が私には徹底的に付いている。
生意気書くが、免許皆伝授かってもう30年だ。
その間も、数々の総義歯名人を渡り歩いたと言う大変な総義歯患者さんを解決し続けて来た。
その眼から言うと、舌の位置、機能は口腔機能に多大に影響する。
特に、高齢になればなるほど、歯を喪失して、患者さんは舌に締まりがなくなる。
失われた歯列を無理やり埋めて、咀嚼嚥下をするために起こる現象だ。
そして、そう言う患者さんが相手なのがAll-onでありザイゴマだろう。
口蓋側転移歯に来て、前歯部でも時には相当なカンチレバーにならざるを得ない。
それをできるだけ避けようとすれば、アーチを小さくして対処するしかないはずだ。
アーチを小さくしてしまったら、咬合高径を上げようが、容積を補うことはできない。
それは総義歯屋として断言する。
お師匠様から、何度も何度も教えられた舌房を犯してはならない、と言う教えを私は絶対に忘れないし、次代にも伝え続けて行く。
そちらこそ総義歯ちゃんと勉強しろ、と明言して置く。
因みに、私は総義歯治療に関してこのレベルの治療を30年し続けて来ている者だ。
写真で上げているようなここまでのことができる総義歯臨床家は、そうそうはいない。
この見識から、私の考えを述べて明言している。
これぐらいの総義歯治療できるぐらい、顎口腔系機能回復の勉強はして来たつもりだ。
勿論、その中にはインプラント治療も歯周病再生療法も、外科的手技も含まれている。
専門家向けに書き過ぎて、一般の患者さんには分からないと思うので、ここから先は一般の方向けに解説します。
簡単に結論を言うと、All-on-4とかの直ぐに噛めるインプラント治療では、作られる歯列のアーチ、人工歯・義歯が、どうしても小さく狭くなってしまう、と私は指摘しているのです。
それが、舌の運動を邪魔し、とてもじゃないが食べ物を噛み砕いたり飲み込んだりするには窮屈で仕方がないだろう、と私は考えています。
その理由は、歯が抜けた後の顎堤の生理的変化から来るもので、特に上顎がどんどん内側に入って小さく狭くなるからなんです。
その理由は、歯が抜けた後の顎堤の生理的変化から来るもので、特に上顎がどんどん内側に入って小さく狭くなるからなんです。
All-on-4とかのインプラント治療は、その顎の大きさに合わせて埋めてしまうし、特にその中でもザイゴマというインプラント治療方法は、上顎の内側に生えてしまっているような所に来るから、尚更作られる歯列のアーチ、人工歯・義歯は小さくなるだろう、と思います。
総入れ歯になると、前歯とかも相当に凹みます。
それは、歯が失われることで、骨が痩せてしまって後退するからです。
その痩せた骨を元にしてインプラントを埋めると、元あった歯の位置に人工歯、義歯を作ろうとすると、かなり前に伸ばして作らないといけなくなります。
シーソーのような状態で作る、と言うことになる訳です。
そんなことしたら、当然無理な力がインプラントに掛かりますから、それを避けるにはできるだけ伸ばす量を少なくするしかなくなります。
つまり、元々あった歯の位置からは後退している位置に人工歯、義歯を作るしかなくなる、ということです。
これをしてしまうと、歯列のアーチが内側に配置されますから、舌はしょっちゅうぶつかって気持ちが悪くて仕方がないでしょう。
食べ物を噛み砕いたり、飲み込んだりするのにも気持ちの悪さを抱えながら、ということになりかねません。
だから、私はそのような治し方に反対しているんです。
舌の邪魔をするような歯科治療はしてはならない、とお師匠様にきつく私は教えられました。
お師匠様の元で修行をして、総義歯に関しては、写真で上げているような実力を20代の終わりに身に着けて、その素地の元に全ての勉強をして来ました。
かなり生意気ですが、インプラント臨床家で総義歯をここまでやれる専門家は殆どいません。
その見識から、私はAll-on-4の即時荷重には反対をしております。
あと追加で書きますが、埋めたインプラントと人工歯・義歯を留めているのはとても小さいネジだ、と皆さんは知っていますか?
実物を見れば戦慄すると思いますが、本当に細くて小さくて弱そうなネジですよ。
直径2mmもありません。
そんな小さなネジでインプラントと人工歯がネジ留めされているのが事実です。
そして、人が力は最大では体重程度、普通でも20キロは掛けている、と分かっています。
そのような強い力受け止め続けるのに、そんな細い小さなネジで大丈夫、と信じられますか?
少なくとも、私には信じられません。
短期間なら良いでしょう。
でも、人生は長いんです。
20年30年毎日3食食べて使っていたら?
ネジが緩んで折れる?ネジが緩んでインプラントが割ける、折れる?
長期で考えて、無事で過ごせるとは、私には思えません。
そういう点から考えても、All-on-4の治療方法は、人生があと10年あるかな?と言う方で、高齢者で筋力も落ちている方に適用するのがギリギリだろう、と私は考えています。
患者さんはご存じないでしょうが、All-on-4やるDRはその術式に無理矢理に合わせようとするために、患者さんの顎の骨を基底部分までわざわざ真っ平らに削ってしまうんです。
今残っている骨をわざわざ取りまくるような手術は、私は大々嫌いです。
その理由は、手術侵襲が大き過ぎるからです。
多分、手術受けた患者さんのお顔は翌日以降2週間はパンパンに腫れ上がって、勿論痛んで大変でしょう。
そんなやり方は死んでも認めない、と言うのが私の考えです。
最後の最期に、解決方法を示唆して起きます。
たった一つです。
一度理想的な総義歯を作製して置くこと。
それをベースにして、インプラントの埋入計画、骨、歯茎の処置、手術を計画すること。
NYUのTaka.Suzuki先生に教えていただきましたが、インプラント科で総義歯排列を又教えるようになったそうです。
いつものことですが、私が言っていたとおりになりましたね・・・
今日はお終い。
PS:ザイゴマインプラントを知りたい方、どんな治療で、どういう手術で、どう治されるのか知りたい方は、zygoma implantで画像検索してみて下さい。ネット上で沢山公開されてますので・・・
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